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あブログ

制作スタッフによる現場日誌

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おーい。とみながさーん。

IMG_2769.jpg
 
 
こんにちは。デザインあスタッフの白田です。
あれ、また白田か、、、と思った人、ごめんなさい。
この「あブログ」、番組に関わってくれている作家さんや、スタッフで持ち回りで書いてもらいましたが、1周してしまいました。ですので、これからは1周目では書ききれなかった、撮影の裏話や、皆さんに伝えたいステキな(おかしな)スタッフの話などを、私のほうからお伝えしていこうと思います。
もちろん、前回の笑い飯・哲夫さんのように、時には他の作家さんたちにも書いて頂く予定ですので、こちらもご期待下さい。
 
さて、今回はスタッフのお話です。
実は番組には、ブログに登場してもらった人たちだけでなく、とても沢山の人が関わっています。
表には決して出ないけど、ああ、この人たちに支えられているな、と思う人たちがいるんです。
 
そんなスタッフの一人、美術の冨永さん。
キャラクターのようなキュートな女性です。
トコトコトコ。
冨永さんが歩いているところを見ると、そんなマンガのような効果音を
付け足したくなるような、愛らしいたたずまいなんです。
 
冨永さんは、NHKのスタジオで撮影する時の大道具、小道具の手配をしてくれています。
そうですね、例えば、
「今回は3m×3mの白い壁と、2m×1.2mのテーブルが必要で、床も白いアクリルを3m四方で引いておいて下さい。」
とか、そんなリクエストを打合せ時にします。
基本は撮影前にバッチリ準備をしておきます。
 
しかし、撮影というのは必ず何か起こるもので、
思った通りにいかない、困ったぞ、アレが必要だ、ソレも必要だ、ということが突発的に起ります。
そんな時、私たちはこう声をあげます。
 
 
「とみながさーん。」
 
 
困った時だけ呼ぶのです。
 
 
「とみながさーん。ちょっとスタジオ来て下さい!!」
 
 
冨永さんは通常、撮影中はスタジオにいません。
だって、事前の準備は終わっていますからね。
他に担当している番組だったり、先々の準備やなんかでNHK局内の自分のデスクにいます。
 
そんな冨永さんをスタジオに呼び出して言うのです。
「とみながさん、あの壁に釘打って!」
「とみながさん、ドライバー貸して!」
「とみながさん、この小道具の時計の7時から10時の部分だけキレイにカットして。」
「とみながさん、なんかいいかんじのグレーの板ない?」
 
突発的なお願いだけに、よくわからないものもあります。
つい先日の撮影時も呼び出した冨永さんに、皆口々に言いました。
 
「いいかんじのさ、ガラスの、入れ物ない?」
「そうそう、強いガラス。水槽。水槽がいいですよね?水槽じゃなくてもいいか、入れ物で。」
「5個、いや、2個かな。」
「水槽だと、高さがアレですよね、もうちょっと低いほうがよくないですか?」
「アクリルでもいいですよね、それ切りますー?」
「いや、まてよ。もしかして、ちっちゃくてもいいんじゃないか?」
 
誰か、まとめようよ。
と、後になって反省するのですが、その時はアイデアを冨永さんにぶつけてしまいました。
 
「わかりました。ちょっと見てきます。」
トコトコトコ。
 
冨永さんは焦りません。
よくわからないオーダーも一旦うけとめてくれます。
 
この日も数分後に手にガラスのボックスを持って戻ってきました。
ありがとうございます。
 
スムーズに進んでいる時には呼ばれず、困ったときだけ呼ばれる冨永さん。
無茶な振りにも怒らずに答えてくれる冨永さん。
ああ、私も見習わないと。
 
トコトコトコ。
 
歩いてスタジオを出て行く後ろ姿を見ながら、心の中で誓うのです。
ごめんなさい。次からもっと万全に準備をしよう、と。
 
ち、誓うのですが、今日も私たちは呼んでしまいます。
 
 
「とみながさーん!!」