スタッフブログ

『精霊の守り人 最終章』脚本家・大森寿美男さんインタビュー 〜イメージが動き出す瞬間まで〜Vol.4

seirei_omori_180124-4.jpg綾瀬はるかさん以外のキャスティングは、事前に聞いていなかったという大森さん。役者を聞いて、実際の演技を見てから、イメージを固めていったそうです。帝や聖導師、トロガイなど、個性豊かなキャラクターづくりの裏話をお届けします。


■役者の演技にイメージを膨らませていく。
ほとんどの役で、キャスティングを聞いてからイメージを変えていったと思います。帝は藤原竜也さんがキャスティングされたら藤原さんにイメージを寄せていきましたし、聖導師の平幹二朗さんもそうです。寄せていくというより影響されてゆきますよね、どうしても。ガカイも、吹越満さんの芝居を見てから道化のようなイメージが膨らんで固まっていきました。ラウルなんて、「これを演じられる人がどこにいるのかな?」っていうくらい、逆に役者のイメージが出しづらかったです。誰が演じても物足りなくなるんじゃないかというほど、強烈なキャラクターにしたかったので。しかも、あまりマンガっぽいキャラクターにはしたくないっていうのもあって、大仰な芝居をしなくてもああいう雰囲気やすご味が出せる人がいいなと思っていました。高良健吾さん、大したもんですよね。ちょっと上から目線で言うわけではありませんけど、役者に魅力を感じてこそ、僕らの仕事は満足できるわけですから。脚本家は特に祈るような気持ちで、読みを働かせます(笑)。

でも、一番読めなかったのはトロガイですね。風貌も含めてですが、どんな声でどうやってしゃべるんだろう?とか。シーズン1はほとんど見えないまま書いて、全部できた上でキャスティングされたんですよ。それから実際に映像で見て、シーズン2からは声としゃべり方をイメージして自然に書けました。だから、そのイメージをつくったのは本当に高島礼子さんの力。そうやって役者から力をもらって、続きを書いて行けるっていうのが、長丁場の良さですね。

スーアンは、滑稽な人というか、ちょっとずれた人に描きたいなというのはありました。演出家から聞いた話では、品川徹さんはずっとスーアンを演じながら、シーズン2の最終回ぐらいになるまで自分が悪役だって気付かなかったらしくて(笑)。「あっ、俺、悪い奴やっていいんだ」って突然目覚めたそうです。最終話で、急に悪そうな表情をして悪そうにしゃべっていたから、品川さんはそこから芝居が楽しくなっていったのかもしれませんね。だから最終章はそれがさらに派手になっておもしろくなると期待しています。スーアンみたいな役は、わかりやすく悪役をやってもらったほうが人間らしくて笑えますよね。

■聖導師と帝への思い入れ。
聖導師は、平さんだからと思って「最後のシーンはこうやってもらいたい」という要望を込めて最終章のイメージを膨らませていたんですよ。平さんがやってくれていたから、原作では死ぬ聖導師を生かしたまま最後まで引っ張ったっていうところはありましたね。だから、実現できないのは本当に辛かったです。もちろん、そのぶん鹿賀丈史さんがいいシーンを演じてくださると思います。

また、役者さんの影響も大きいですけど、帝と聖導師の間には原作以上に「親子の情」みたいな関係性を感じられました。木村文乃さんのニノ妃と藤原さんの帝との間にあるエロティックな空気みたいなものにも、明確に答えを出したいなっていう気持ちがありましたね。最後はあの2人を本当の人間の男と女のようにして、別れを描きたいなって。

帝は、もうどこかでずっと自分は人間だと認めながら、無理してそれを見ないようにしていた男なんでしょうね。それをはっきりと自覚したとき、「自分は、立場的には神として、この国で滅ぶのがいいんだろう」を彼は判断したと思うんです。覚悟はしていたと思うけど、それは彼が持って生まれてしまった運命ですよね。一番かわいそうな男です。象徴的に捉えられがちな役ですが、なんとかその中で個人としての藤原さんの帝が見られるといいなと思いました。ニノ妃とチャグムという家族をもった1人のお父さん、とまでいかなくても、「1人の男」に見えればいいなと。その思いだけでしたね。


次回はいよいよ大森さんのお話最終回です。「脚本家」というお仕事について、ちょっとした裏話まで披露してくださいました。

★大河ファンタジー「精霊の守り人 最終章」

2018年1月27日(土)よる9時 ついに完結!
NHK総合テレビ 毎週土曜 (連続9回)
「精霊の守り人」番組公式ホームページ→http://nhk.jp/moribito

最終回「旅立ち
バルサ(綾瀬はるか)と捕らわれの身であるタンダは、魂をトロガイの元に飛ばし、ナユグに春がきたことを伝え、光の鳥を飛ばし人びとに早く逃げるよう警告することを提案。そのさなか、タルシュ帝国が滅びる。やがて一気に濁流が押し寄せ、川の水が増水。大勢の人たちが逃げまどう。そして、物語はクライマックスに。新ヨゴ国の都は消えてなくなるのか?再び離ればなれになったバルサとタンダは再会できるのだろうか...。

投稿者:スタッフ | 投稿時間:12:29 | カテゴリ:精霊の守り人

新着記事

新着ブログ

月別から選ぶ

2020年

開く

2019年

開く

2018年

開く

2017年

開く

2016年

開く

2015年

開く

2014年

開く

放送終了番組

開く
ページトップへ