4月18日(日)放送
立松和平をリレーする

写真・左:中国 雲南にて
写真・中央:アフリカ ケニアにて
写真・右:南米 ペルーにて

 

2月、作家の立松和平さんが亡くなった。62歳だった。
早稲田大学在学中に執筆活動をスタート。国内外を旅する行動派の作家として活躍した。若いころから数々の職業を経験し、作家活動以外にボクシングやラリー、近年では自然環境保護など幅広い活動に取り組んでいた。
その早すぎる死を悼む声は多い。

NHKには、立松さんが出演したETV特集をはじめとしたテレビやラジオ番組の映像・音声が500本以上残されている。最も早い映像は1980年代のもの。85年放送の「青春プレイバック」では、作家として生きていくと決めた20代前半を「途方にくれて」いたと語り、「今も途方にくれている」と語った。『途方にくれて』。それは第1作品集のタイトルであり、また行動派の作家を衝き動かし続けた原点をあらわす言葉だったのかもしれない。

立松和平さんのおびただしい創作や多方面にわたる旅・活動の原点にあった「途方にくれる」ことを恐れないきまじめさ・誠実さ・強さ。これこそが、多くの人々に共感を呼ぶ源泉ではなかったか、と早稲田文学の後輩、作家・重松清さんは語る。

番組では、NHKに残された立松さんの肉声を再構成。関係者の証言も交えながら、立松和平さんの創作活動の軌跡とその原点を見つめ直す。立松和平さんが遺したメッセージを読み解き次の世代にリレーする番組とする。

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