スタッフFです。昨夜の放送で青春アドベンチャー『1848』全15話が完結いたしました。
ただいま第11話から最終話までを「聴き逃し」配信中です。
物語のクライマックスをスマートフォンやPCからネット経由で何度でも、お聴きいただけます。
今回このブログでは、キャストの方々から沢山のメッセージをいただきました。
一度お読みになった方も、ドラマの余韻とともに読み返してみていただければ、また新たな感慨があるかと思います。
舞台で言うところのカーテンコールの代わりに、あらためてリンクを掲載しておきます。
カーロイの運命の人、ナターリア役の桜咲彩花さん
伝説の愛され義賊、シャーンドル役の石橋徹郎さん
ペンで闘う詩人、ペテーフィ役の入野自由さん
大平原のナイスガイ、エデ役の中河内雅貴さん
革命の天使、コルス教授役、そして「語り」の石川禅さん
魂の舞台役者、マルギット役の野々すみ花さん
ユリシュカの心の英雄、カルニナリス夫人役:霧矢大夢さん
懊悩する理想主義者、カーロイ役:海宝直人さん
そして虹色のヒロイン、ユリシュカ役の真彩希帆さん
さらに、ゼルマ役の山本郁子さん、ペトラ役の水野ゆふさん、テレシュ男爵役の大滝寛さん、ミクライ役の清水明彦さん、ノルベルト役の井内勇希さん、ヨーカイ役の梶原航さん、フランツヨーゼフ役の横山賀三さん、エリザベート役の井手柚花さん……、それぞれに忘れがたいお芝居で『1848』の世界をともに生きて下さったことに感謝します。
それでは、ラストシーンまで聴いて下さった皆さまへ、「あとがき」として作者・並木陽さんのメッセージをお届けします。
【作・並木陽さん「あとがき」】
1848年のハンガリー革命に心惹かれたきっかけは、トルマ・ヤーノシュという画家による『立て、マジャルの民よ!』と題された歴史画を見たことでした。二十五歳の若き詩人ペテーフィ・シャーンドルが、人々の前で自作の詩を朗唱し、決起を呼びかける様子を描いた絵です。ペテーフィの詩集を読みつつ雄大なハンガリーの大平原に思いを馳せる中で、伝説の大親分ロージャ・シャーンドルを始め革命軍の遊撃隊として活躍した義賊たちのことを知り、彼らが登場するようなお話を書いてみたくなりました。
1848年は、ヨーロッパの街から街へ、まるで飛び火のように革命の火の手が上がった年。王侯貴族がフランス革命前の秩序を取り戻すため絶対王政を徹底させようとしていた中、抑圧に耐えきれなくなった人々が一斉に声を挙げて起こった「諸国民の春」。この時代の空気を描くには、パリやベルリン、ウィーンといった大国の首都よりも、ハンガリーのような被支配国における人々の目覚めに焦点を当てるほうがむしろ相応しいかもしれないと感じたこともあり、本作の舞台をここに定めました。
革命の世を担ったのは、志を抱いた数多くの名もなき人々です。ユリシュカやカーロイのような人々が、もしかしたらこの時代に本当に生きていたのではないか……。そんな思いと共に、彼らの目を通して見つめた1848年前後のハンガリー。登場人物たちの苦悩や決断を、キャストの皆さんの演技と声が、血の通った切実なものとして浮かび上がらせてくださいました。
大平原で戦い続けることを心に決めたユリシュカは、ウィーンで斜陽の帝国を支え続けることを選んだカーロイは、その後の未来をどのように生きていったのか。この作品をお聴きくだった皆様と一緒に想像を巡らせることができれば嬉しく思います。
さて、もう多くの言葉を重ねることは控えましょう。
『1848』以降のハンガリーとオーストリアが歩んだ道のりについては、下記の本をご参照いただければ、20世紀、そして21世紀へとつながる歴史の連続性をお感じになれることと思います。
〇木村香織『亡命ハンガリー人列伝』
〇フレデリック・モートン『ルドルフ ザ・ラスト・キス』
〇栗本慎一郎『ブダペスト物語』
三週間の長丁場、おつきあいいただいた方、お気にかけていただいた方、どうもありがとうございました。また別の物語世界で、お目にかかれれば幸せです。
青春アドベンチャー『1848』(全15回)
~人が渡れない橋、あまたの色を持ち、大地から天へと延びるもの~
8月16日(月)~9月3日(金) 平日の夜9時15分~9時30分 NHK-FM
【作】並木陽
【音楽】日高哲英
【出演者】
真彩希帆 海宝直人 霧矢大夢 野々すみ花
石川禅 中河内雅貴 入野自由 石橋徹郎
桜咲彩花 山本郁子 水野ゆふ 大滝寛
清水明彦 井内勇希 梶原航 横山賀三
井手柚花
投稿者:スタッフ | 投稿時間:07:42 | カテゴリ:オーディオドラマ