11月16日(日)放送
私の源氏物語 〜千年語り継がれたロマン〜

写真・左:大和和紀「あさきゆめみし」より
写真・中:源氏物語について話す瀬戸内寂聴さん

写真・右:源氏物語を朗読する高橋美鈴アナウンサー

 

世界最古の長編小説、源氏物語が紫式部日記に記録されてから、11月1日でちょうど1000年。発表された平安当時から大人気を集めていた作品だが、スキャンダラスなストーリーを巡って、その解釈は1000年、さまざまに移り変わってきた。
宮廷の女房の間で語り聞いた貴族社会を経て、江戸時代になると大衆化する。そして明治時代、与謝野晶子の口語訳により、近代の小説としてよみがえった。しかし、戦争の時代には大不敬の書と断じられ、作家・谷崎潤一郎は、「穏当でないと思われる部分」を削除して現代語訳を発刊せざるを得なかった。戦後、こうしたタブーは消え、ストーリーや人物像を巡る解釈の違いを鮮明にしたさまざまな現代語訳が生まれていく。

男性の理想像と悲しみを一身に背負った光源氏と、さまざまに描き出された女性たち。王朝風俗に彩られた人間洞察を、日本人は1000年の間どう語り込んできたのか。田辺聖子、瀬戸内寂聴ら現代語訳者や丸谷才一、清水義範、林真理子など新たな解釈を施した作家たちのインタビューを中心に、さまざまな現代語訳を紹介。大和和紀、江川達也らの漫画やケータイ小説まで、時代の最先端のメディア表現に取り上げられる源氏物語の魅力について語り明かす。

Copyright (C) NHK(Japan Broadcasting Corporation) , ALL rights reserved. 無断転載・転用を禁じます。