青春アドベンチャー『ヨコハマ・ジャスミンホテル』(全10回)
5月10日(月)~14日(金)、 5月17日(月)~21日(金)
21時15分~21時30時 NHK-FM(ネット同時配信&「聴き逃し」配信あり ※放送から1週間)
5/10(月)から放送がスタートする青春アドベンチャー『ヨコハマ・ジャスミンホテル』、出演者の平埜生成さん、花總まりさんからのメッセージをお届けします。
【平埜生成さんからのメッセージ】
収録日記 桂吉役・平埜生成
ラジオドラマは本当に楽しい。
普段の演技と本質は変わらないが、表現方法が制限される。
目線などの表情が通用しない世界だ。
声だけで、世界を創り出さなければいけない。
全ての俳優が燃える仕事なのではないだろうか?
参加するたびに難しさのレベルが上がり、ひいひい言いながらも、収録が終わった後に襲ってくる疲労感がスッカリ快感になってしまった。
今回で三回目の参加だが、個人的に大きな変化があった。
それは、ボクが日常的にラジオを聴くようになったということだ。
ラジオリスナーの目線、いや、耳線で演じ方を模索した。
そして、この場所(ラジオドラマ)は、共演者が豪華なことも魅力的だ。
花總まりさんをはじめ、本当に素晴らしい方々と共演できた。
演劇ファン目線で、内心すごく興奮していた。
文学座の沢田冬樹さん、粟野史浩さんと再会できたことも嬉しかった。
「ヨコハマ・ジャスミンホテル」で、桂吉は故郷(ふるさと)という言葉に敏感に反応するが、芝居の世界にもなんとなく故郷があると感じている。
劇団、新劇、ミュージカル、アングラ、小劇場、テレビ、映画etc...
その意味で言うと、フラフラと漂ってきてしまったボクには、ふるさとがない。
心の奥の方で、桂吉の気持ちに寄り添えたのかもしれない。
これまで平埜生成さんには、『カムパネルラ』と『天下城』にご出演いただきました。後で考えてみれば、いずれも若さゆえの繊細さ、優しさの中に、どこか伸びやかな強さを孕んでいるような役柄です。いただいたメッセージから、あらためて役を演じること、ひとつひとつの台詞を発することへの真摯さが伝わってきます。そして、その歓びを衒いなく表現なさるところにも、ドラマの中の主人公・桂吉と重なる魅力を感じます。また色々な方と共演していただきたいと思わせてくれる俳優さんです。
【花總まりさんからのメッセージ】
久々のラジオドラマ、今回は今迄あまり演じてこなかった役柄を演じさせていただきました。
感想を一言で言えば「楽しかったぁ!」声のみで物語を伝えていくのは難しいけれども私は大好きなのです。
このお話は大正から昭和にかけての横浜が舞台なのですが、その時代の息吹を聴いていただいている皆様に感じていただければ幸いです。私の役メリケンお雪は、チャブ屋で働く何か訳アリの女性。チャブ屋とは日本在住の外国人や外国船の船乗りを相手にした横浜の「あいまい宿」の俗称です。
情に厚く、気風の良いお雪さんやこの時代の雰囲気をお楽しみいただければと思います。
「ヨコハマ・ジャスミンホテル」をどうぞよろしくお願いいたします。
花總まりさんも「青春アドベンチャー」3度目のご出演。『斜陽の国のルスダン』では王道の女王様でしたが、『紺碧のアルカディア』ではヴェネツィア艦隊を率いる勇ましい女船長の役を演じていただきました。花總さんに役柄をご提案する際には、どこか意外な設定で、新鮮に演技を楽しんでもらえそうな、でもリスナーの皆さんに「これぞ花總さんのお芝居!」と思っていただきたい役を考えます。花總さんの歴史に新たに加わるお雪さんのミステリアスな大人の雰囲気、どうぞご期待下さい。
最近ミュージカルの舞台でご活躍の方々をお招きしながらも、台詞劇に終始することの多い「青春アドベンチャー」ですが、今回は綿引さやかさん演じるジャスミンホテル専属シンガーのジャズの歌唱シーンや、物語の鍵となる主人公の姉・小夜役の石川由依さんによる子守唄など、劇中の歌と音楽の要素もお楽しみいただければと思います。
青春アドベンチャー『ヨコハマ・ジャスミンホテル』(全10回)
【NHK FM】
5月10日(月)~14日(金)、 5月17日(月)~21日(金) 21時15分~21時30時
【作】吉田小夏
【音楽】川田瑠夏
【出演者】
平埜生成 花總まり 藤岡正明 石川由依
綿引さやか 川口竜也 鍛治直人 林次樹
増子倭文江 尾身美詞 粟野史浩 沢田冬樹
ラヴェルヌ知輝 田中誠人
【あらすじ】
舞台は1925年、関東大震災から3年後の横浜。桂吉(平埜生成)は、幼い頃に生き別れとなった兄と姉を探すため、この開けた港町にやってきた。外国人相手にジャズと料理と一夜の享楽を供するジャスミンホテルにコック見習いとして拾われた桂吉は、そこがチャブ屋と呼ばれる外国人相手の娼館であることを知る。不器用で血の気が多く、酔客とトラブルを起こした桂吉を救ってくれたのは、“チャブ屋の女王”と呼ばれるメリケンお雪(花總まり)だった。のっぴきならない様々な事情を抱えた男女が行き交う“故郷なき者たちの故郷”ヨコハマで、一人の若者が世間の闇を見つめながら孤独を乗り越えていく姿を描く。
投稿者:スタッフ | 投稿時間:13:20 | カテゴリ:オーディオドラマ