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FMシアター「コンクリートの夢」~町の防波堤になった船『武智丸』

  FMシアター「コンクリートの夢」

 

  2021年12月4日 午後10時~午後10時50分(全1回) NHK-FM

 (ネット同時配信&「聴き逃し」対応 ※放送から1週間)

 

FMシアター「コンクリートの夢」演出の川岡です。

 

この物語の舞台は、広島県呉市安浦に実在する防波堤、コンクリート船「武智丸」です。

太平洋戦争中に、鋼鉄資材の不足により作られ、戦後この安浦の地に防波堤として沈設されました。

 photo_takechimaru_s.jpg

 

 ドラマでは1隻の「武智丸」として描いておりますが、

実際は「第一武智丸」「第二武智丸」の二隻が、繋がるようにして沈設されています。

近寄って写真を撮っていると、散歩に来られていた近所の方が話を聞かせてくださり、改めて武智丸が町のシンボルとして愛されているのだなと感じました。

 

「こんな大きなコンクリートの塊が海に浮かんでいたのか!?」と、調べ始めたのがこのドラマのスタート地点でした。

数少ない資料とにらめっこしながら、主人公たちがどのように「武智丸」に関わっていくか…この物語を一緒に作り上げてくださった、作家の原田裕文さんからメッセージをいただきました。

 

 この作品は、ディレクターの川岡さんのオリジナル企画で、彼女のプロットに沿って書けば物語の舞台である夏までには書き上げられるはずだった。だが、決定稿になるまで、通常の倍以上の時間がかかった。海図も磁石もコンパスも、もちろん目的地もはっきりしていたのに、なぜ船は長い航海を送ることになったのか。嵐に遭って座礁したわけでも、燃料切れになって漂流したわけでもない。理由はいろいろあるが、一番は私が(そしておそらくは川岡さんも)、武智丸に乗り込んだ翔太や優子、キャプテンたちとの旅をずっと続けたいと思ったからだ。それくらい楽しい航海だった。

 だが、出航した船はいつかは投錨しなければならない。川岡さんと二人で始めた航海は、優秀なスタッフとキャストによって無事港にたどり着いた。一人でも多くの方にこの航海を楽しんでいただければと願っている。

 

12月4日の放送終了後から1週間、「らじる★らじる」聴き逃し配信でもお聞きいただけます。

窓の外は冷たい風が吹く季節ですが、50分間、真夏の安浦への旅を楽しんでいただけたらと思います。

 


 

FMシアター「コンクリートの夢」

 逃げ出したいと心の中で叫んだ瞬間、その汽笛が聞こえたんだ。

 

2021年12月4日 午後10時~午後10時50分  NHK-FM

 

【出演者】

河井樹 山野史人 松田悟志 川本青空

阪口周平 今村祥佳 大森ヒロシ 久井正樹

大河原爽介 櫻井優輝 野中心和

 

【作】原田裕文

【音楽】坂東邑真

 

【あらすじ】

幼い頃に父を亡くした翔太(13)は、介護職で忙しく働く母を助けるため、家のことを行い、遊びや部活などを我慢して暮らしていた。しかし、母から“再婚を考えている”という話をされ、ショックを受ける。モヤモヤした感情を抱えながら、夏休みを父方の祖父・康雄(77)のもとで過ごすため、広島の港町へとひとりやってきた翔太。そこで彼が出会ったのは、大きな船の形をした防波堤。その防波堤は「武智丸」といって、かつて海を航行していたコンクリート製の輸送船であった。康雄は、生まれ故郷の神戸からこの地に移り住み、一人で武智丸の修理をしているという。母と、亡き父と、そして自分自身と、どう向き合えばいいのか…現実から逃げ出したいともがく翔太は、武智丸の中で、ある一人の男と出会う。

戦時中、鋼鉄資材の不足により建造され、今は防波堤として人々の生活を守っているコンクリート船「武智丸」を舞台にした、ひと夏のファンタジー。

投稿者:スタッフ | 投稿時間:14:04 | カテゴリ:オーディオドラマ

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