2015年 117日(土)よる11時放送
再放送1114日 午前0時放送(金曜深夜)

それはホロコーストの"リハーサル"だった
~障害者虐殺70年目の真実~

600万人以上のユダヤ人犠牲者を出し、「人類史上、最大の悲劇」として語り継がれてきたナチス・ドイツによるホロコースト。しかし、ユダヤ人大虐殺の前段に、いわば“リハーサル”として、およそ20万人ものドイツ人の精神障害者や知的障害者、回復の見込みがないとされた病人たちがガス室などで殺害されたことについては、表だって語られてこなかった。
終戦から70年もの年月がたった今、ようやく事実に向き合う動きが始まっている。きっかけの一つは5年前、ドイツ精神医学精神療法神経学会が長年の沈黙を破り、過去に患者の殺害に大きく関わったとして謝罪したこと。学会は事実究明のために専門家を入れた国際委員会を設置、いかにして医師たちが“自発的に”殺人に関わるようになったのかなどを報告書にまとめ、この秋発表する。
番組では、こうした暗い歴史を背負う現場を、日本の障害者運動をリードしてきた藤井克徳さん(自身は視覚障害)が訪ねる。ホロコーストの“リハーサル”はどうして起きたのか、そして止めようとする人たちはいなかったのか・・・。
資料や遺族の証言などから、時空を超えていま、問いかけられていることを考える。

語り:大竹しのぶ
(内容59分)

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ホロコーストより前、ガス室がつくられていた精神科病院の地下。
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障害者だった父親を殺された遺族とともに、お墓を訪れる藤井克徳さん(真ん中)。
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パーキンソン病の治療のための入院中にガス室に送られ、殺されたマーティン・バーデルさん。
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てんかんのため、殺されたヘルガ・オルトレップさん(右)。