「見る人が、自分の内面とむきあえるような、これまでにない映像作品を」
言葉を「詩」でつづり、映像はすべてスチール写真で構成するという、異色の映画「ヤーチャイカ」の制作がスタートした。
監督は、詩人、谷川俊太郎さん、75歳。「二十億光年の孤独」でデビューして以来、半世紀以上、創作の第一線で活躍してきた現代詩の巨匠である。そして、原作および脚本は、映画「千と千尋の神隠し」の主題歌「いつも何度でも」の作詞など、独自の作品世界で知られる詩人の覚和歌子さん。これまで、ともに朗読会などを開いてきた二人は、今、「映像とことば」をかさねて、あたらしいかたちの詩をうみだそうとしている。
映画「ヤーチャイカ」は、一度は人生に絶望し、死を決意した男が、同じく心に傷を負った女と出会い、大いなる自然や星空の中で日々をすごし、そしてたった一度のやさしい夜を共有する中で、もう一度生き直そうとするまでを描くもの。
はてしない宇宙、その中で生きる人間。そして、いのちのつながり。
谷川さんと覚さんは、あたらしい映画作りを通して、何を表現しようとしているのか?映画の制作現場をドキュメントするとともに、自作詩の朗読もまじえ、二人の詩人としての軌跡を取材。新しいかたちの「詩」を生みだそうとする、二人の軌跡を描く。
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