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「風の峠~銀漢の賦~」#12  続・"上下"論争

こんにちは。番組Pの海辺です。

先日、上意書きの表書きについて、

「演出や表現手法だから正誤で語られるべき

性質のものでないと考えます」との見解を載せましたが、

納得されない方が多いので実例を上げて説明します。

 

歌舞伎『仮名手本忠臣蔵』では判官が切腹を申し渡される場面、

『伽羅先代萩』では細川勝元が掲げる上意書、いずれも表書きは

“上”と書かれています。

ご存じの通り、どちらも江戸時代から演じられている人気狂言ですが、

これは「間違った演出」でしょうか?

『忠臣蔵』の作者、竹田出雲も『先代萩』の奈河亀輔も、実際には

上意申し渡しの場面など見たことはないでしょう。

だから「さもありなん」と観客が思うよう頭をひねり、その演出が

後世に引き継がれたのだと思います。

 

「講釈師 見てきたような嘘をつき」と言います。

勿論、取材や考証はしっかりやりますが、それでも「さもありなん」と

思わせるため、敢えて“事実”を飛び越える場合も多くあります。

最初に“下”を使った演出家も、その大きなジャンプをしたからこそ、

「これぞ正統」と支持する人々を獲得したのではないでしょうか。

と言う訳で、私どもは“上”でも“下”でも無地でもよいと考えますが、

今回は芝居に集中してもらいたいので無地に修正した次第です。

 

ところでNHKで時代考証を担当している大森チーフディレクターが

調べてくれたところ、実存する命令書の表書きとしては、

切腹命令では“申渡”、判決では“裁許”というのがあるそうです。

うーん、いまいち面白くありませんけど、誰かが演出に採用する日が

やってくるかも知れませんね。

 

さて、『風の峠~銀漢の賦~』も来週からはいよいよ後半戦。

まだまだ大きな嘘をつきますので、ご期待下さい!

 

木曜時代劇「風の峠~銀漢の賦~」 番組ホームページ

投稿者:スタッフ | 投稿時間:20:00 | カテゴリ:風の峠~銀漢の賦~

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