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土曜ドラマ「島の先生」 井浦新さん独占インタビュー<後編>

土曜ドラマ「島の先生」
井浦新さん独占インタビュー<後編>

お待たせしました!井浦新さんインタビューの後編です。
土曜ドラマ「島の先生」に、田嶋彰芳役で出演中の井浦さん。
主人公・千尋(仲間由紀恵)との距離感、そして父親・文三(石坂浩二)への彰芳の思いとは...その役作りについて、深く深く伺います。
また、奄美滞在中に訪れた場所のお話など、撮影のこぼれ話もありますよ!

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【彰芳にとって、主人公・千尋(仲間由紀恵)はどんな存在でしょうか】
井浦新さん この物語の人物たちの、さまざまな“闇”の部分に気付いてしまうというか、「千尋、そこまで背負わなくていいよ」と、台本を読みながら思っていました。自分のこともあるのに他人のこんなことまで気付いて心配になって…と主人公だから仕方ないですが(笑)。石坂浩二さんと現場で話していて、文三さんと彰芳の親子喧嘩はなるべく千尋に知られないようにやりましょうと、われわれのところまで千尋が首を突っ込んで来ちゃったら大変だ、この家に住めなくなっちゃうよって(笑)そんな、菩薩様みたいな優しい千尋さんです。
千尋と彰芳の関係性は難しくて、同じシーンで同じ空間にいることは多いものの、いつも会話のキャッチボールをしたりアイコンタクトしたりではなく、何人かの中にいたとしても一度も目が合うこともない、それがありえる普通の関係がいいなと。お互いに距離は保ったうえで、信頼しているからこそ空気のような存在というか。妻とは全く違う存在です。そこにいるけど特別気にしてはいなくて、でも話があれば気兼ねはない、そういう関係を築けたらと思っていました。妹と兄という感じで。ほどよく甘えられながら、ほどよく突き放しながら、そういう関係です。
1話につき1回くらい、彰芳と千尋の一対一のシーンがあるんですが、田嶋家のシーンでいつもその場にいても二人での会話は多くないので、どんな感じで話してたんだろうな…となって(笑)仲間さんと何度かテストをやりながら、奈美子(青山倫子)と話すテンションとも違うし、萌果(小野花梨)と話す感じとも違うし、千尋とはどんなだったかなと振り返りながら。ちょっと面白い距離感でした。

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【彰芳の、父・文三(石坂浩二)に対する思いは…?】
井浦新さん 絶対的な正義というか、“揺るがない正論の象徴”でしょうか。だからこそ、文三さえも気付かず、息子だからこそ感じている辛さみたいなものが彰芳から出ることによって、さらに文三の人物像が広がるのではと思っていました。文三が常に正しいことを説いていくなかで、それは確かに正しいけれども、一番近くにいる人(彰芳)がどれだけ大変な思いをするのかを伝えるためにも彰芳の存在は大きいですし、文三さんを面白くできる存在としての彰芳もあると思い、“受けるお芝居”をする楽しさがありました。
5話の親子最終対決のシーンの撮影は本当に面白かったです。石坂浩二さんの胸を借りるつもりで、
一緒にお芝居ができて本当に幸せでした。思いっきり飛び込んでいくんですが、見事に石坂さんのお芝居に弄ばれながら、それに乗っかってる自分も楽しくて。お互いにその場で出てきたことのセッションで、テストを何度かやるうちに、ぴたっときてると思えた時はうれしかったです。
田嶋家はシチュエーションが難しいんです。文三と彰芳がお互いの感情をワっと出していくシーンで、二人だけで部屋にいる状況であれば感情表現を大きく出すのも一つの方法ですが、田嶋家では周りに留学生の子どもたちが寝ていて、離れには千尋が寝ているんです。その中で二人が感情をぶつけ合う。あまり大きな声出すと聞こえちゃうし、聞かれないギリギリのところでどこまでぶつけあうかが面白かったです。思いっきり投げたい言葉を、感情を押し殺して淡々と言わざるを得ないことで、より苦悩が伝わる部分があって、彰芳のシーンの中でも面白いシーンになったのではと思います。石坂浩二さんの大きさを体感できたこと、それが一番嬉しかったです。

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【NHKのドラマでは「最後の戦犯」「リミット」「チェイス」「平清盛」など、社会派ドラマや大河ドラマにご出演いただいていますが、アットホームな一面もある「島の先生」の撮影で、意識されたことや、新しい発見などはありましたか】
井浦新さん 「最後の戦犯」「リミット」「チェイス」「平清盛」で積み重ねてこさせていただいた役柄とは違い、彰芳の役柄も物語の設定も、今までやったことのないものです。大自然の中に飛び込んで、みんなで合宿しながら撮影していく作品というのをやってみたかったんです。
家の中で脚本を読んだときのイメージでは、淡々と台詞を口にしていたかもしれませんが、島に行って、無意味にでかい声で台詞を伝えたり、カラっとした島の空気を、人間でどう表現して匂いを出していけるのかというときに、今までやったことのない人物像に仕上げたいと思いました。
きっと、「リミット」「チェイス」のようなニュアンスで彰芳を捉えたら、もっと陰のある島の男になっていたかもしれないです(笑)
島の人間のそれぞれ違う個性がある中にも、“島感”を感じさせたいと思っていました。それは現地に行って感じたものから出てきたので、もし東京でスタジオ撮影から始まっていたら、変わっていたかもしれません。最初に島に行って、約2週間向こうで生活しながら撮影できたのは、本当に大きかったです。
 
【最後に、島での思い出などはありますか?】
井浦新さん 空いた時間に、興味ある場所に色々と行きました。僕は自然の変化や空気の流れ方、光の変わり方、その土地の文化や歴史が好きで、写真を撮っています。奄美や加計呂麻島に行ってみて、情報量が多すぎて大変でした(笑)拾うところが多すぎて。

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ドラマを撮影しながらも、「夕陽が綺麗すぎてどうしよう」と思って、撮影準備の時間に自分のカメラを持って撮ったりしました(笑)。
砂浜で撮影していた日には、時間さえあれば珊瑚や貝殻を探したり。僕にとっての“宝”がありすぎるというか、やりたいことがありすぎて抑える事が大変でした(笑)
 

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奄美も加計呂麻島も深い歴史が多くある地域で、僕の好きな武将とつながってくる神社を訪れたりもしました。源為朝(みなもとの・ためとも)という、保元の乱の後に、流れ流れて加計呂麻島にたどり着いたと言われている人なのですが、加計呂麻島に来てから出来た息子の名前「実久(さねく)」は地名になっています。
海が一番綺麗だということで撮影もその場所で行われ、近くを散策していた時に神社があって、実はそこが実久三次郎の神社だったりなど。ほかにも奄美に生まれた画家・田中一村(たなか・いっそん)が描いた風景や植物を実際に見て、当時彼が自然を愛でていたであろう場所に自分も行ってみたり、住んでいた家の跡を見に行ったりしました。
そして、奄美は間違いなく自然の魅力が一番なので、ソテツやマングローブの原生林がある地域に
も行って、自然をずっと愛でていました。ひとりですごく忙しかったです(笑)。

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奄美の島から得た沢山のものが、彰芳の役づくりに活かされていたんですね。
新さん、超ロングインタビューにお答えいただきありがとうございました!!
さて、物語はいよいよクライマックス!
彰芳一家が島を離れることになり、里親制度の継続が難しくなる一方で、千尋は離れて暮らす娘・広海ともう一度向き合うことができるのか…最終回もどうぞ、お見逃しなく!

「島の先生」番組ホームページ

 


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