2011年4月24日(日)
12月29日(木) 午前1時5分(水曜深夜)再放送

福祉の真価が問われている
~障害者 震災1か月の記録~

東日本大震災では犠牲者の半数以上が65歳の高齢者で、これに障害者を加えた「災害弱者」の割合は非常に高いことがわかってきた。「有事こそ真価が問われる」という言葉の通り、震災に直面した災害弱者は日本の福祉の現状を赤裸々に映し出すことになった。

未曽有の大津波に襲われた彼らの生死を分けたものは何だったのか。自らの力で判断したり移動することが出来ない「災害弱者」たちは、どのように避難したのか。宮城県の被災地である石巻、多賀城、仙台などで生き残った被災者を取材したところ、日頃からの近隣住民との“つながり”の有無が鍵になったことが浮かび上がってきた。知的障害をもつ息子を抱えることが出来ず、逃げ遅れた母親を救ったのは毎日挨拶を交わしていた近所の男性だった。

辛くも生き延びることが出来たものの、最も深刻なダメージを受け、それが最も長期化すると予想されているのも彼らだ。避難所で排尿も自由に出来ず、体を動かすこともままならない。その結果持病が悪化し、身体機能が落ちてしまうケースが後を絶たないのだ。

番組では震災発生から表には出てこない災害弱者たちがどのように命をつないできたのかを克明に追い、福祉の真価を見つめ直す。

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