スタッフブログ

土曜ドラマ「ひきこもり先生」スタッフインタビュー③

こんにちは。制作統括の城谷です。スタッフインタビューの第3弾は特別ゲスト、脚本の梶本惠美さんと、第4話、最終話の演出を担当した石塚ディレクターです。今回はインタビューと言うより座談会形式で、脚本作りのことや後半の見どころなどについて話しました。

kaji-ishi-shiro.jpgのサムネイル画像城谷:ではよろしくお願いします。放送は第3話まで終わりいよいよ後半戦に入ります。これまでいろんな反響が届いていますが、梶本さんはどう受け止めていらっしゃいますか?

梶本:そうですね。いろんな意見をいただきますが、一番感じるのはこのひきこもりや不登校のことを他人事ではなく、自分の問題としてドラマを見て下さっている方が多いなということでした。それだけ学校に行かない子供や、長くひきこもっている方が周りにいらっしゃる、珍しいことではないということだと思います。ただ、私自身も最初は誤解していることも多く、取材していくうちに少しずつ理解が深まっていきました。身近にそういう人がいても、全くわかっていなかったなと。

城谷:最初にこのドラマの企画をお聞きになったときは、どんなことを思われましたか?

梶本:直感的に、これは凄く大事な企画だと思いました。その時点ではどんな物語にするのか、着地をどうするのか、どれだけのことができるかはわからないけど、企画書の中にあった、元ひきこもりの方や不登校の子どもたちに、ちゃんとスポットを当てて、絶対世の中にメッセージを送るべきものだと思いました。それから後は怒涛の日々だったですけど(笑)、取材すればするほど問題の深さがわかってきたという感じです。

城谷:このドラマを企画した石塚ディレクターはいつ頃から取材を始めたんですか?。4youhei-hikikomori.jpg

石塚:2年くらい前ですね。今回は不登校やひきこもりの当事者の方、その家族、サポートする方、現役の教師など、実に多くの人に話をうかがいましたが、結構皆さん、現状について深いところまで話してくださり感謝しています。

梶本:私が取材した実感では、ひきこもりの問題と言うのは当事者の問題ではなくて、やっぱり社会の問題だし、不登校もそう。学校だったり、教育だったり、社会の問題であるというのがはっきりとわかってきましたね。

石塚:そうですね。企画の元々が、ある枠組みに適応しなかった人たちの物語を作ろうということでした。それって何に適応できないかと言うと、大人が作った規範というか、社会の枠組みと言うか…。ドラマの中に“制度”と言う言葉が出てきますけど、ある種の枠から一定数の人々は零れ落ちる。今日本全国でひきもっている人がおよそ100万人で、不登校も年々増え続けています。結局若い人、学生、20代、これから社会に出る人、その全体に枠がバンとはめられて、皺寄せが行っている。子供たちは「こうしたい」という意見を聞かれないで過ごしているんじゃないか。それを何とかしたいという思いが出発点でした。

城谷:私が一番心に刺さったのは、不登校やひきこもりの方の多くが罪悪感を抱いていること。学校に行けなくてごめんなさい、仕事しないで親に申し訳ないと。でもそういう罪悪感を感じさせてしまう社会の方に問題があるんじゃないか。そこに対してドラマでやれることは何なのか、考えさせられました。

4mitsu-youhei.jpg石塚:取材に応じて下さった皆さんは、最後に必ず「私たちどうしたらいいんでしょうね」と言われるんですね。考えれば考えるほど正解がない。でも何とかしないといけない…。今回の取材は単なるネタを集めじゃなくて、物語のベースとなる現実を見つめるようなものだったと思います。陽平にしてもヨーダにしても不登校の子供たちにしても、実態があるというか、空中に生まれたようなものではなく、ちゃんと地面から生えてきたようなキャラクターにしたいという思いがありました。

 

 

城谷:今回、オリジナル脚本ゆえの難しさもありましたね。

梶本:そうですね。打ち合わせにこんなに時間をかけたのもはじめてで、もう朝から晩までの打合せでヘロヘロになったこともありました(笑)。

石塚:普通は、まあこのへんまでにしておきましょうか、で終わるところでも、終わりませんでしたね。ホワイトボードを二つ並べてもストーリーのアイディアを書ききれませんでした(笑)。

梶本:でもそいうことが実ってきているという実感はありました。仕事場に持ち帰って一人で執筆するとき、机の前に二つのコルクボードを置いて、一つには陽平の人物相関図、もう一つは子供たちの顔写真を貼っていたんです。それを眺めているだけで涙がボロボロ出てきて。陽平や家族、子供たちの向こうにあるものを思うと涙が止まりませんでした。それから執筆の途中で撮影が始まったので、俳優さんと実際に会ってお話しができたことも大きかったですね。皆さんそれぞれ学校での体験を持っておられて、そこから役が大きく膨らんだこともありました。

城谷:一番苦労したのはどのあたりでしたか?

hon-uchi.jpg梶本:最終的にこの物語にどう決着をつけるのか、というところが一番難しかったでしょうか。答えの無い問いに、ドラマとしてどういう結末をつけるのか。最後の最後まで悩みました。

石塚:でも最後までたどり着いてみると、陽平だけでなく、それぞれの登場人物の成長物語になっていましたね。藍子も祥子も榊校長も。それにSTEPルームの子供たちも。

梶本:このドラマの企画そのものがそうなんですけど、元ひきこもりである陽平と不登校の生徒が、閉ざされていたところから「お互いに救い出していく」という構図ができたんです。一方通行ではなくて、ともに抜け出していく。それが最終話に繋がっていくんですけど。陽平がいるから、藍子がいたから、母がいたから、そういう人との繋がりの中で、ありのままの自分を受け入れてくれる人がいたから次のところへ進めた。

石塚:そうですね。もちろん彼らは闇に閉ざされている面もあると思うんですけど、だからといって、ただシリアスに描くだけでなくて、人間だからおかしみであったり、お互いの弱さが出たり、陽平さんと子供たちが結構いいバランスになったんですよね。

梶本:そう。人間っていろんな面を持っていますよね。一日の中にもいろんな感情が沸き起こる。そのすべての面にスポットを当てていこうという共通認識はありましたね。

4aiko-youhei.jpg石塚:今回は、俳優さんが思い入れのある台詞を何回も言うんですよね(笑)。

梶本:そうそう、それが現場に入ったときの感情の台詞なんでしょうね。

城谷:では第4話、最終話のオンエアに向けて一言お願いします。

石塚:第4話では、陽平が何に苦しんでいるのかを話し始めます。それに呼応して、光の当たらなかったSTEPルームの生徒たちも自分のことを話し始め、さらに普通クラスに通う生徒も加わって気持ちを語り始めます。第4話は「戦場」というタイトルですが、彼らがどんなに大変な日常を生きているのか、ひきこもっている苦しみは安易なものではないんだ、そしてそこから踏み出すために必要なものは何か、ということを見て感じていただければなと思います。

梶本:そう。これは感じて欲しいドラマです。

城谷:ありがとうございました。最終話についてはまた来週に続けたいと思います。

 

投稿者:スタッフ | 投稿時間:18:23 | カテゴリ:ひきこもり先生

新着記事

新着ブログ

月別から選ぶ

2021年

開く

2020年

開く

2019年

開く

2018年

開く

2017年

開く

2016年

開く

2015年

開く

2014年

開く

放送終了番組

開く
ページトップへ