2012年12月04日 (火)

奈良 室生寺

「奈良」を担当した太田良一です。

神仏をごく身近に感じながら暮らしている奈良の人々の姿、いかがでしたでしょうか。

今回の取材で出会った方の中から、室生寺で働く中村一誠さんについてあらためてご紹介させていただきます。中村さんの仕事場は、720段の石段を登った先にある奥の院。76歳というご高齢にもかかわらず、颯爽と歩みを進める中村さん。道中、石仏に出くわすたびに足を止め、そっと手を合わせていらっしゃる姿がとりわけ印象的でした。室生寺とともに生きてきた中村さんの人生が、この石段に詰まっているような気がしました。

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奥の院での中村さんの一番のおつとめは、参拝者に朱印を記すこと。「720段、よく登ってきたね」「室生寺は初めて?」「シャクナゲの咲く頃にまたおいでな」などと気さくに声を掛けながら、筆を走らせていらっしゃいました。みなさんも、今度室生寺を訪れる機会がありましたら、ぜひ奥の院まで足をのばしてみてはいかがでしょうか。720段を登り切ったら、きっと楽しいひとときが待っているはずです。

室生寺といえば、写真家・土門拳さんが足繁く通った寺としても知られています。中村さんは、土門さんが境内で熱心にシャッターを切る姿を幾度も目にしたそうです。室生寺を写し取ろうとする鬼気迫る表情を今でもよく覚えているとのこと。奥の院に行けば、そんなエピソードを直に聞かせてもらえるかもしれません。

投稿時間:11:35


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