2022年5月の沖縄本土復帰50年を記念して、NHK沖縄放送局ではNHK交響楽団沖縄公演を開催しました。この公演にあわせて、クラシックを“沖縄らしく”楽しんでいただく、クラシックと沖縄音楽がコラボしたプレイベント「沖縄本土復帰50年 N響ミニコンサート『ゆいゆいクラシック』」を実施!今回のN:KIKOUでは、このプレイベントの様子をお届けします。
過ごしやすい気候で、沖縄では「うりずん」と呼ばれる時期の4月。
プレイベントは、23日(土)に大宜味村・道の駅おおぎみ やんばるの森ビジターセンターにて、24(日)に那覇市・那覇文化芸術劇場なはーとにて、2日間開催しました。
演奏は、NHK交響楽団メンバー・弦楽四重奏の横溝さん(バイオリン)、猶井さん(バイオリン)、村松さん(ビオラ)、中さん(チェロ)。
ゲストは、女性ギター三線ユニット・いーどぅしのお二人。沖縄県立芸術大学を卒業し、沖縄県内外で活躍されている若手実力派ユニットです。
さらに、24日(日)には、沖縄県立芸術大学准教授・新垣俊道さんにもご出演いただき、沖縄の古典音楽について詳しく解説いただきました。なんと新垣さんは、いーどぅしのお二人の恩師!久しぶりの再会に、学生時代を懐かしむ一幕もありました。
ミニコンサートのテーマは「結(ゆい)」。クラシックと沖縄音楽、そして人と人とを「結ぶ」ように、クラシックと沖縄の名曲の数々が会場に響きわたりました。
■楽しく聴いてみよう!沖縄音楽とクラシックの“結(ゆい)”
沖縄で古くから親しまれてきた沖縄音楽と、ヨーロッパを中心に長い歴史を持つクラシック。まったく違うジャンルの音楽を“結”ぶミニコンサートの幕開けとして、「キラキラ星変奏曲(モーツァルト作曲)」を特別アレンジでお届けしました。誰もが知る名曲が、だんだん沖縄音楽風のメロディに変わっていく様子に、会場の皆さんが聞き入っていました。
さらに、沖縄で親しまれている名曲「じんじん」「てぃんさぐぬ花」「花ぬ風車(かじまやー)」を、弦楽四重奏によるメドレーで演奏!耳慣れた曲でも、いつもと違う響きで新鮮に聞こえます。
おじい・おばあから赤ちゃんまで、幅広い世代の方にお越しいただきました。
■沖縄本土復帰50年 人と人の“結(ゆい)”
ここからは、いーどぅしのお二人が登場!沖縄が生んだ名曲「童神」「芭蕉布」を、弦楽四重奏とのコラボで演奏しました。子守唄である「童神」では、小さいお子さんを優しく揺らしながら聞き入る来場者も。会場が暖かい空気に包まれました。そして、本土復帰50年を迎えたいま、平和への想いを込めて、弦楽四重奏による「糸杉(ドボルザーク作曲)」をお届けしました。
左から、いーどぅしのなみなみさん、かーなーさん。NHK交響楽団の横溝さん(バイオリン)、猶井さん(バイオリン)、村松さん(ビオラ)、中さん(チェロ)。
■一緒に奏でよう!あなたと音楽の“結(ゆい)”
最後は、会場にお越しの皆さんとのセッションパートです。「ハイサイおじさん」「ラデツキー行進曲(J.シュトラウス作曲)」に合わせて、みんなで手拍子♪ 23日(土)大宜味村会場では、沖縄県立名護高校吹奏楽部の皆さんにもご出演いただき、演奏と手拍子で盛り上げていただきました。
そしてフィナーレは…「カチャーシーカチャーシーカチャーシー♪」のかけ声ではじまる「唐船ドーイ」!沖縄では、宴会などの締めに演奏され、「カチャーシー」という踊りをみんなで踊る定番曲です。会場全体がカチャーシーと手拍子で大盛り上がり!N響メンバーも途中で楽器を置き、ノリノリで踊りだすというお茶目な一幕もあり、会場は大笑いでした。来場者の方からは、「クラシックコンサートだけど、沖縄の居酒屋みたいにみんなで踊れて楽しかった!」という声がたくさん寄せられました。
会場が一体となって音楽を楽しむことができ、来場者の方からは「コロナ禍でのストレスが音楽で癒されました」という声もいただきました。ミニコンサートの様子は、5月29日開催のNHK交響楽団沖縄公演の様子とあわせて、NHKプラスにて、6月26日(日)午後11時まで配信中です。ぜひご覧いただき、皆さんにも手拍子・カチャーシーで楽しんでいただければ嬉しいです。
Eテレ「クラシック音楽館」 (本放送2022年6月19日)