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ドヤ街と詩人とおっちゃんたち
ETV特集「ドヤ街と詩人とおっちゃんたち~釜ヶ崎芸術大学の日々~」
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ETV特集「ドヤ街と詩人とおっちゃんたち~釜ヶ崎芸術大学の日々~」

  • 2018年10月13日(土) 午後11時00分(60分)
  • 2018年10月18日(木) 午前0時00分(60分)

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釜ヶ崎には世間が意識的に見ようとしない現実がある。つらい事情や過去をかかえて生きる「おっちゃん」たちにとって、釜ヶ崎芸術大学やこれを支える人々の存在は本当にかけがえのないものだ。名前を読み上げて追悼する場面、拘置所に入った仲間を支える様子、つづった作品が互いに紹介されるところ等々、人間性のありようを深く考えさせられた。

投稿者:花咲爺さん/70歳以上/男性

番組スタッフから

photo

日雇い労働者の街として知られた釜ヶ崎に、芸術大学がある―。なんともミスマッチな印象に興味をそそられ、撮影を始めたのは去年の12月でした。釜ヶ崎は12月に越冬闘争があり、8月に夏祭りがあります。この番組はその間の8か月に取材した記録です。

【おっちゃんたち】
「釜ヶ崎芸術大学」に通うおっちゃんたちの作品は、最初???という印象。でも、なぜか気になってじっと見てしまう、とても不思議な魅力があります。「面白い」という表現がぴったり。そして詩や童話など言葉で書かれたものは、その人生の断片がストレートに反映して、変に昇華されない分力強く胸に迫るものがあります。みな、釜ヶ崎でしか生まれ得ない作品だと思います。

作者のおっちゃんたちは、いったいどんな人たちなのか。取材を始めてみると、多くの人が釜ヶ崎で暮らしていることのジレンマを抱えていました。釜ヶ崎に来た自分を憐れみ、生活保護を受けていることにもやるせなさを隠せない。そうした思いが昂じて途中で取材お断りの連絡をしてきた人もいれば、逆に覚悟を決めたという人もいました。釜ヶ崎とはそういう街なのだと改めて思いました。

また、表現するおっちゃんというのは、実に繊細で内省的。たとえば幼い娘たちとの思い出を童話に書くAさん。暴行などで刑務所に三度服役した人ですが、酒を飲んだ時と飲まない時で性格が180度変わってしまうと言います。Aさんは酒を飲んだ時のことが想像できないくらい、いつも柔和な笑顔を見せてくれます。そしてそういう自分のことを実に客観的に見つめ、その人生をとつとつと語るのです。

【詩人】
釜ヶ崎芸術大学代表の上田假奈代さんは詩人です。詩人ではありますが孤高の人ではありません。いつも静かに笑いながら、おっちゃんたちを励まし続けるひとです。誰も拒まず、去る者は追わない。こんなひとがいるのかと驚きました。上田さんは言います。「詩人って生きる態度のことやろ」と。見た目の柔和さと着物姿が存在の切れ味を覆って、おっちゃんたちを惹きつけ慕われています。番組では「あんちゃん」と呼ばれる若いスタッフのエピソードを中心に、上田さんの人柄を見つめました。警察に勾留され裁判にまでなったあんちゃんに、5か月間ハガキを毎日書き続ける、そういう人です。

「つづけるために やることやるねん
わたしはわたしのやることするねん
それだけのことやわ」      (上田さんのフェイスブックから)

【ドヤ街】
近くにリゾート施設が建設予定で、安宿を目指して訪れる外国人バックパッカーも増えました。今後街が変わっていくのは避けられないと思います。ただ、釜ヶ崎という街はとても懐が深い。傷ついて行き場を失った人を受け入れてくれる。そんな街が本当に無くなってしまっていいのでしょうか。そんな街がなくてもみんなハッピーであればそれに越したことはないのですが、現実はそうはなっていません。誰しもいつかどこかで人生が狂うことがありえる。その時釜ヶ崎はひとつの救いであり、希望だと思います。そういう街を支えているのが上田さんたちなのです。番組を見てその片鱗を感じていただければと思います。

(番組ディレクター 伊槻雅裕)

番組内容

ETV特集「ドヤ街と詩人とおっちゃんたち~釜ヶ崎芸術大学の日々~」

釜ヶ崎芸術大学。NPOが運営し、街のあちこちで詩や絵、書道、音楽などのさまざまな講座を開いている。ここで年配の男たちが生み出す作品が出色だ。酒やギャンブルにおぼれたり、家族が離散したり、波乱を生きてきたおっちゃんたち。人づてに聞いた孫の誕生を祝おうと描く絵本。生き別れの娘との思い出をつづった童話。人生が刻まれた表現の重みと輝き、彼らを支える詩人の活躍、そして釜ヶ崎という街の懐の深さを見つめる。

出演者ほか

【出演】上田假奈代

チャンネル

  • 2018年10月13日(土) 午後11時00分(60分)
  • 2018年10月18日(木) 午前0時00分(60分)

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