2019年8月、一人のバレリーナが惜しまれつつもトゥシューズを脱ぎました。
そのバレリーナとは、吉田都さん。英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団、英国ロイヤル・バレエ団で22年間にわたり最高位であるプリンシパルとして活躍した、日本が生んだ世界最高峰のバレリーナの一人です。
吉田さんが国内外の実力派ダンサーとともに繰り広げる最後のステージを、「NHKバレエの饗宴」の特別企画として2019年8月7日、8日に新国立劇場で実施しました。
「NHKバレエの饗宴」は、一年に一度、日本を代表するバレエ団やダンサーが一堂に集い、クラシック・バレエの名作からコンテンポラリーまで様々なバレエ芸術を同じステージ上で楽しむことができるNHKならではの企画として2012年に始まりました。
これまでに実施した8回の公演のうち、吉田さんには第1回の公演を含む合計4回ご出演いただいており、様々な演目でステージを大いに盛り上げていただきました。
今回の引退公演では、吉田さんの約35年のキャリアの集大成としてご本人の思い入れの強い作品が多く取り上げられました。
吉田さんご自身は「シンデレラ」や「白鳥の湖」に出演し、磨き上げられた美しいステップを披露されました。
その他、英国ロイヤル・バレエ団プリンシパルの平野亮一さん、英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団プリンシパルの平田桃子さんら今をときめく国内外のトップダンサーが登場し、ステージを華やかに盛り上げました。
そしてついに、吉田さんの現役最後の演目、「ミラー・ウォーカーズ」。しっとりとした曲調の中、英国ロイヤル・バレエ団で共に活躍したイレク・ムハメドフさんとのコンビで、現役最後の舞台を締めくくりました。
フィナーレ後のカーテンコールでは、共演者や振付家たちから吉田さんに1本ずつバラの花が贈られました。場内の観客も総立ちとなり、吉田さんの引退を惜しみつつ万雷の拍手を約15分にわたって送り続けました。
今回の公演の模様は、
10月7日の午後8時からBS4Kで、また、BSプレミアムでも放送する予定です。
あの日の感動を、放送でも存分にお楽しみください。