2021年大河ドラマ(第60作)
青天を衝け
制作・主演 決定!
【作】大森美香
【主演】吉沢亮
“大河新時代”第2弾、4Kフル撮影による大河ドラマ第60作は「青天を衝(つ)け」。
その主人公は、新一万円札の顔としても注目される「渋沢栄一」です。
「日本資本主義の父」と称される渋沢栄一は、約500もの企業を育て、同時に約600の社会公共事業にも関わりました。
晩年は民間外交にも力を注ぎ、ノーベル平和賞の候補にも2度選ばれています。
幕末から明治へ。時代の大渦に翻弄され挫折を繰り返しながらも、青天を衝くかのように高い志を持って未来を切り開きました。
「緻密な計算」と「人への誠意」を武器に、近代日本のあるべき姿を追い続けた渋沢は、生涯青春の人でした。
2021年、若き心で挑戦を続けた男・渋沢栄一との出会いにご期待ください。
【番組のみどころ】
渋沢栄一の人生は、決して順風満帆ではありませんでした。
意外に知られていませんが、実はやることなすこと裏目に出てばかり。波瀾万丈です。
田舎の農民に生まれ、倒幕の志士を目指したのにまるで正反対の幕臣に。すると幕府がつぶれて失業武士に。さらには意に反して明治新政府に仕官することとなり、いざ政治の世界で大暴れしたあと、33歳でようやく辞表を出して民間人へと転身!
ここから実業家として、怒濤(どとう)の民間改革が始まります。銀行、保険、製紙、紡績、鉄道、海運、ガス、電気……、世の中に必要なものを次々と生み出し、近代日本の礎を築きました。
一貫性のない生き方のように見えて、その道は、幼き頃より学び続けた「論語」の精神に貫かれていました。信念のため、たとえ形を変えてでも逆境を乗り越え、確かなものを築いた生きざまは実にエネルギッシュです。
少子高齢化が進み、人口減少に拍車がかかる日本。
右肩上がりの成長が期待できない時代に、私たちはどう歩むべきなのか……。
逆境の中でこそ力を発揮した渋沢栄一の人生を見つめることで、私たちの生きるヒントがきっと見つかるはずです。
【青天を衝け・ドラマのあらすじ】
官尊民卑なんて、くそくらえ。百姓からの脱却を決意!
渋沢栄一は、藍染めの原料となる藍玉づくりと養蚕を営む百姓の家に生まれた。頭の回転は早いが、大人や権力にものおじしないやんちゃ坊主に育つ。商才に長けた父・市郎右衛門の背中に学び、栄一は商売の面白さに目覚めていった。
しかし17歳の頃、人生を変える最初の事件が起こる。御用金を取り立てる代官に刃向かい、理不尽に罵倒されたのだ。栄一は、官尊民卑がはびこる幕府の身分制度に怒りを覚え、決意する。
「虐げられる百姓のままでは終われない。武士になる!」。
目指せ、攘夷の志士! ところが計画中止、追われる身へ……。
栄一は、従兄(いとこ)の惇忠(じゅんちゅう)や喜作と共に、尊皇攘夷に傾倒していく。栄一らは江戸に出入りして同志を集め、ある暴挙を企てた。高崎城を乗っ取り、横浜の外国人居留地を焼き討ちするという一大攘夷計画だ。ところが、京の情勢に通じた惇忠の弟・長七郎の猛反対にあい、実行前夜にしてあえなく断念。逆に幕府に追われる立場となり、喜作と共に京へ逃げる。
そんな彼らに助け船を出したのは、一橋慶喜の側近・平岡円四郎だ。一橋家の家臣となるか、幕府に捕らわれて死ぬか、という二者択一を迫られる。この時、“慶喜こそが幕府を変える人物となる”と望みを懸け、一橋の人間となったことで再び運命が変わっていく——。
心ならずも幕臣に。パリ行きが人生を開く!
栄一は持ち前の商才で一橋家の財政改革に手腕を発揮し、慶喜の信頼を得る。ところが、慶喜が将軍を継承したことで、倒幕を目指すどころか幕臣になってしまった。
失意の栄一に、またとない転機が訪れる。パリ万国博覧会の随員に選ばれたのだ。産業発展めざましいフランスに渡った栄一は、「株式会社」と「バンク」の仕組みを知り、さらに官と民が平等である社会に大きな衝撃を受ける。「攘夷なんてとんでもない。民間が力を発揮する西洋の国づくりを日本も吸収すべきだ!」。そんな折、日本から大政奉還の知らせが届き、無念の帰国へ……。
まさかの新政府入りで、続々改革。33歳でいよいよ民間へ。
帰国後、様変わりした日本に衝撃を受ける栄一。約260年続いていた徳川の時代はすでに終わり、惇忠や喜作は「彰義隊(しょうぎたい)」を結成。戊辰戦争、そして函館戦争と新政府軍との戦闘を続けていた。
栄一は、静岡で隠棲(いんせい)する慶喜と再会し、身をやつした姿に涙する。そして、民間に身を置きながら、慶喜をそばで支えることを決意した。
しかし突然、明治新政府から大蔵省への仕官を命じられて上京。
「改正掛(かいせいがかり)」を立ち上げ、租税・鉄道・貨幣制度など次々と改革を推し進めること3年半。栄一はある決意を胸に辞表を提出した。
この時、33歳。いよいよ、栄一の目指す民間改革が始まるのだった……!
【作・大森美香さんからのメッセージ】
ずっと「幕末ドラマを今までにない目線で描けないか」と、考えておりました。
そこで渋沢さんです。近代の実業家として有名な渋沢栄一さんですが、そうなる以前は埼玉深谷の【農民】、またある時は農作物を売る【商人】、またある時は【尊王攘夷の志士】、またある時は将軍に仕える【幕臣(武士)】として、幕末から新時代の荒波を生き抜いた貴重な方です。
2015年の連続テレビ小説『あさが来た』では渋沢さんを、主人公を導く【銀行の神様】として描かせていただきましたが、今度は神様ではない、青空を衝く勢いで時代を駆け抜けた、血気盛んな人間味あふれる一人の男として、カッコいい面も、そうでない面も、丁寧に描いて行けたらと思っています。
渋沢さんの奥様、千代さんをはじめ、家族や親戚、主君や同志、職場の先輩後輩にも、魅力的な人物がたくさん登場します。彼らの生きていた時代が、そのまま百数十年経った令和の今と繋がっていると感じられるような臨場感あふれるドラマを、毎週お届け出来るように、吉沢さんやスタッフ、キャストの皆様と駆け抜けたいと思います。
2021年、どうぞよろしくお願いいたします。
【大森美香さんのプロフィール】
福岡県生まれ。テレビ局勤務を経て、脚本家になる。2005年「不機嫌なジーン」で第23回向田邦子賞を史上最年少で受賞。脚本家のほか、映画監督や小説家としても活躍。
NHKでは、連続テレビ小説「風のハルカ」「あさが来た」の他、多数の脚本を手がける。2016年「あさが来た」で第24回橋田賞を受賞。2017年「眩(くらら)〜北斎の娘〜」は文化庁芸術祭大賞や東京ドラマアウォードグランプリなどを受賞した。大河ドラマの執筆は今回が初。
【主演・吉沢亮さんのプロフィール】
1994年生まれ、東京都出身。特技は剣道で二段の腕前。「仮面ライダーフォーゼ」シリーズで注目を浴び、その後数々のテレビドラマ・映画に出演。「リバーズ・エッジ」で第42回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。2019年の映画「キングダム」では、若き王・嬴政と奴隷の少年・漂の二役を熱演。連続テレビ小説「なつぞら」では、ヒロインの幼なじみ・天陽役が大反響を呼んだ。大河ドラマへの出演は今作が初めてとなる。
【制作統括・菓子浩からのメッセージ】
皆さんは、渋沢栄一と聞いてどんなイメージが浮かびますか? 「雲の上の経済人」「順風満帆な成功者」、あるいはもっと単純に「お札の人」という答えが返ってくるかもしれません。
でも、実はそれだけじゃないんです。なぜかいつも苦境に立たされ、倒れそうになりながらも踏ん張って確かな成果を残していく。まるで「おきあがりこぼし」のような人生でした。その最大の武器は「誠意」。頼まれるとどこにでも飛んで行って力を貸す。その人柄が人を引きつけ、数々の偉業を成し遂げたのです。
そんな愛すべき人物を、「青春」というキーワードでみずみずしく描きたいと考えています。脚本の大森さんは、上質なエンターテイメントを作り上げる名手。そして、主演の吉沢さんは、硬軟自在な演技で魅せる実力派。骨太な人間ドラマが生まれると確信しています。
2021年、エネルギッシュでチャーミングな渋沢栄一と一緒に、激動の幕末・明治を旅しましょう!
「青天を衝け」どうぞご期待ください!
【渋沢栄一(しぶさわ・えいいち)って?】
渋沢栄一は1840(天保11)年、武蔵国榛沢(はんざわ)郡血洗島(ちあらいじま)村(現:埼玉県深谷市)の百姓の家に生まれた。幼い頃から家業である藍玉の製造・販売や養蚕を手伝い、商才を磨く。
農民から攘夷の志士を目指し、一橋家の家臣から幕臣、明治新政府への仕官を経て、実業家に転身。幕臣として渡ったパリ時代に、株式会社(後に合本組織と命名)やバンクの仕組みを学び、帰国後に合本組織「商法会所」を立ち上げ、日本初の銀行「第一国立銀行」の設立に尽力した。
生涯で約500の企業の育成に関わり、女子教育の普及など約600もの社会公共事業に貢献。生涯を通じて論語を学んだ栄一は、「論語と算盤(そろばん)」を説き、“道徳と経済を調和させるべき”という経済人の道を指南した。
また、徳川慶喜には生涯忠義を尽くし、晩年には伝記を編纂(さん)するなど慶喜の名誉回復に務めた。享年91。
【タイトル「青天を衝け」について】
若き栄一が、藍玉を売るため信州に旅したとき、険しい内山峡で詠んだ漢詩の一節からとりました。
「勢衝青天攘臂躋 気穿白雲唾手征」
(青空をつきさす勢いで肘をまくって登り、白雲をつきぬける気力で手に唾して進む)
逆境に負けることなく突き進んだ栄一の人生とも重なります。
【放送予定】2021年1月から
【制作統括】菓子浩 福岡利武
【プロデューサー】板垣麻衣子
【演出】黒崎博 渡辺哲也ほか
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