11月30日(日)放送
新しい文化「フィギュア」の出現 〜プラモデルから美少女へ〜

写真:左から
・フィギュア造形師 ボーメさん 作業場(大阪)
・ボーメさんの作品 美少女フィギュア
・ボーメさん作業風景(大阪・美少女フィギュア製作中)
・ボーメさんの作品 パルコ個展(渋谷・およそ80点ならぶ)

 

年に2回開かれる日本最大のフィギュアの祭典「ワンダーフェスティバル」。毎回、1日でおよそ4万人のファンや関係者が会場をうめつくし熱気であふれる。

今、漫画やアニメをもとに作られたフィギュアという立体造形の文化に日本のみならず世界から熱いまなざしが注がれている。

その人気は、アートの世界にも飛び火した。5月に、ニューヨークのサザビーで、現代アーチスト村上隆のフィギュアが16億円で取引されたのだ。予想額を一桁上回り、美術関係者から現代美術として高い評価をうけている。

フィギュアの元祖は、子供の玩具、ホビーと考えられたプラモデル。この分野をリードしてきたのがたった1坪半のプラモデル屋からはじめた海洋堂。店主の宮脇修は、町のプラモデルファンを鍛えてプロの造形師集団に育て上げる一方、「ガレージキッド」とよばれるプラモデル用の特殊な型作りを進化させフィギュアという、新しい形態を造りだした。このチームの造形技術、図像読み取り感覚が、現代の文化現象フィギュアの源流となっていく。

中でも、美少女フィギュア造形の第一人者である海洋堂の「ボーメ」は、村上隆がデザインしたフィギュアの原型をつくり卓越した技術に、世界から注目されている。彼の人気ぶりは、ニューヨークの有名ギャラリーやパリのカルティエ現代美術館から、熱いラブコールを受けて個展を開く程だ。彼の「かわいい」かつ「リアル」で「妖艶」な造形は世界のファンを魅了するまでとなった。

番組では、青春をフィギュアの発展と共に歩んだ岡田斗司夫氏を案内役に、造形師ボーメの制作現場にカメラを入れて、その造形の秘密に迫る。さらに勃興するフィギュア文化に関心をもつ民俗学、解剖学、美術などの識者の意見を通して、フィギュアのもつ魅力、意味を浮き彫りにする。

案内役:岡田斗司夫

ゲスト:
村上隆、佐々木幹郎、山田五郎、荒俣宏、上田紀行、布施英利 ほか

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