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制作スタッフによる現場日誌

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素材と身体

sozai_to_shintai.jpg

こんにちは。そざい体操第一を担当しています岡崎智弘です。 

 

そざい体操第一コーナーは、
かたいもの、やわらかいもの、様々な素材たちが
規定の体操をしていく映像です。
グニグニと曲がったり、パキっと折れたり、ベコベコになってしまったり、
素材ごとに様子がさまざまなのを観察します。

素材をコマ撮りアニメーションで動かすので
そのモノの、どの部位が頭か?胴体か?腕か?腰か?….
ここから曲がるんだなとか、すぐにボロボロになってしまうなとか、
「モノにとっての身体性」を見いだしながら映像を設計していきます。




ちなみに私は、
身体が、かたいです。
柔軟じゃありません。
(こどもの頃から)前屈姿勢で手の指先が足の指先にやっととどくかどうかです。
たまにマッサージ屋さんにいって身体をほぐしてもらうのですが、「異常なほどかたいですね…」といつもびっくりされます。
なんでも背中の骨を普通はぐいっと手で引っ張ると動くらしいのですが、それが私の場合はぜんぜんうんともすんともいかないらしいのです。




そんな身体で、長く細かいコマ撮りの撮影が問題なくできるのかと思いますが、
撮影の時は周辺にある沢山の触れて動かしてはいけないカメラやライトなどの機材などをぶつからずにうまくすり抜けます(結構自信があります)。

もし撮影の途中でぶつかってしまったら、
不要に画面が動いたりしてしまうため、また最初から撮りなおさないといけません。
絶対に触れてはいけない!と、
すごく思いながら動いているので、仮にぶつかりそうになった時でも、腕が触れる前に皮膚から生えている毛がわずかに先行して触れるのがわかって、それをきっかけに動きを止めることができます。
すごく集中できている時はそのような感覚になります。


辿り着いた先では、物を指先やピンセットで触れて動かしていくわけですが、
(身体が、かたいからなのか)同じ身体の体勢を毎回つくれる気がしています。
同じ体勢がつくれると、自分の目で見えている景色と、自分の身体のかたちと、動かす物と、それがある空間との距離の関係が、自分の中で基準を持って観測ができる気がしています。

つまり、規定の体勢から、胴体をどのくらいひねり、腕をどのくらい動かして、手首をどのくらい曲げた時の指先の空間位置についてを、身体という道具をつかって知ることができます。
そうすると、
物を理想的に動かすにはどう身体を使えばいいのか。
もしくはすでに置いてある物から、別の新しい物へと、同じ場所に置き換えるときなど、ぴったりと正しい位置へ置くための空間認識の精度が高くなります。


実はこのように、
撮影の時は自分の身体をよく観察しています。
すると、今度は
息のしかただったり、力の入れ具合だったり
そういった細々としたことも、どうしたら一番良いのか、意識するようになります。


映像をつくっているけれど、
身体についてのことをいつも考えています。




みなさんも自分の身体の動きや構造について、よく観察してみてください。
気がつかないところで沢山の工夫や判断をしていることがわかって面白いですよ。
あと普段何となく、モノに対して、このへんが頭で胴体、このへんが足だなと、人や動物と同様の身体性を与えて見ている時があるかとおもいます。
そういうことも、気にしてみると面白いと思いますよ。

あの解散

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 「解散!」は、身の回りにあるいろいろなものを分解して、バラバラになった部品を、要素別(色だったり素材だったり大きさだったり)に整理して並んだ状態を見てみよう!という状況を映像にしているコーナーです。よく知っているものでも、部品になって整列している状態を見ると、そのもののつくられかたや構造などが発見できて、いつもと見え方が変わるのが不思議なんです。

解散!はカメラで写真を一枚撮っては、被写体を手でちょっと動かして、また撮っては、ちょっと動かして・・・を繰り返して、集まった写真を順番に表示させて、動いているように見える映像をつくる「コマ撮り」という手法で制作しています。

映像をみたことがある人はわかると思いますが、たくさんの解散していくパーツがわらわらと動いたり、米粒のように小さなものが動いたりと、つくるのが大変じゃないですか??と、心配する声を聞くこともあるのですが、本人はとっても楽しくつくっています(本当です)。

解散!をつくるときは、モチーフをじっくり見ることをずっとしています。どんなものでも手にとってじっくり見ていると、いろいろな発見ができる面白みにあふれている気がしています。それは、どんなものにもです。

そんなふうに考えながら、解散していく一コマ一コマを、時にお米を立たせて並べたり、時に針金をぐにゃぐにゃ曲げたりしながら撮影しているときは、今まで気が付かなかった素材の質感や構造にわくわくして、心躍る思いなんです。なんども繰り返す作業のなかでも、毎回、本当にたくさんの発見があります。だから、つくっていてとっても楽しいんです。
じっくり見つめてつくることって面白いことだと思います。

そういう、「じーっと見てみる」ことって、何も解散!の撮影の時だけじゃなくても、いつでもできます。
たとえば、地面に生えている雑草があったら、それを時間をかけて見ていると、だんだん、茎の表面の筋が、葉っぱの内側が、地面にはいろいろな色や形の小石だったり小さな虫がてくてくと歩いていることを見つけるかもしれません。

家の中にあるものでも、学校にあるものでも、会社にあるものでも、どんなものでも、じーっと見ていたら
いつだって解散!みたいな発見がたくさん潜んでいると思いますよ。
毎日を、よく見て、手で触って、楽しみましょう!!