大学を出て就職し4年目を迎える若者は、これまで、自分の仕事で、どんな変化を体験してきたのか? そして彼らは今、「働く」ということについて、何を思うのか?
景気の回復を受け、今年、日本の企業は、新規採用を大幅に増やし有効求人倍率は13年ぶりに1倍台に回復した。しかし一方、いったん就職した若者の離職 が後を絶たない。就職して3年以内に会社を辞める割合は、大卒で3割、高卒で5割、中卒で7割。中でも日本の終身雇用制度で最も有利とされてきた大卒で、
離職者が最も急速に増加し、この10年で41%も増えた。リストラされるベテランたちを間近に見て終身雇用という常識を持たなくなり、変化する時々の仕事観に合わせ積極的に仕事を変えるようになった。一方、離職したもののやりがいが見つけられず、ニートやフリーターとして立ち往生する者もいる。
また、最初に就職した会社に残っている人たちも、様々な思いを抱えながら日々を過ごしている。学生時代は想像しなかった仕事へのやりがいを実感する者、 働くことへの価値を見出す者も多い。その一方で、合理化が進み、正社員が減り、一人一人の仕事量が増えるなど環境の変化が著しい中で、苦闘を続けている者
もいる。
こうした状況の中で、学生の就職活動支援で定評のある立命館大学は、この春から、就職した卒業生の支援を行おうとしている。そのため、2月から、卒業生の実態調査を始める。
番組では、立命館大学が行う就職して4年目の卒業生1200名へのアンケート調査をもとに、激変している若者の就業実態を、徹底したケーススタディであ ぶりだす。またスタジオでは、識者、取材した立命館大学OB、OGを招き、VTR取材をふまえ、大きく変化しようとしている若年の仕事観と、それを取り巻
く日本社会の課題について議論を深めていく。
<スタジオゲスト>
・伊藤忠商事会長 丹羽宇一郎
社長就任2年目に約4000億円の不良資産を一括処理、翌年には同社史上最高益を計上。「人を育てる経営者」として今日本で最も注目を集める。2001年、日産のゴーン社長とならんで経済広報センターの優秀経営者賞を受賞。
・デザイナー ドン小西
81年に(株)フィッチェ・ウォーモを設立。アバンギャルドなデザインを提案し続け、広く支持されると同時に経営手腕も発揮。「夢はかなえるモノだ。成功するためには、熱い想いをもちつつ、冷静に自分を客観視しながら、最良だと思うことをやれ」。
・放送大学教授 宮本みち子
就職しない、家を出ない、結婚しない──。社会に参画するチャ ンスが永遠に持てない膨大な層を生む元凶は、中高年との膨大な経済・就業格差、自立を促せない親、そして、いま直面している事態を見ようとしない社会の意識。看過しがたい「危機」の本質を、家族心理学の視点から指摘、新たな方向性を示唆する気鋭の学者。
・キャリアアドバイザー 後藤久子さん
25歳までの転職をあっせんする会社で働く。
・立命館大学を卒業し4年目を迎える社会人 |