スタッフブログ

★こちらのページは2022年2月で更新を終了いたしました。

【腐女子ブログ】上田明子Dに、ドラマのあれこれ聞いちゃいました!

fujyoshi_ueda_blog.jpg

ドラマ部まだまだ新人ADの渋谷はな子です!
今週25日(土)に第6回が放送される「腐女子、うっかりゲイに告る。」。第5回では主役の純くんが、まさか教室のベランダから…!「えー、どうなっちゃうのー!」。放送まで待ちきれなくて、はな子、このドラマの企画者で、第7回の演出も務める上田先輩にあれやこれやと聞いちゃいましたー!

 

0523_hana.pngはな子:
そもそも、どうして浅原ナオトさんの著書『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』をドラマ化したいと思ったんですか?

0523_ueda.png上田:
本屋さんでたまたま見かけたんですが、ものすごいタイトルだな…と思って手に取りました。私もBLすきなので軽い気持ちで読み始めたら止まらなくて。特に主人公の「純」が魅力的で、純—!わかるよその気持ち!って、ものすごい勢いでうなずきながら読みました。

01_03_fujyoshi.jpg

0523_hana.pngはな子:
純のどんなところに共感したんですか?

0523_ueda.png上田:
“ I Want It All ”、全てが欲しい、というところです。純はゲイなんだけど、「恋人も欲しい、子どもも欲しい、家庭も欲しい」と思っている。しかも世間体のためじゃなく、本当に心から、「普通」の幸せを欲している。だけどそれが、たまたま生まれついたセクシャリティと相いれない。その葛藤がすごく切実に伝わってきて。

03_06_fujyoshi.jpg

0523_hana.pngはな子:
でもそれって、先輩と共通点あります?

0523_ueda.png 上田:
そう、ないんです。私は女性で、異性愛者で、30過ぎてる。だけどちょうどそのとき妊娠していて、周りから“お母さんになる=子供が一番、仕事はセーブするもの、両方欲しがるのは欲張りだよ”って、しょっちゅう言われてたんです。でも私は、両方、普通に欲しかった。たまたま女に生まれたからって、なんで全部欲しがっちゃいけないんだ、決めつけないでくれよって気持ちが、純の葛藤と重なって感じられました。

0523_hana.pngはな子:
セクシャリティの話というより、職場のマイノリティである女性の視点で読んだんですね。

0523_ueda.png 上田:
「女性」とか「母親」という肩書きで、自分を簡単にされたくない。一方で、自分が本当に欲しいものや好きなものを晒して、「普通」から外れるのは怖い。そういう恐怖は、大人になっても皆抱えているものだと思うんです。だけど、純や紗枝はひたむきにその恐怖と向き合おうとする。懸命に、ラベリングに抗おうとする。その姿が、ものすごく魅力的で。セクシャリティという意味では純と違って、当事者ではない私がこんなにも心を揺さぶられるんだから、きっと他にもこの物語を必要とする人がいるはずだと思って、すぐに企画書を書きました。

0523_hana.png はな子:
ドラマの制作はどんなふうに進んでいったんですか?

0523_ueda.png 上田:
原作も脚本もすごく多様な解釈ができる作品で、「このシーンの意味は」「このときの彼の気持ちは」って突き詰めていくと、チームの中でも全然読みが違うこともありました。そこを擦り合わせるためにはお互い自分をさらけ出していくことになるから、作りながらもヒリヒリするというか…。でもそんな緊張感こそ、純や紗枝が向き合っているものじゃないかと思って。

 01_13_fujyoshi.jpg

 そんなスタッフの試行錯誤に、金子大地さんや藤野涼子さんが手探りで役を掴もうと懸命に演じてくださっていたのが奇跡的に混ざり合ったみたいな感じがあって。1話が完成して見終わった時、いろんな人のいろんな思いがうごめいた、見たことのない生命体みたいなものが出来たって思いました。

0523_hana.png はな子:
セリフの言葉ひとつひとつも、キラキラしてたりグッときたり… 

0523_ueda.png 上田:
三浦直之さんの脚本、素敵ですよね。ずっとお芝居を拝見していて、日常の何気ない風景の中に、すごくエモーショナルな瞬間を生み出されるところが大好きだったんです。それに、「恋人」とか「家族」という呼び名におさまらない、名前のつかない関係性を繊細に書いてくださる方だと思って。純と紗枝が築いていく、他の誰とも違う二人だけの関係を、うまく掬い取ってくださるんじゃないかと思いました。

0523_hana.png はな子:
QUEENの曲も、すごくマッチしています!

0523_ueda.png 上田:
ものすごいパワーと、普遍性がありますよね。私は原作小説に出会うまで、QUEENをきちんと聴いたことがなかったんです。映画も公開前で。小説を読み終えて、登場する曲を聴いていったとき、純という少年のイメージがまたガラッと変わりました。そうか、いつも胸の中ではこんなに熱い音を鳴らしている男の子なのか、っていう。純の心情とQUEENの曲が同時に、シンクロして聞こえてくるのはドラマでしか出来ないことだから、そこは毎回スタッフみんなで知恵を絞りながら頑張っているところです。

03_10_fujyoshi.jpg 

0523_hana.png はな子:
ぶっちゃけ、この後どうなるんですか!?

0523_ueda.png上田:
いよいよ後半戦です!紗枝は、腐女子である自分にしかできないやり方で純を救おうと走り出します。純は、そんな紗枝の思いにどう応えるのか。亮平、小野っち、マコトさん、純のお母さんも…それぞれが抱えてきた葛藤と逃げずに向き合っていくので、どんな未来を選ぶのか、一緒に見届けて頂ければと思います。

08_11_fujyoshi.jpg

 

【上田明子(うえだ・あきこ)】
NHK制作局ドラマ番組部ディレクター。大河ドラマ「真田丸」、土曜ドラマ「4号警備」、ドラマ10「この声をきみに」ほか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

よるドラ「腐女子、うっかりゲイに告る。」
【放送予定】2019年4月20日スタート<連続8回>
総合 毎週土曜 よる11時30分~11時59分
再放送:総合 毎週土曜 午前0時40分から1時9分(金曜深夜)
【原作】
浅原ナオト「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」
【脚本】
三浦直之
【音楽】
Akiyoshi Yasuda(★STARGUiTAR)
【出演】
金子大地、藤野涼子、小越勇輝/小野賢章、サラ・オレイン/安藤玉恵、谷原章介 ほか

投稿者:スタッフ | 投稿時間:16:52 | カテゴリ:腐女子、うっかりゲイに告る。

月別から選ぶ

2022年

開く

2021年

開く

2020年

開く

2019年

開く

2018年

開く

2017年

開く

2016年

開く

2015年

開く

2014年

開く