10月28日(日)放送
里山保育が子どもを変える

写真左:田植えをする子供たち
写真中:炊事する子供たち
写真右:畑の子供たち

子育てに神経質な親が多い。教育現場も安全・安心を最優先させる。そんな中、森の中でのびのびと子供達を育てている保育園がある。

千葉県の木更津社会館保育園(私立)の5歳児たち40人あまり。市街地周辺に残る里山の中で年間60日間も過ごしている。

僧侶で園長の宮崎栄樹さん(58)は「けがをしたり泥だらけになったり、時には友達と喧嘩をしながら遊びに熱中してこそ子供は健全に育つ」と考え、藪や崖ときには蜂やマムシなどの危険も潜む里山で保育をしているのだ。宮崎さんが「里山保育」を提案した8年前、ほとんどの保育士たちが「危険すぎる」「時代に合わない」と反対した。しかし、里山で過ごす子供達の変化を見て、反対の声はしだいに消えていった。森は危ない場所であると同時に楽しい場所でもある。困難を乗り越えながら自信をつけた子供たちの表情は生き生きしてくる。

この保育を現地で指導しているのは、里山を知り尽くしたニホンザルの研究者、ヒゲ面の直井洋司さん(50)。学生時代、心理学を学んだ直井さんが、60日間を子供達と里山で過ごし、身近な動植物の魅力と生き物との接し方を伝えていく。

里山という環境で子供達がどう変わっていくのだろうか?一年間を美しい四季の変化を盛り込みながら見つめ、直井さんの指導の下で子供達がゆっくりと成長していく姿を伝える。

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