7月8日(日)放送
アンコール(第172回・2007年3月17日放送)今村昌平に捧ぐ〜スコセッシが語る映像哲学〜

写真左:映画「うなぎ」撮影現場・今村昌平監督
写真中:今村昌平監督
写真右:マーティン・スコセッシ監督

『シンプルな表現ですが、今村昌平監督はマスターです。監督が生み出した作品群は映画史の非常に重要な位置に刻まれます』……映画監督マーティン・スコセッシ弔電より

去年5月、日本映画界の重鎮、「今平」の愛称で親しまれた今村昌平監督が他界した。映画史上でも希有なカンヌ映画祭グランプリを2度受賞。世界的な名声を得ながら、経済的困窮と闘い、常識を疑い、社会の無菌化が進む戦後日本において人間の本音を徹底したリアリズムで描き続けた。

その「今平」を学生時代から敬愛してきたのが、タクシードライバー」('76)でカンヌ映画祭グランプリを受賞、このほどアカデミー賞も受賞した、米国を代表する映画監督、マーティン・スコセッシである。
スコセッシは、どんな障害があろうと、自分の映画世界を追求し続ける今村昌平の姿勢、そして人間の生々しい生き様を描く映像の力強さに惹かれてきた。

『今村ほど、根性があり、タフな男はいない……』

番組では、今村昌平を愛してやまない巨匠スコセッシが今村映画に込められた普遍的なメッセージや人物像の魅力について語る。また、スコセッシが特に感銘を受けた今村作品を徹底分析、本質に迫る。さらに、俳優やスタッフらのインタビューを軸に、今村が遺した未公開の史料や証言などをもとに、映画マスター今村昌平の隠された映像美学を探っていく。

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