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『精霊の守り人』人物デザイン図鑑2 vol.5 

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第5回では、人物デザインのいちばんの見どころである「ルイシャ贈り」のシーンについて、じっくりと語っていただきました。光る衣装の秘密、ヒョウルのメイクのネタ元は必読です!


暗い洞窟の中で衣装が光る!

最終章の人物デザイン監修の見どころは、「ルイシャ贈り」のシーン。暗い洞窟のなかで衣裳が光ります。何で光らせるかに決まるまでは紆余曲折がありました。このシーンは衣裳だけではなくて、美術との兼ね合いが大きかったですね。暗いセットの中で石が光るのをどう見せるかというのは、光学的に「何を光らせたら何が見えなくなるのか」というバランス。蛍光塗料を使う、LED発光でフィルターをかける、LED発光を内部にさせる、照射して発光させるなど、いろいろな方法にトライしました。最終的に緑白石はLEDライト、ルイシャはアクリル造形で、ブラックライトを使って光らせるという手法を採用しました。

そもそもヒョウルたちはカッルを着ているので、「カッルはどうやって光るの?」という話になり、まずブラックライト対応できる素材に蛍光塗料をスプレーして実験しました。そうしたら発光しすぎて、味もそっけもない…。「ルイシャ贈り」のシーンの演出家の一色さんが、フードの中にライト仕込むというアイディアを出してくださって。
映画『プロメテウス』にあったような、宇宙服の中で光っているみたいなイメージです。これがトライしてみたらうまくいったので、中にライトを仕込んで光らせるということに落ち着きました。

 

ヒョウルのメイクは2色刷り!?

このシーンではヒョウルのメイクとも連動しています。並んで立っているそれぞれの顔をはっきり見せたいわけではないのですが、あんまり真っ黒でもちょっと違う。一色さんから、アニメによくあるような「2色刷り」みたいなメイク、というアイディアをいただいたのですが、成功するとすごくアーティスティックになりますが、かなりリスクもある。そこで、特殊メイクで彫りをつくって影をつくることにしました。

かつ肌色をどうするかも課題で。幽霊的な色にして、影が彫りによって出来れば、アニメメイクのような効果が得られるかも…と試しているうちに、グレイッシュにしておけば、ライトがその中に成分として入っている白いものを拾って、少し発光することが分かってきました。結果的に、ことさら何か手法をプラスしなくても、ヒョウルとしての意味に近くなったということですね。

 

リンゼイ・ケンプにインスパイアされた。
ヒョウルのなかでも、ジグロ役の吉川晃司さんのメイクがいちばん「2色刷り」になっています。ほかのヒョウルは彫りのような感じになっているのですが、吉川さんだけはメイクとして彫りを表現しました。吉川さんご自身もノリノリで。イメージのベースは、80年代にヒットしたデヴィッド・ボウイの『ブルー・ジーン』のミュージックビデオ。
「アレいいね」(笑)と、ご本人と話をしながら、そういうグラムロック的なメイクアップを意識してつくりました。

デヴィッド・ボウイに関しては、タルシュのラウルも影響を受けていますから(笑)。ヒョウルでまたグラムロックな表現が出てくるのはおもしろいと思います。吉川さんも僕も同世代なので『ブルー・ジーン』を思い出したわけですが、そのときはあまり意識していなかったのですが、実はその先にあったリンゼイ・ケンプ※(デヴィッド・ボウイが影響を受けた)的なものに感応していたのだと思います。舞と化粧との連動や儀式的な表現が、文脈として近い雰囲気を持っていたからではないでしょうか。

※イギリス出身の舞踊家・俳優・パントマイムのアーティスト。パントマイムの教師として人気があり、デヴィッド・ボウイも師事していた。



『人物デザイン図鑑』もついに最終回です。3作を通して、人物監修を手がけた柘植さんが『精霊の守り人』への思いをじっくりと語ります。

投稿者:スタッフ | 投稿時間:14:00 | カテゴリ:精霊の守り人

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