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「みかづき」スタッフブログ その12 さっとん先生の「みかづき」特別講座⑤ 『塾と教育の現在(いま)、そしてこれから』

教育専門誌編集者のさっとんです。みなさんこんにちは。

 

『みかづき』、遂に最終回を迎えました。

まさに〝日陰の存在〟だった塾が、教育のメインストリームとなるまでの半世紀を背景とした物語。

塾教育に携わる者として、感慨なしには見られませんでした。

そんなドラマ『みかづき』スタッフブログ、私の担当分のエピローグとして、

現在の塾業界、民間教育についてお話させていただきます。

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「子供の学習費調査」という、文部科学省が2年に1度実施する調査があります。

保護者を対象に、生徒が学校での勉強、或いは学校外でいろいろな活動を行うために、

どのくらい費用がかかるのかを調べるものです。

この中に「学習塾費」も項目として挙げられており、保護者が塾に、どれぐらいの割合で、

どれぐらいの費用を払っているかがわかります。

 

最新の平成28年度(2016年度)の結果では、公立中学校3年生の80.4%が塾に通い、

保護者は年間40.1万円を塾に支払っていました。

 mikazuki0228.jpg

千明と吾郎が八千代塾を創塾した時代にはこの調査はなかったので、

実態は推測するしかありませんが、吾郎もドラマの中で「塾って何?」と

千明に質問するほど塾は浸透しておらず、塾に通う子供はまだ珍しい存在だったと思われます。

 

しかし同じ調査で、すでに1990年代の半ばには公立中学校3年生の約8割が塾に通っています。

2016年と変わらない水準です。

ということは、塾に通う子供が大多数となってからもう20年以上が経過しており、

今ではかつて塾に通っていたお父さんお母さんが、自分の子供を塾に通わせる時代となっているのです。

 

情報技術が進んだ現代では、教育の現場でもICT(情報通信技術)を活用しようと、

様々な製品、サービスが産まれ、教育(Education)と技術(Technology)を掛け合わせて

EdTech(エドテック)と呼ばれています。

 

その一つとして非常に注目されているのが「アダプティブ・ラーニング」です。

これはIT技術を活用し、生徒一人ひとりの学習進度、学習理解度を把握、

それぞれの生徒に最適な学習材料を提供する技術です。

生徒一人ひとりの理解に合わせて、教材を配信してくれたりします。

 

でもこれ、どこかで聞いたような?

 

「僕は誰もが80点を取れるテストを作っているんです」

 

そう、大島教室では「アダプティブ・ラーニング」を昭和36年から、いわば手作業で行っていたのです。

本当は吾郎のように、指導者が生徒ひとりひとりに向き合うのが望ましい教育の姿なのでしょう。

 

ただ吾郎のやり方ですと、指導者の力量によって効果に大きな差が生まれてしまう上に、

人数が多くなると物理的に対応できないという難点があります。

 

今、塾業界では、集団指導、個別指導に加えて、映像授業、自立学習、教えない塾、

タブレット学習、単科塾、探求学習など、また、それぞれを組み合わせた塾があります。

 

サービスはますます多様化していますので、

それぞれの生徒の個性や特長に見合った塾と出会っていただきたいと思います。

 

塾に通う子供が多数派となった一方、塾に行きたくても行けない子供もいます。

金銭的理由で塾に行けない生徒に、各自治体が補助費を支出したり、

NPO法人などが無料塾を開講したり、食事を提供しています。

 

ドラマでも孫の一郎が、無料のボランティア塾を開こうと奔走しました。

 

経済水準の上がった現代は、個々の生徒が抱える問題と原因がそれぞれに違うという現実に直面しています。

世代や地域で括るような画一的な解決法では間に合わないのです。

国でも地域でも、公でも私でも、学校でも塾でもなく、

日本全体で教育について真剣に考えないといけない時代。

子供と向き合うすべての人が「日本の教育の最前線」だと私は思います。

 

このドラマを見て、そのそれぞれに大島家のような物語がある、と感じていただければ幸いです。

 

教育って、身近なんです。

 

最後になりますが、塾教育に焦点を当ててくださった森絵都さんをはじめ、

原作の出版やドラマの制作に携わったすべての方々、

そしてこのブログをお読みいただいた視聴者の皆様に深く感謝を申し上げます。

 

どうもありがとうございました。

投稿者:スタッフ | 投稿時間:18:26 | カテゴリ:みかづき

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