2014年11月29日(土)
【再放送】2014年12月6日(土)午前0時00分
※金曜日深夜    

臨床宗教師
~限られた命とともに~

がんを患い、余命10か月の宣告を受けた男性が、自分の人生を振り返り、楽しかったこと、つらかったこと、さまざまな思い出を語っています。 傍らに寄り添い、耳を傾けているのは、「臨床宗教師」です。 臨床宗教師とは、在宅緩和医療を専門とする医師が、その必要性を訴え始まった新しい試みです。東北大学では2012年から臨床宗教師を養成する講座が始まりました。医療の現場で、医師や看護師と連携しながら、医療者とは違う立場で患者を支えます。
高橋悦堂さんは、臨床宗教師として活動を始めたばかりの、34歳の若き僧侶です。宮城県にある寺の長男として生まれ、現在は副住職を勤めますが、通夜や葬儀の場には何度も立ち会ったことはあるものの、人の死に触れた経験はほとんどありません。そんな悦堂さんが、命の終わりを前にさまざまな思いを抱える人たちに出会います。

工場を経営してきた男性は、仕事に対する誇りを語ります。末期のがんが見つかった男性は、やり場のない怒りや死への恐怖をにじませます。10年以上の闘病生活を続ける人は、つらさ、苦しさを口にしながら、自分が亡くなったあとの家族を心配していました。
「三途の川の向こうで、死んだ両親がにこにこと手を振ってたんですよ」
そういった男性は、10日後に亡くなります。
悦堂さんは、時に戸惑い、時に言葉を失いながら、懸命に寄り添い続けます。

みずからの命の終わりを知った人は、その時を迎えるまでの時間、何を語り、悦堂さんはそれをいかに受け止めるのでしょうか。むき出しの魂と向き合い続ける、臨床宗教師の姿を追いました。

(内容59分)

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