2013年12月31日(火) 午前0時(※30日深夜)
*関西地方は別番組を放送します

【アンコール】
僕は忘れない
~瀬戸内 ハンセン病療養所の島~
(2013年10月12日(土)放送)

香川県高松市。瀬戸内海に浮かぶ小さな島の療養所(国立療養所大島青松園)に、ハンセン病の元患者80人が暮らしています(2013年10月現在)。平均年齢81歳。国の誤った政策により故郷や家族から引き離され、病気が完治した後も隔離され続けた人たちです。入所者の多くは家族を差別や偏見から守るため、本名を捨て偽名を名乗ってきました。子どもをつくることは許されず、断種や堕胎が行われていました。国が過ちを認め謝罪したのは2001年。しかしその後も入所者たちは故郷に帰ることができず、この島で齢(よわい)を重ねてきました。島の納骨堂で眠る遺骨は2000を超え、今も毎年増え続けています。

やがて誰もいなくなってしまうハンセン病療養所。その“記憶”を受け継ごうと決意した青年がいます。吉田昂生(こうせい)さん、18歳。母親が療養所の介護員として働いていたため、小学校の6年間をこの島で暮らしました。入所者のお年寄りにかわいがられ、この島を自分の故郷と感じてきた昂生さん。卒業後もたびたび島に通い、島外から来た人を案内する『大島案内』のボランティア活動を続けてきました。
その昂生さんが最も尊敬する入所者の一人が、山本隆久さん(80歳)です。陶芸家としても知られる山本さんは“島の土”を使って作品を作り続けています。自分が隔離されたこの島の土をあえて使うことで、人間としての尊厳を取り戻そうとしてきたのです。

この春大学に進学した昂生さんは、山本さんたち入所者の人生にあらためて向き合い、その“思い”を『大島案内』でできるだけ多くの人に伝えたいと考えるようになりました。聞き取りの中で入所者が語ってくれた“島の歴史”、そしてこの島の将来への不安。小学生の頃には聞けなかった話をどう受け止めどう伝えるのか。18歳の若者と、過酷な人生を送ってきたハンセン病の元患者たちとの対話の日々。「忘れてはいけない記憶」を紡ぎ、伝えていくことの大切さを伝えます。

語り  松田洋治(俳優)
       中條誠子アナウンサー

(内容時間:1時間19分)
※通常より放送時間が長くなっています。

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