6月12日(土)放送
もっと知りたい中東 〜イスラーム世界を読み解くキーワード〜
 ますます混迷を深める中東問題。国際紛争の最大の焦点となって、毎日のように、私たちの前に情報が飛び込んでくる。
 しかし、果たして私たち日本人は、この地域とそこに住む人々について、どれだけ理解しているのだろうか。

 今の流動的なイラク情勢のカギを握るといわれる、イスラム・シーア派、スンニ派とはどのような宗派なのだろうか。
 国家・民族・宗教の理念がぶつかり合うパレスチナ問題。アラブの民にとって、「国家・国境」とは、歴史的にどのような意味を持ってきたのだろうか。
 イスラム世界でEU加盟をめざすトルコがかかえる「クルド問題」。オスマン帝国を支えてきた「クルド人」は、どうして、国土無き民族となってしまったのだろうか。

 「文明の十字路」と呼ばれてきた「中東」、しかし、この地域の人々は、おなじ「中東」おなじ「アラブ世界」といっても、歴史的背景や政治経済事情が複雑に絡み合い、日本人にとって最も分かりづらい地域となっている。
 こうした「中東」を取り巻く状況を理解するためには、イスラム世界、とくにアラブに生きてきた人々の、その歴史、民族、宗教、風土、経済(資源)など、その背景にある基本的な情報が必要である。

 番組は、現在の「中東」理解のたすけとなるための、もっとも基礎的な「キーワード」を、専門家の解説をもとにスタジオでわかりやすくプレゼンテーションする、大人の社会科番組である。




(出演)

小杉泰(京都大学大学院教授)

  専攻はイスラーム学、中東地域研究、国際関係学。
  NHKスペシャル「イスラム潮流」監修。日本中東学会会長。
  著書に「イスラームとは何か」「現代中東とイスラーム政治」など多数。


臼杵陽(国立民族学博物館教授)

  専攻は中東現代史(パレスチナ・イスラエル)、中東地域研究。
  もと在ヨルダン日本大使館勤務。
  著書に「イスラムの近代を読み直す」「中東和平への道」ほか。


勝又郁子(季刊「アラブ」編集委員、フリージャーナリスト)

  1986年から10年間、ヨーロッパ、中東に滞在。特に「祖国なき民族」
  といわれるクルド人の生活とその素顔を紹介してきた。
  著書に「クルド・国なき民族のいま」「イラクわが祖国に帰る日」など。
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