土曜ドラマ 天使にリクエストを~人生最後の願い~

土曜ドラマ 天使にリクエストを~人生最後の願い~

ドラマのみどころ

天使にリクエストを~人生最後の願い~

人生の終わりに、あなたなら何を望みますか――?
生きる意味を失った探偵のもとに舞い込んだ奇妙な依頼。集まったのは、いずれも心に何かを抱えた変わり者ばかり。傷だらけの天使(エンジェル)たちが、死にゆく人の「最後の願い」を叶えるために走り出す!

<「最後の願い」とは?>

末期患者の「最後の願い」を叶えるボランティア活動は2007年、オランダで始まった。以来、このサービスを利用した人は1万4000人を超え、活動はヨーロッパだけでなくアメリカ、イスラエル、オーストラリア、南米にも広がりを見せ、既に日本でも行われている。

土曜ドラマ 天使にリクエストを~人生最後の願い~

「天使にリクエストを」執筆にあたって

大森寿美男

ここに多くの死と向き合ってきたドクターの文章があります。
「私は何人もの死んでいく人たちのそばにつき添ってきました。ほとんどの人が自分に死が近づいていることを知っています。その人たちは、死を前にして話したいことをいっぱい抱えているのです。私たちは病人と話す際には、死については一切触れず、回復することだけに焦点を当てて励ましてきました。気を軽くすることだけに気を配ってきたのです。しかし今は、病人に対しまったく違う接し方をしています。死を身近に感じている病人が、今ここで何を考え、どんな気持ちを味わい、どういったことを望んでいるのか、まずそこに中心をおいて接するようになったのです」
これに続いて、そのために起きる困難なことや、それを乗り越えたときの病人の心情などが綴られています。大変おこがましいことを言えば、このドラマを通して、このドクターと同じような実感を得ることができるのではないかと思い、背中を押してもらいました。
人間の最大の不幸は、死ぬことであるような感覚が私たちにはあります。しかし、人は等しくいつかは必ず死ぬのだから、人生の最後には最大の不幸が待っている、そう思うのは、それこそ最大の不幸ではないのかと思います。幸せな迎え方があるはずと信じたいです。それでも死は悲しく、不幸な出来事や理不尽なことも多く伴います。
このドラマの主人公も、不幸な死を経験し、生きる意味さえ失いましたが、その魂を救うのは、やはり人の命と向き合うことでした。死を感じることは生を感じること。終わりを見つめることは、また何かの始まりを見つめることなのかもしれません。これは懸命に生きることを描いた物語です。
このドラマを書き終えたあと、世界中の人々が死を意識せざるを得なくなり、日常は一変しました。その中で多くの人が、改めて自分が生きる上で大切にしていること、したいことと向き合ったのではないかと思います。
人間の同じ道にある生と死を、最後まで自分らしく歩みながら、ささやかな願いを叶えるためにはどうしたらよいのか。
ほんとうの天使は見えなくても、冒頭のドクターのように、そこにはきっと誰かがそばにいることを祈ります。

演出のことば

片岡敬司

探偵ドラマ、大好きです。迷子のペット探しから謎めいた殺人事件まで、探偵には何でもありです。そして、今回の依頼は終末期患者の『最後の願い』。重いです。何でもありにも程があります。その上この探偵、やる気を失い人生を投げてしまっている。心配な組み合わせで始まる物語は、エンジェルカーの旅と同様迷走を続け、最後には胸を打つゴールへと向かいます。生きることの意味を問われた探偵が、答えを求めてさまよう姿が「天使にリクエストを」の醍醐味です。悩み苦しむ江口さんが格好いい。バディーとなる萌歌さん、志尊さんも個性炸裂、倍賞さんは怪しさ満点です。ああ、やっぱり探偵ドラマ、大好きです。
撮影はコロナ禍の中、3密を避けながら、本番以外はマスク着用で行われました。十分なコミュニケーションがとれないままに人の絆を描くことは困難を極めました。スタッフ・キャストの苦労がドラマにプラスに反映するのを祈るばかりです。皆様の感想を、是非お聞かせ下さい。

制作のことば

陸田元一

「人生最後の願い」を叶える活動の存在を知ったのは、もう6、7年も前のことです。以来、ドラマの題材にするチャンスを探ってきましたが、脚本の大森寿美男さんとの出会いで ついに実現することができました。折しも広がった新型コロナウイルス感染症のため、クランクイン前日にいったん撮影を見合わせ、2か月の待機ののちに撮影を開始。キャスト、スタッフの精神的負担は並大抵ではなかったと思います。
死は常に身近にあるものですが、人はそのことを必ずしも意識しません。ですがいわゆる「コロナ禍」によって、多くの人がそのことを強く意識せざるを得なくなりました。死期を悟るのはかつて恐ろしいことと見なされてきましたが、定められた終わりを予め知り、その限られた時間をどう生きて、どのように自分の人生を決算するかを見定められるケースが増えているのは、医療技術が進んだ現代の特権と言えるかも知れません。
人は後悔する生き物です。どんな人生においても、全てに満足、納得するということは決してないでしょう。どんなに長く生きようと、如何に思うがままの人生を送ろうと、それはきっと変わりません。時間の長短ではなく、どう困難や障害や失敗と向き合って、豊かに実り多く生きるのか――それを考えるひとつのきっかけとなれば幸甚です。

土曜ドラマ 天使にリクエストを~人生最後の願い~

放送予定・スタッフ

【放送】
2020年9月19日(土)スタート<全5回>
総合・BS4K 毎週土曜 よる9時から9時49分
BS4K先行放送:9月17日(木)スタート<全5回>
BS4K 毎週木曜 よる11時15分から翌午前0時4分
再放送:総合 毎週木曜 午前0時50分から1時39分(水曜深夜)
【作】
大森寿美男
【音楽】
河野伸
【出演】
江口洋介、上白石萌歌、志尊淳、板谷由夏/梶芽衣子、塩見三省、山本學、西郷輝彦/倍賞美津子
【演出】
片岡敬司 田中諭
【制作統括】
陸田元一(NHKエンタープライズ)、訓覇圭(NHK)

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