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★こちらのページは2022年2月で更新を終了いたしました。

よるドラ「のほほん」 脚本のはなし「ふじきみつ彦さんインタビュー」

いつも「のほほん」をご視聴いただきありがとうございます。
広報の井元です。

祝・一挙再放送決定!
ということで、最終回を前に視聴者の皆様に第1話~6話までをより深く楽しんでいただきたいと思い、脚本家のふじきみつ彦さんにインタビューをしました。

ドラマが出来るまでの裏話やふじきさんイチオシのシーンや台詞なども伺っています。
再放送とあわせて、ぜひお楽しみください♪


脚本の“裏”ばなし
Q:脚本を書いてほしいと言われた時、どんなお気持ちでしたか?

まず、すごく嬉しかったですね。阿佐ヶ谷姉妹とはもう12年ぐらいの付き合いで。このドラマで言うところのふたり暮らしを始める前だと思うんですけど、その頃からの仲なので。オファーをいただいた時には、“脚本家”という肩書の人の中で言うと、たぶん阿佐ヶ谷姉妹と一番親しいのは僕だと思っていたので、話がきて嬉しいっていうのと、ほかの人にお願いされてたら相当悔しかっただろうなというのがありました。

Q:そんな親交の深い阿佐ヶ谷姉妹のおふたりが書かれた話題のエッセイをドラマ化するということで、なにか苦労した点や難しかったことはありましたか?

難しかったことか…。正直に言うと難しかったことは今回に関していうとほとんどなかったんですよね。反対に、入れられないエピソードがいっぱいあるっていう、どれを選ぶかっていうこととか、取捨選択がありました。嬉しい悲鳴みたいなものですね。

ちなみに、もし番外編を作るとしたらこれが書きたいというのはありますか?

養成所のときの話とか、出会った頃のふたり、なぜこうなっていったのかみたいな、その頃の話はひとつありますかね。でもホント言うと、「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」って、エピソードというよりは、とにかくふたりがしゃべってたり、何かしているようでしていなかったり、していないようでしていたりとかするその“日常”が面白いので、ただただずっとふたりが話しているのを書きたかったっていうほうが強いかもしれないです。

たしかに毎回、大きな事件や問題が起こるってことじゃないですもんね。

そうですね。多少事件はあるにせよ、それにまつわる脱線していく話とかの方が面白かったりしちゃうので、ふたりをもっと見ていたいっていう感じです。ただふたりがこたつを挟んでしゃべっている、ちょっとしたことだけで意外と見れてしまうっていう。そういう意味でいうと、ちょっと特別なドラマですね。

そうですね。そう思うとなかなか珍しいドラマだと思います。

演出の方からすると画替わりもしないし、ちょっと撮り方が難しいというか、大変なこともあるのかもしれないですけど、書いている分にはいくら文字が増えていっても面白ければいいやと思って書けちゃうので(笑)だから特に1話とか、やたら部屋のシーンが多かったり。それでも見てる方はそんなに飽きなかったような気がするので、ありがたかったなと思います。

“素”の江里子さん・美穂さんと、“視聴者が期待する”エリコさん・ミホさん
Q:今回、阿佐ヶ谷姉妹さん原作の脚本を書かれるにあたり、ほかの作品を書く時と違った点はありましたか?

キャラクターが決まっていたことですね。脚本家って、キャラクターを作っていく作業だったりもするので。このキャラクターだったら、これを言ったり、言わなかったりする、というのが決まっていたというか。ドラマ上のエリコさんとか、ミホさんのキャラクターが、書き始めたときから自分の中で出来上がっていたし、取材も重ねて、演出陣のみなさんもエリコ像、ミホ像ができあがってたと思うんですよね。だから本を書き始めてからぶれるということがなかったと思います。そういう意味では、書き始めるのがスムーズでした。
本当にふたり暮らしをしている江里子さんと美穂さんの“まんま”を書いている部分もあれば、テレビで見せているふたりのやりとりみたいな、日常で言わないだろうけど、僕らが知っているテレビの阿佐ヶ谷姉妹だったらこうしてくれるとうれしいなというのも、実はちょっと足しています。日常だと歌い出さないと思うんですよ(笑)本当にふたりの素だと思っている部分も書いていますけど、みんなが知っているような“阿佐ヶ谷姉妹”も取り入れています。

Q:実際に取材で阿佐ヶ谷姉妹さんのお部屋に行かれたと伺ったんですが、ドラマにいかされたポイントはありましたか?

細かいことですけど、江里子さんの「忘れ物したら地獄」みたいに書いてある張り紙があって、江里子さんの自分への戒めのようなものが書いてある紙とかが貼ってあるのがいいなと思いました。あと豆苗も。江里子さんの部屋に豆苗があって、そういうふたりの部屋にあるアイテムというか、ふたりを象徴するものっていうのをビジュアル的に見つけられたっていうのは取材で大きかったかもしれないですね。

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Q:阿佐ヶ谷姉妹といえば【トルコ行進曲】ですが、このドラマには“歌”が随所に入っています。どのように選曲されていましたか?

一番は姉妹が好きだったり、歌ってたりしていた曲ですね。ただ第1話の「ワインレッドの心」は、阿佐ヶ谷姉妹が歌っているのは聞いたことがないですし、ハモリのイメージがある曲ではなくて、あのときの台詞、台本に引っ張られての選曲でした。カラオケのシーンでのWinkも聞いたことないんですけど、女性デュオで、その後にお母さんがデュエット曲を沢山送ってくるっていう、それのためのフリでもあります。それと、ミホさんのお母さんが入ってきて、「あらWinkなんて若いわね」っていう台詞、僕すごく好きで、あれを言ってほしくてWinkにしました。それにしても図らずもミュージカルくらい曲が多くなりました。多江さん、玉恵さんは、お稽古ご苦労されたと思います。
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ふじきさんの見どころポイント
Q:最終回に向けて、一挙再放送が決定しました。視聴者の皆さんにおすすめしたい、ふじきさんイチオシのシーンや台詞を教えてください。

たくさんあって選べないので、ここではメジャーな見どころはあえて外して若干細かいポイントを中心に、各話あげますね…

【1話】
動物園に行った時の写真です。多江さん玉恵さんの話し方や居ずまいが似てると注目されてますが、この写真1枚は外見も似ていて笑いました。あとは携帯を忘れて家に戻るエリコに構うことなく歩いて行くミホさん。ふたりの関係性が表われているシーンだと思います。
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【2話】
ミホさんのゼリーを見た後のエリコさんの台詞。「うわ、貧乏くさい、泣きそう…。だけどミホさんらしくていい!凄くいいわ~」ミホさんのことはけなさない、エリコさんのミホ愛。僕、ミホさんが何か言っても、8割方肯定するエリコさんの感じがたまんなく好きで。他にも随所に出てきますが、ふたりの会話の基本型の一つがこのやり取りだと思います。
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【3話】
喫茶店のドアがカランコロンカランと音がして、「昭和よ、ミホさん」「いいわね~」と合わせて言うところ。ここは“テレビで見るみんなが知ってる阿佐ヶ谷姉妹”をあえてやってもらおうと書きました。多江さん玉恵さんの息があっていて、思った通りの「いいわね~」が出ていてうれしかったです。
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【4話】
「女性があれだけ年上ってペタジーニみたいよね、昔巨人にいた」「あら~、Winkなんて若いわね~」「まぁおばあさんだからねぇ」「勝手も何もシフトだから」「とんとんとんって、そんな与作じゃないんですから」みたいな、好きな台詞が目白押しです。あとはメジャーなんですが、大家さんが“幸せは人それぞれだ”と語るところ。研さんが素敵すぎます!
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【5話】
何といってもミホさんの「たき火」ですね。ここまでわかってきたミホさんの特異なキャラクターがたき火を歌わせているし、たき火を歌うミホさんにミホさんらしさが詰まっているいいシーンだなと。あとは、大高マネージャーが阿佐ヶ谷姉妹のリアルマネージャーの特徴を捉えていて、多江さん玉恵さんに負けず劣らず前原さんも!と思いました。
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【6話】
宇崎さんと研さんの芝居ですね。てらいが1つもなくて、すごいです。
手書きの間取り図を発見して嬉しいエリコさんがミホさんを起こそうとするところと、起きないんだけどミホさんが少し笑っているところ、好きです。「エアーコンディショナー!」もいいですよね。
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各話選べないくらい、見どころが詰まっていますよね。それではいよいよ最終回の放送ということで、7話に向けてコメントをお願いします。

クランクアップの日に現場を見に行かせていただいて、その時に撮影でモニターをのぞかせてもらって。すごく幸せな、平和な、のほほんって言ったらいいんですかね、いい撮影だなって見てて思ったんですね。だから最後の最後まで「のほほん」とし続けるドラマなので、最後まで「のほほん」と見てほしいですね。まあ「のほほん」と見なくても、映像の方から漏れてきちゃってるので。普通に見てもらえたらと思います。

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第1話から第6話までの一挙再放送は【総合】で以下の日程を予定しています。
 第1話~第3話 16日(木) 夜11:35~
 第4話~第6話 17日(金) 夜11:35~

放送終了後は、NHKプラスで1週間の見逃し配信も予定しています。
ぜひふじきさんの見どころポイントとあわせて、20日(月)放送の最終回まで一挙にお楽しみください!

最終回まで、のほほ~ん♪

阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし

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【原作】「阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし」阿佐ヶ谷姉妹 著
【脚本】ふじきみつ彦
【音楽】髙城晶平(cero)・ 王舟
【語り】きたろう
【出演】木村多江 安藤玉恵 / いしのようこ 中川大輔 楠見 薫 山脇辰哉 / 宇崎竜童 研ナオコ ほか

【制作統括】三鬼一希 櫻井壮一
【プロデューサー】堀内裕介
【演出】津田温子 新田真三 佐藤譲

投稿者:スタッフ | 投稿時間:23:15 | カテゴリ:阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし

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