年始早々、ご視聴いただき、改めてありがとうございます!
ディレクターのHです。
小説家・五十嵐貴久さんによる、龍馬と土方にバディを組ませるという大胆かつすこぶる面白いアイデアはまさに白眉であり、フィクションと史実の絶妙なさじ加減の原作「相棒」があってこそ、このドラマは日の目を見ることができました。
五十嵐さんがモチーフにされた映画「48時間」は白人と黒人のバディであり、今現在に通じるテーマを内包していますが、今回のドラマも思想の違う龍馬と土方が歩み寄る姿は、現代の「分断の問題」と重なります。
当時の階級社会への不満も現代の格差社会と重なり、犠牲になる社会的弱者の問題は現代のジェンダーの問題に重なるなど、十年以上前に執筆された原作が、まさに今、描かれるべきものとして浮かび上がって来ました。
その原作を限られた時間の映像表現として脚本に落とし込んでくださったのは土橋章宏さんです。
幕末の複雑な人物関係を整理し、説明を最小限に止め、なおかつエンターテイメントとして昇華するその手腕はさすがです。
とかく幕末ものは暗くて重くなりがちですが、今回は正月時代劇ということもあって、できる限り楽しく見られるものにすることが、第一命題でした。
元々原作にあるユーモアを、さらにコメディ時代劇の名手たる土橋さんがパワーアップしてくださり、ドラマならではの展開を加え、大いに盛り上げてくれました。
できあがった脚本を今度は、時代考証の山村竜也さんをはじめとした先生方により、細部に至るまでできる限り史実に基づいて映像化することができました。
史実一辺倒ではなく、面白くかつ分かりやすく観てもらうためのエンタメ部分とリアリティ部分の絶妙なバランスは考証や指導の先生方のご尽力によるものです。
そして、いよいよ100分完全版の放送です。
個人的には「完全版」と言ってしまうと、89分版が「不完全版」と言っているようで、悩ましいところではありますが、今回の100分完全版、編集上がりを観たスタッフからは、ほぼ全員一致でこちらの方が面白いとの感想があり、本当に複雑な思いです(苦笑)。
通常、長尺のドラマは特に音楽も入っていない編集あがりの時点では、短い方がテンポがあっていいねと言われがちなのですが・・・・。
未公開シーンはもちろんのこと、土方のモノローグが追加されて土方目線で語られていたりもします。
初見の方はもちろんのこと、一度観た方も再発見があり楽しんでいただけると思います。
是非、ご覧ください!
★時代劇スペシャル「幕末相棒伝」高画質4K版(100分)
1月15日(土)11時~12時40分 BS4Kにて放送
※通常画質(2K)の100分拡大版の放送日時は未定です、、、
★正月時代劇「幕末相棒伝」(89分)⇒ NHKプラスで見逃し配信中
★番組HPはこちら⇒「幕末相棒伝」ホームページ
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投稿者:スタッフ | 投稿時間:17:10 | カテゴリ:幕末相棒伝