12月20日(土) 放送
第1部 ただ そこにいることで 〜詩人・谷川俊太郎 老いを見つめて〜


 
 多彩な活動を続ける詩人・谷川俊太郎さん。谷川さんは、痴ほうの母親を介護して以来、「おばあちゃん」「母を売りに」など、痴ほうや老いをテーマにした作品を発表してきた。

 谷川さんが今、関心を寄せているのが、福岡市にある小さな「宅老所」。この「宅老所」を舞台にお年寄りの日々に向き合う谷川さんに密着。「笑い」のある「宅老所」の日々を見つめる詩人・谷川俊太郎を通して「痴ほう」や「老い」をどう受け止めるのか考える。
第2部 ここまできた未来医療


 以前は夢の医療と考えられていた技術が、現実のものとなってきた。

 わずか15秒間の撮影で動く心臓をとらえるマルチスライスCT。細胞を切除せず光の反射を利用して肺の細胞の状態をみる光エコー。身体に負担をかけないで細部まで読み取ることが可能だ。
 ロボット手術や、治療用の管を磁力で心臓の血管に誘導する新治療など、医師の手で困難だった技術を機械が肩代わりするようにもなっている。

 医療システムの進化も目覚ましい。千葉県山武地区では、地域ぐるみで電子カルテを導入し、医療・保健の現場がきめ細かい情報を共有して患者を支えようとしている。アメリカでは中心となる病院が他病院のICU患者の状態を24時間体制で監視する、遠隔ICUの導入が進んでいる。

 高度でかつ負担の少ない診断治療の技術や、きめ細かい患者サービスを可能にしつつある現代医療。一方で、急速な進化についていけない医師の問題や、人間的なあたたかい医療がなおざりにされていないだろうか、といった患者からの問いかけがなされている。

 医療はどこまで進化し、どこへ向かっているのか。現状と課題を伝える。
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