みなさま、「中村仲蔵 出世階段」のスタッフブログを今までお読みいただきありがとうございます。(こちらから今までのブログ一覧いただけます。)いよいよ本日「後編」放送です。前回落ちるところまで落ちた仲蔵、でも「出世」話であることはタイトルでも決まっているから、これからは順調に出世していくのか?いえいえ、そうは問屋が卸しません。段田安則さん演ずる金井三笑という超・強敵が現れるんです!仲蔵がどのようにして、その難敵に向かっていくのか、どうぞじっくりご覧くださいね。
今までブログでは、表に出る俳優陣だけでなく、作曲家や、美術、衣裳などのスタッフの裏話をご紹介してきましたが、限られた時間と紙面ではすべての分野のスタッフワークをご紹介することはできませんでした。それでも、どうしてもお伝えしたいことをひとつ。
今回印象的だったのは、下座(げざ)音楽(歌舞伎の伴奏音楽。現在では舞台下手の黒御簾の中で演奏されることが多いため黒御簾音楽とも。)と呼ばれる歌舞伎独特の音楽のミュージシャンの活躍です。唄、三味線、鼓、笛、太鼓などが、ドラマチックにストーリーを盛り上げますが、その様子はまさに俳優とのセッション。俳優の演技や台詞まわしに応じて、自在に伸び縮みし、変化する音楽にぜひ注目してください。現場に立ち会わせていただいていると、歌舞伎は音楽劇でもあると思いました。今回は、江戸の芝居小屋でそうであったように下座音楽の方々にも時代衣装にちょんまげでご出演いただいています!
さらにクライマックスの「仮名手本忠臣蔵」の劇中劇では、本物の義太夫の浄瑠璃と三味線の方々に演奏していただいています。西洋音楽と違ってシンプルな音作りでありながら、強烈なインパクトを残す音楽に、私も魅了されました。たった一つの楽器や声でここまで豊かな情景や感情の表現ができるのか…どうぞ奥深い歌舞伎音楽にも耳を傾けつつ、後編お楽しみください。
それでは、後編の場面写真とメイキング、オフショット写真をどうぞ!(文責:川崎直子)
場面写真
地味な役を三笑に振られた仲蔵は全身白塗りに…
白塗りの異様な姿の仲蔵を見て師匠の傳九郎は…
「忠臣蔵」五段目で仲蔵は勝負に出る
仲蔵の一発逆転はあるのか
夫・仲蔵の一世一代の舞台を見るお岸
メイキング+オフショット写真
三味線猛特訓をしてくれた上白石萌音さん
定九郎のシーンの撮影で上白石萌音さんはクランクアップ
コロナ禍の撮影、ご苦労さまでした。
「蘭平物狂」の衣裳で記念写真
安全ワイヤーをつける勘九郎さん、余裕です!
勘九郎さんのご子息、勘太郎君、長三郎君も遊びに来てくれました。美術さんにせがまれてサインを。
京都太秦の撮影所、夕闇迫る中セットに向かいます。
大雨の中を走る演出のため絶えず霧吹きで水を。
夏とは言え一日中びしょぬれで、体力的にも限界でした
勘九郎さんのクランクアップは楽屋引き回しのシーンでした・・・
【放送予定】 <前・後編>2021年12月4日・11日(土)夜9:00~10:29 BSプレミアム・BS4K
【脚本・演出】源 孝志(「京都人の密かな愉しみ」「スローな武士にしてくれ」「ライジング若冲」)
【音 楽】阿部海太郎
【出 演】中村勘九郎/上白石萌音 中村七之助/谷原章介 若村麻由美 尾上松也/
髙嶋政宏/藤原竜也/大東駿介 山西惇 波岡一喜 本田博太郎/
名取裕子 笹野高史 石橋蓮司/吉田鋼太郎/段田安則/市村正親
【制作統括】宮坂佳代子(NHK)伊藤 純(NHKエンタープライズ)八巻薫(オッティモ)
【プロデューサー】川崎直子(NHKエンタープライズ)八木康夫(オッティモ)森井敦(東映京都撮影所)
投稿者:スタッフ | 投稿時間:12:00 | カテゴリ:忠臣蔵狂詩曲No.5 中村仲蔵 出世階段