10月7日(日)放送
生きづらい時代の大人たちへ 〜シンガー・馬場俊英のメッセージ〜

写真左:シンガーソングライター・馬場俊英
写真中:シンガーソングライター・馬場俊英ライブ
写真右:観客から回収されたアンケート

いま30代から40代の大人たちの心を捉えて離さない、異色の経歴を持つシンガーソングライターがいる。馬場俊英・40歳。人は彼を「再チャレンジの星」と呼ぶ。

馬場は28歳でデビューしたもののほとんど売れず、わずか4年で契約打ち切り。しかしあきらめずに自主制作CDを出すなどの活動を続け、おととし38歳の時、再び同じレコード会社とメジャー契約を果たす。みずからの挫折と再出発を歌ったシングル“Boys On The Run”がじわじわとヒットチャートを上昇、全国各地のライブチケットも即日完売の状態である。

馬場の歌に魅せられる人の多くが30〜40代の「中間管理職世代」。バブルのころに学生時代を過ごし空前の好景気に職を得たが、何も疑わず身を投じた企業社会はあえなく崩壊。旧態依然たる「カイシャ」と新感覚の部下、新旧の価値観の板挟みになりながら、懸命に走り続けてきた。

馬場のライブでは、ある不思議な現象が起こる。他のアーティストではあり得ない、実に9割ものアンケートが観客から回収され、家族にも誰にも言えない人生の悩みや苦難が用紙いっぱいにつづられるのだ。転職、離婚、子育て、うつ、不妊…。この先社会の中核を担う30〜40代の“いま”を映す「データベース」は2万枚を越えている。

番組では、馬場の歌にみずからを重ね合わせ再出発に挑む人々の日常を追い、「生きづらい時代」を懸命に生きようとするこの世代に投影される現代社会の一断面を読み解いていく。

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