
メールの交換で、親交を深める82歳の男性と17歳の少女がいます。長崎で被爆した廣瀬方人さんと、福島の高校3年佐藤木綿子さん。去年、木綿子さんが修学旅行で長崎を訪れ、廣瀬さんの被爆体験を聞いたのがきっかけで出会った二人。木綿子さんは、何気ないつぶやきの中で放射能汚染の不安を打ち明けます。あの日から変わった日常、そして先の見えない将来。一方、廣瀬さん。15歳で被爆し、50年以上原爆の恐ろしさを訴えてきました。木綿子さんの不安をやわらげようとメッセージを送る日々。しかし、ナガサキと同じ苦しみを背負うかもしれないフクシマの子供たちに心を痛めています。
世代を越え、遠く離れながらも、心通わす二人。互いが生きる“ヒバクの今”を描きます。
朗読:柳生博(俳優)・川口春奈(女優)