よるドラ いいね!光源氏くん

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原作者えすとえむ先生に聞く!「いいね!光源氏くん」5つのポイント

最終回に向かって、ますます加速する、よるドラ「いいね!光源氏くん」。
原作者のえすとえむ先生と、原作の大ファンで歴女の本間Pに、物語のポイントを聞いてきました。

※取材は4月上旬、オンラインで行われました。

ポイント1.次元ジャンプ…って?

ーー 平安時代に書かれた架空の物語『源氏物語』の主人公光源氏が、現代に次元ジャンプしてくる設定は、どうやって生まれたのでしょう?

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えすとえむ:
当初、担当さんと「私の絵で光源氏とかどうですか?」という話があって。というのも、私の絵は耽美系というか綺麗系なので、そういう絵で平安一の美男子と言われる光源氏を描いてみたら面白いんじゃないのか?というところから。次元や空間を行き来する漫画って結構あるので、それだったら光源氏を現代に来させちゃおう、それでOLのところにポンと置いてみたら何が起こるのかっていう、軽いノリが初めのきっかけですね。幸い源氏物語は中学の時に漫画も原作も読んでいたので話が早かったです。

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本間P:
私がこの作品にすごく惹かれたのが、平安時代から来た光源氏が現代のものを見たときの反応がリアルなところ。初めてテレビを見て「板の中で人がなぜ動いているのだ!」じゃなくて、「板の中に閉じ込められているなんて可哀想」って、目の前のものを否定しないで、あんなに真剣に受け入れていくところがすごく新鮮だなと思ったんです。

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えすとえむ:
本来、平安時代の人が現代に来たら、パニックを起こしてしまうと思うんですが、あまり驚きを大きく表現しないようにしました。光源氏ならではの感性で、現代のものを見たときにどういう反応を示すのかっていうところをピックアップしたんです。つまり美しいだとかあわれだとか、そういう感情を素直に表そうと。

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ポイント2.光くんの魅力は「もーしょうがないなぁ」って感じ

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えすとえむ:
沙織にとって光くんっていうのは、「なんかうっとうしいし、この人どうしよう」って思うんだけど、光くんの笑顔一つで「しょうがないな」って思える存在。そのしょうがない感が出てしまうところがポイントだなと思うんですね。
それに関していえば、千葉雄大さんの「しょうがない感」がメチャメチャ分かる。しょうがないよねっていう共感を、みなさん覚えるんじゃないかなって。千葉さんが作る佇まいだとか、チャーミングさみたいなものが、誰をも魅了してしまうという点ですごくピッタリとなじんでいて、ほんとに彼になってよかったなと思います。

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本間P:
光くんの「しょうがないなぁ」の一つにいきなり和歌を詠み出す、というのがあるのですが、漫画のなかでオリジナルの和歌を心のままに即興で詠むというところが、すごい発想ですよね。

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えすとえむ:
光源氏が、現代に来きて女遊びをしてしまうのでは、あまりにもありきたりだろうと。平安時代と現代の共通点を拾っていけたらと考えたときに、SNSの存在というのがあったんですね。
文字数制限のあるSNSのなかで、人々が日々目にするようなたわいもないことを、どんどん発信するのを見ていて、その感性っていうのが平安時代の和歌にも通じるんじゃないかなと思ったんです。美しいものを見たときとか、感情が動いたときに、それを誰かと共有したいと発信している様子を、和歌の感性とつなげて描こうと思いました。

ポイント3.沙織は自立しているけど、揺れ動いている女性

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本間P:
ついつい光くんのほうに目が行っちゃうんですが、沙織の性格って、結構個性的だと思うんです。沙織がおもしろいから、光源氏くんが映えるんですよね。

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えすとえむ:
そうなんです。沙織は突然現れた平安貴族と名乗る不審なイケメンたちを「じゃあ、しばらく泊まっていったらどうですか?」って受け入れる包容力を持ちながら、彼らをしっかり養える自立した女性なんですよ。

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本間P:
原作の沙織は自我があるキャラクターなので、光くんのことが好きでも、「光くんがいないとダメなの!」とはならないタイプです。そこはドラマ化するうえでも、意識しました。
それと、沙織はある程度仕事もこなしてきたけども、これからどうしようっていうアラサーならではの気持ちは、絶対表現しようと思いました。周りが結婚していくし、興味もあるけど、別にいますぐ結婚しなくていいし、みたいな漠然とした悩みを持っている女性ですね。

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えすとえむ:
あと、沙織は常に素というか、誰に対してもスタンスが変わらない人だと思うので、俳優さんは自然体の演技ができる方がいいなと思っていました。

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本間P:
沙織役の伊藤沙莉さんは、今回現場でずっと自然体でいてくださったみたいです。

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えすとえむ:
伊藤さんの声を聞いたとき、すごくハスキーボイスで、低めなしゃべり方がすごくツボにはまって。「すごくいいぞ!」って思った記憶があります。実際お芝居を拝見したときも、「あーこれこれ!」っていうような。本当に沙織にしっくりくる演じ方をする方で、すごく良かったです。

ポイント4.人間味のある“中ちゃん”こと中将

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本間P:
中将さんは、光くんと同じ世界から来たのに、思いっきり違う道を進んでます。「平安貴族は女たらしイコールホスト」ってある意味王道です。

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えすとえむ:
原作の二巻を出すときに、「中将を出すなら、ホストしかない!絶対ホストやらせたいでしょ!!」と、かなりノリノリで描いていました。ドラマの中将に関しては、桐山漣さん自身が色気のある俳優さんなので、千葉さんとの対比含めてピッタリだなと思いました。

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本間P:
原作の中で、中将の洋服にヒョウ柄が多用されていたので、ドラマでも中将の服は全部ヒョウ柄です。衣装さんがYシャツにもちょっとしたヒョウ柄入れてくれてたりして。

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えすとえむ:
撮影現場に見学に行ったとき、中将がヒョウ柄まみれで、すっごい笑いましたもん。
桐山さんにご挨拶させていただいたときに、「中将の人間味みたいなものを表現できたらいいです」と言ってくださって。私はその時、「わあ!原作もきちんと読み込んでくださってる(汗)」と思って、感動しました。

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本間P:
桐山さんは中将の役を気に入ってくださって、クランクアップの時も「楽しかった、本当によかった」って言っていました。

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えすとえむ:
現場の空気感がすごく良かったですよね。

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本間P:
主要キャストは20~30代が中心だったので、ノリがよかったですね。

ポイント5.平安時代の魅力を再発見!

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本間P:
今回よかったなと思うのは、平安貴族という設定にリアリティを持たせるために、和歌指導の先生と、所作指導の先生に入っていただいたこと。歌の詠み方、傘の持ち方、たたむしぐさ、振り返り方、座り方…、細かい部分ですが、指導が入ることによって、本当に雅になっていったんです。

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えすとえむ:
所作はすごいですよね。千葉さんが動いたときに、「重心が低い!」って思いましたもん。動きの重心が現代の人とは全然違うのがわかります。

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本間P:
普通の時代劇では、戦国時代や江戸時代がモチーフになりがちですが、歴女的には、「いやいや、平安時代もイイですよ!」と。雅な平安の魅力が伝わったら嬉しいですね。それから沙織の上司で安倍治明課長というキャラクターがいるのですが、あれは「安倍晴明」からきています。「安倍晴明」→「あべのはるあき」→「安倍治明」…。あとは、ほかの同僚たちも、実は全員平安貴族の名前なんです。ここら辺の小ネタはおいおいTwitterなどで紹介させてもらいます。

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えすとえむ:
細かい設定!ちなみに、沙織の苗字が藤原じゃないですか。そこで伏線が何かあるのかって深読みしてくださる読者さんもいるんですけど、たまたまです。

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本間P:
たまたまなんですね!

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えすとえむ:
関連付けさせたほうがいいかなって話もあったのですが、歴史的な知識がなくても楽しめる作品を描きたかったので、もう「たまたまです」で落ち着きました。そのたまたまは漫画の最終回にも繋がっているので注目していただければ。

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ーー 「#みんなの和歌」企画で、視聴者のみなさんが和歌を詠んでいますが、中には苦戦する方も。和歌を詠むコツは?

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えすとえむ:
千葉さんへのラブレターコーナーになってますよね(笑)。逢えない人への思いを和歌に詠む、まさに平安女子のマインドです。いっちゃえ~!と陰ながら応援しています。
私は専門家ではないので、コツを教えることはできないのですが、とにかく、みなさん心の中にあるパッションを、五・七・五・七・七に、載せて整えてあげればいいんです。普通は、まず何を詠むのかと題材を探すものですけれども、視聴者のみなさんには熱い思いがあるので、それがあれば無敵ですよ。すべての表現はまずそこからなので、大丈夫だと思います。本来の和歌はルールが多くて、専門でやっている方がおり、それだけ熟練のスキルが必要なんですよね。でも、まずは難しいことは考えずに、気持ちから入ってみましょうと。

ーー 最後に、視聴者のみなさんへメッセージを

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えすとえむ:
ドラマを見て、ほっとひと時、癒されたり、笑っていただけたりしたら、原作者としてそれ以上のことはありません。原作を読んでくださった方は、原作とドラマとの違いも味わっていただければ、二度楽しいと思います。

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本間P:
現代を生きる沙織とは、明らかにテンポや価値観が違う光くんと中ちゃんですが、平安貴族も私たちと同じく、日本で生きた人々です。ドラマを通して1000年前の空気感や、現代と共通する部分を感じていただけたら幸いです。最終回に向け、視聴者の皆さまをハラハラさせてしまう展開が待っているかもしれませんが・・・ぜひ最後までお楽しみください!!

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