6月4日(土)放送
第1部 ぶつかりあいから芸術が生まれる 〜下町の夫婦展〜
 この春、東京・両国にある江戸東京博物館でちょっとユニークな個展が開かれた。それは、東京の下町に暮らす夫婦が開いた手作りの個展。夫の宇野マサシさん(57歳)が30年描き続けてきた油絵に描かれているのは、夕日に照らされた路地裏や取り壊されてしまった銭湯…。折々に下町の街角が放つ空気感を一瞬の風景に閉じこめたかのような静かな油絵の数々。そして、その相向かいに並んでいるのは、「無一文」「転んだら起きればいいや」などと書かれた書。下町での生活が生き生きと描かれている。妻の小畑延子さん(62歳)が破天荒な夫との起伏にとんだ暮らしを表現した書だ。

 結婚生活の区切りに個展を開こうと考えた夫婦のために多くの人たちが協力した。町内会の人たちや隣近所の人たち、そして地元企業。さらに、会場では展覧会を盛り上げようと、劇作家の唐十郎さんや俳優の原田芳雄さん、映画監督の林海象さんといった、「夫婦のファン」の文化人たちが座談会を開いて応援した。夫婦が日々の暮らしの中から生み出した油絵と書には、多くの人たちをひきつけてやまない魅力があると応援団の人たちは言う。

 番組では、下町で生きる芸術家夫婦のちょっぴりユニークな毎日を追いかけ、信じた芸術に向き合って純粋にかつ激しく生きる夫と妻のぶつかり合いとその中から生まれてくる作品を見ていく。 絵を描くことに、徹底して自分をささげきれる夫マサシさんの純粋さと激しい熱情。それを温かく受け入れ、ため息のような言葉を書にする妻延子さん。そして、彼らの生き方に感銘を受けた人々と夫婦との交流を描いていく。
第2部 キックオフ〜ワールドカップにかける夢〜
 ワールドカップ出場をかけた最終予選もいよいよ大詰めに近づいてきた。6月8日にはバンコクで日本―北朝鮮の対戦が行われる。2月の埼玉スタジアムではアウェーにもかかわらず、思わぬ実力を発揮したチームだった。北朝鮮チームには在日のJリーガーもメンバーとして参加している。ゲームの見どころは何なのか、ゲームの舞台裏で活躍する人々に取材し、熱戦への期待を紹介する。
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