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土曜ドラマ「島の先生」 井浦新さん独占インタビュー<前編>

土曜ドラマ「島の先生」
井浦新さん独占インタビュー<前編>

土曜ドラマ「島の先生」で、島育ちの青年・田嶋彰芳役を演じる井浦新さん。
彰芳の底抜けに明るく真っ直ぐなキャラクターは、まさに「島人」。
奄美の島で多くのインスピレーションを受けたという井浦新さんに、たっっぷりと!独占で!お話を伺ってきました。盛りだくさんの内容ですので、前後編でお届けします!

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【Q】井浦さん、脚本を読んだときの印象はいかがでしたか

井浦新さん まず、都会からの留学生を受け入れる里親制度をどのように描いていくのかに興味を持ちました。それを美化して称えるだけではなく、問題点にもきちんと目を向けられていました。島での暮らしのなかの不便さや暗い話もあるのですが、根底に流れているのは、島の大自然と、人と人とが支え合っていくという、あたたかい話です。

とてもセンシティブな問題ですが、各々の役の作り方、交じり合い方でドラマの色は変わってくるだろうなと、役を演じて表していくなかでどんな風になるのだろうと。その後、島でのロケから撮影が始まって、共演者の方たちと言葉(台詞)を通して人間関係が見えてきた時に、手ごたえを感じました。現場でのキャスト、スタッフの雰囲気がとてもいいんです、一体感というか。その現場のいい空気が映像にも伝わり、この作品は、とてもいい物になるのではという感じを受けました。

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【Q】奄美群島での撮影に入ってから、何か感じたことはありましたか

井浦さん 毎日、宿からいくつもの集落をこえて海岸沿いの道を移動し、古仁屋(こにや)という港町から漁船に乗って離島に渡りました。「島の皆様もこうやって漁船に揺られながらいつも移動しているのかな」とか、「素晴らしい景色の中だと、時間の流れがいつもと全然違うな」と奄美の空気を感じていました。

東京で生活している自分の感覚と違って、大自然に触れながら芝居をすると、芝居が大きくなっていくんです。それがすごく面白くて。例えば、そんなに大げさにする必要のない身振り手振りや、言葉の言い方なども、圧倒的な青空と太陽、そして海と大自然の中にいると、東京から持ってきたままの感覚で台詞を言うと全くしっくりこないんです。現地の空気を吸って現地の食事をして、自然を感じながら心をなじませていくと、ちょっとしたことで、みんなでワっと笑ったり、なんでもない台詞を言うときもあえて大きく言って、面白おかしく仲間たちに伝えたり。気持ち的には“陽”の心構えというか、みんな“陰”の部分を持ってはいるけど、それを表には出さずにいる。大自然の中で、なるべく自然にいたいと思い、メイク部と相談をしてメイクもしないようにしました。

こういう気持ちを芝居に活かしていこうと。島に行ってから出てきた声の質感、身振りなどのお芝居は、自分が想像していた以上のものになっていきました。

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【Q】田嶋彰芳、という人物はどんなイメージでしょうか?

井浦さん 幼少時代からずっと一緒に育ってきた同世代の役の船長(藤本隆宏)や良太郎(ドロンズ石本)、彼らとの小さな世界の中での人間関係はとても密でしょうし、いつでも子ども時代の気持ちに戻れるだろうと思うんです。“子どものまま大人になった島っ子たち”という感じ。一方で、都会への憧れや劣等感を持ってはいても、ねちっとした感じを一切出したくないと思いました。思いっきりカラっとさせて、劣等感を感じていなさそうなタイプの人間が実は感じているのが面白いのではないかと。奄美で撮影に入ってからはそこの部分の歯車が合ってきた感じがありました。“島育ち”だからこその劣等感を想像してみましたが、劣等感の部分の話になったときはつい強がってしまうけど、逆に島育ちであることを生かしたいと。カラっと明るい、「コドナ」になっていけばいいと思いました。

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【Q】彰芳は島の子どもたちから「アキ兄」と呼ばれ、慕われていますね。

井浦さん 子どもたちには兄貴面をしているという感じではなくて、子どもたちとの現場での過ごし方から自然と出てきた距離感でいいと思っていました。田嶋家には絶対的な存在として文三(石坂浩二)というオヤジがいて、子どもたちにとっての絶対的な安心感があって。同じことを彰芳がやっても、精神的な兄貴分にはならないと思いました。それよりは彰芳と一緒にいるからこそ意味があるものを、オヤジさんとは全く違うものとして仕上げたいと思いました。

家の中に子ども部屋を新しく作ってやったり、生活の実質的な基盤を形作っているのはきっと彰芳なんです。田嶋家のプロデューサーが文三さんだとしたら、彰芳はディレクターとして実質的な部分を動かしていく。そういうものを子ども達は日常見ていると思うんです。そのうえで、どこか子どもたちにも近い、子どもがお父さんになっちゃうような感覚を残したいと思っています。わんぱくな40手前の男みたいな(笑)そんな男が父親になる葛藤も面白いんじゃないかと。

子どもたちの距離感も、実際の現場での世間話やさまざまなことの中から自然と出てきたものです。それぞれに近く感じている子もいればそうでない子もいて。子どもたちが奄美の撮影で写真を撮っていたとき自分も一緒に「夕陽撮ろうよ」って撮ったり、無理に兄貴ぶる必要はなくて、同じ目線で話している自分がそのまま彰芳になっていけばいいなと思いました。あえて大胆に芝居をしてみたりしていますが、人間関係や役柄自体は自然にまかせて、気持ちを大げさに作りすぎないようにしていました。

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【Q】「島の先生」を見て下さっているみなさんにメッセージをお願いします

井浦さん このドラマは島で起きている問題や島だからこそ抱えているものをテーマにしていますが、それでいま実際の島がどうとか、島への留学生の是非を問うものではなくて、生きることに対して前向きな人間たちの物語です。つまり普遍的な様々な家族の物語なんです。小さな島での生き方がどういうものか知る機会はなかなかないと思いますが、この物語がそのきっかけにもなり、前を向いて進んで行こうとする人たちの人間賛歌にもなっていると思います。

島の大自然の、厳しくも美しい風景を楽しみながら、見る方たちにとっての、生きていくうえでのちょっとした清涼剤というか、栄養素になるような作品になったらいいなと。楽しみながら、日本の家族のお話を見ていただけたら。社会問題を提示しようとしているのではなく、問題を抱えた人たちが一生懸命前に進もうとして、小さな島でもがきながらも、人と人とのかかわり合いで助け合いながら生きる人たちを描いています。現場も楽しく明るく元気よくやっている作品なので、その現場の空気が映像から伝わっていたらうれしいです。

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井浦さんのお話、いかがでしたでしょうか?
彰芳役に込めた思いが、ひしひしと伝わってきました
独占インタビューの後編では、千尋との関係、父・文三への思い、さらには奄美滞在中の過ごし方などなど、いろんなお話を伺っていきます。ファンの皆様、必見ですよ!
というわけで、どうぞお楽しみに♪

「島の先生」番組ホームページ

 


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