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ドラマのちょっとした味付け ~美術のお仕事~「この声をきみに」ブログその3

ドラマ10「この声をきみに」美術担当のOです。
今回の美術の仕事について少しだけ説明を致します。

物語のメインステージでもある個性豊かな面々が集まる朗読教室「灯火親(とうかしたしむ)」。
柴田恭兵さんが演じる“佐久良先生”の家を教室として使用しているという設定です。

 DSC05245.JPG

実はこのドラマが始まるときに新しく製作したオリジナルのスタジオセットなのですが、
長年住み込んだような古い家に見えるよう、
大道具さんや装飾さんの“汚し”のテクニックで味のある風合いに仕上がっています。

新しい部材を敢えて汚したり、擦るなどして傷をつけて古く見せることを
“エイジング加工”と呼び、セットを物語に馴染ませていく作業をします。

 DSC09659.JPGのサムネイル画像

↑ エイジング加工で風合いを出した本棚。

IMG_6136.JPG

↑ おなじみ「灯火親」の看板もわざとサビを浮かせています。

家は築何年なのか、どんな生活スタイルなのか、どんな土地にあるのか、など
細かなことは台本には書かれていないことが多いので、
最初に演出と美術で話し合いながら設定し、汚しの程度を決めていきます。

更に、部屋の大きさや間取りは登場人物たちの “芝居”や“動き”に大きく関わってきます。
様々なカットやシーンを撮るためには
“カメラや照明、音声マイクを据え置く場所”を用意することも必要です。
ドラマの撮影が始まる前に色々な想定をして「撮りやすく」且つ
「シーンに合った良い映像を撮れる」ための『セットデザイン』をすることも大切なんです。

ちなみに教室の外観はロケで撮影しており、
大きな窓に色ガラスを使って印象を合わせる工夫をしたり、
同じ植栽を目立つように植えるなど、その「雰囲気」の“合わせ”にも気を使っています。

↓ 特徴的な色ガラスをはさんで、こちらはスタジオセット。

 DSC05736.JPG

↓ こちらの外観は、実在のお宅をお借りして撮影しています。

DSC09117.JPG

 

セット内に飾ってある小道具ひとつにしてもただ置くだけではなく、
なぜそれがそこにあるのか?どんな使われ方をしてきたものなのか?いつごろからそこにあるのか?
誰の趣味で置かれたものなのか?などなど
台本にも書かれていない物語のバックボーンを考えながら配置していきます。
古い飴色の壁や天井、足元に咲いている草花、登場人物が着ている服、
木々や葉に吹きつけている風、本棚に何気なく置かれた古い本、などなど、
画面に映る全てのものに存在意義を与え、必然性を感じさせています。

ドラマの美術は「台詞を言わない出演“物”」に対して様々な演出をし、
物語を分かりやすくする役割があります。
物や家、着ている服にも個々の歴史やそこにある意味がありますから。

美術各セクションのプロフェッショナルが総力を結集して、
「細部に神が宿る」仕事をしながら、隅々までドラマを作り上げています。

そんな“ドラマ10「この声をきみに」”これからも是非楽しんでご覧下さい!

投稿者:スタッフ | 投稿時間:16:19 | カテゴリ:この声をきみに

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