2014年12月20日(土)
【再放送】2014年12月27日(土)午前0時00分
※金曜日深夜    

それでもここで生きる
~山古志 復興の10年~

10年前、過疎の中山間地域を襲った新潟県中越地震。大規模な土砂崩れが起き、全村避難となった旧山古志村では、再び山古志に戻って暮らしを立て直すのか、住民たちは大きな選択を迫られた。「平地に下りればいいのでは」との声さえあった中、9割以上が「帰りたい」と切望。先祖代々守ってきた故郷に住み続けたいという強い願いをかなえようと、村役場は地震から5か月後には「帰ろう山古志へ」というタイトルの復興プランを作成し、帰村に向けかじを切った。しかし、被害が甚大な集落では復旧に時間がかかり、すべての住民が仮設住宅を出られた3年後には、住民の数は7割に減っていた。中でも厳しい状況に陥ったのが、家々の大半が増水した川に飲み込まれ水没した木籠(こごも)集落。住民の数が半減した。それでも、住民たちは新たな集落作りへと立ち上がった。復興に向け、大きな指針となったのは、「都市との連携」という考え方。村役場の復興プランで示された、山古志の新たな方向性だ。木籠集落の住民たちは、水没家屋を震災遺構として残し、手作りの資料館や直売所をスタート。水没家屋への見学や、新鮮な野菜を買い求めに集落に足を運ぶ都市住民とつながりを作り、地震から6年後には「ふるさと会」という集落応援組織を作った。集落の祭りや田畑の手入れなどを集落外の人々が手伝って行う取り組みは徐々に軌道に乗り、今では会員は130人近く。過疎の集落に、地震前にはなかった活気が生まれた。新たな産業誘致やリゾート開発などに頼らない、身の丈にあった復興を模索してきた山古志。10年の歩みを、過去の映像なども交えながらたどる。

(内容59分)

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