※NHKサイトを離れます。

あブログ

制作スタッフによる現場日誌

現在位置
  1. あブログトップ
  2. 野村律子さんの記事

見えないものが見える!?

番組内のクラッチ映像を制作してます、野村律子です。

 

去年から主に科学現象を使っていろいろな「あ」の映像を作っているんですが、私は前から目に見えないものを見せたい!という思いが強いです。

 

例えば音。目に見えません。普通は。。

 

サイマティクスの「あ」というクラッチ映像では、音が振動で作りだす模様(グラードニ図形とよばれるもの)を作って、それが最後に「あ」になるような作品を作っています。

 

目には見えないはずの音が、きれいな模様になって可視化されるのって、なんともおもしろいんですよね。

 

音で振動する板の上に砂をまいて、音程によっていろいろな模様を作る実験をしました。
周波数によって変化する模様のパターンを洗い出してリストにします。

RN_a_blog_photo06.jpg 

 

最後の「あ」の部分は文字を最初に型で作ってから、ある周波数の大きな音を出して「あ」を崩して違う模様に変えています↓

 RN_a_blog_photo01.jpg

そして逆再生にして前の映像とつなげて、模様→「あ」になる映像にしています。

RN_a_blog_photo02.jpg 

 

ガラスが割れる「あ」というクラッチでは、割ると粉々になる特性を持つ強化ガラスに「あ」という黒いステッカーを貼り、黒い背景の前で割った瞬間、亀裂の中に「あ」の文字がパッと現れるようにしています。

RN_a_blog_photo03.jpg

別カットとして、強化ガラスに亀裂が入るところ(音速より速い!)を撮るために、とにかくありえないくらいめっちゃ遅いスローモーションにできるという開発中のカメラをNHKの放送技術研究所から出していただきました。

 

つまりこういうガラスに入る亀裂とか、銃弾が飛ぶとこみたいな速いものは、ものすごく遅ーーーいスピードにしないと目に見えないわけです。

  

 まあ普段そんな一瞬を意識することが無いですから、音速より速いスピードで入っていく亀裂が撮れたときには、思わず撮影現場でオオッ!と歓声が上がりました。

 

なんでしょうね〜この感動..! 見えないものが見えちゃうワクワクドキドキ嬉しい感じ!

 

ちなみにこのカメラはいろいろ難しい理由により、一瞬しか録画できないため、ガラスを割る音に反応して録画ボタンが押され、その瞬間だけ撮れるという一期一会なシステムになっております。

RN_a_blog_photo05.jpg

 

私はもともと映像大好き!っていうタイプではなかったんですが、目に見えないものを見せることができるツールとして映像が便利だったので、映像を作る人になっているのかなとも思います。

 

人間が共通で持っている感情、理由もなくワクワク、ゾクゾクする気持ち、そこに何か普遍的な本当のこと、大事なことがあるような気がしてます。

 

科学的な現象を再現するのは、失敗の繰り返しで、いつもがワハハたっのし~い!!っていう感じの制作プロセスではないんですが、がんばって完成したものを見て、誰かがこのワクワク、ゾクゾクを感じたらうれしいなと思って作っています。