3月20日(土)放送
アンコール 耕さない田んぼが環境を変える
 メダカやタニシ、ドジョウが増え、さらにトンボや野鳥までやって来る田んぼがある。その田んぼは、一風変わった「不耕起栽培」というやり方で、田んぼを一切耕さない。耕さない田んぼには前年の稲株やわらが残っているため、そのわらに微生物や藻類がわき、それらをえさに小動物が増え、昆虫や鳥がやって来て生態系を作りあげるのだ。

 最近、「不耕起栽培」の田んぼを中心に、自然環境にとって大切な田んぼを見直そうと地域が一体となって取り組む例が増えている。新潟県佐渡島では、数年後のトキ野生化に向け、環境の整備とトキのえさ場として「不耕起栽培」の取り組みが一昨年から始まった。琵琶湖周辺の農家も、湖水の浄化のため「不耕起栽培」を取り入れることを決め、滋賀県も補助金を出すなど今年から支援することを決めた。

 番組では、米の生産工場と化した田んぼのあり方を見直し、田んぼを環境復元の重要な場所であるととらえ始めた人々の活動を追いながら、環境という新たな視点から見た農業の再生と可能性を探っていく。
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