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あブログ

制作スタッフによる現場日誌

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  2. 2014年9月

しまう

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「しまう」のコーナーでは、その回毎に“しまい方”を1つピックアップして、
しまう動きを表す動くアイコンをつくります。
モノの「しまう」様子を、動くアイコンと照らし合わせながら紹介しています。
たとえば、“ひっこめる”の回では、スティックのり、カッター、カメラ、キャリーバック
それぞれについて、使っているシーンとしまうシーンを交互にじっくり見ていきます。

しまうシーンを撮影するときは、曲のテンポにあわせて、1・2・3・と数えながら
何度も“しまう”練習をします。
「うーん、今のはちょっと角度が浅かった、、もう一回。」とか
「だめだめ、もっと丁寧に、テンポ良く!」とか
さながら、ダンスの振りでも練習するような感じです。

「しまう」というのは、モノ(の形)と人(の動き)の絶妙なコンビネーションで成立しているようです。

ところで、モノって、使われている時よりしまわれている時間のほうが長い、ということもしばしばですね。
それ故でしょうか、しまうところをじっくり見ていく
危なくない、よごれない、かさばらないとか、またすぐ使えるなどなど、
とてもたくさんの工夫に出会います。

作った人がよーく考えたこと、工夫したことや、そこに込めた思いなんかを、
それを使う時にキャッチ出来たとき、
何だか、とてもうれしくなります。
以心伝心?(オッケー、こういうことなのねー!)
と、大きく手を振る気持ちです。

私たちの日常は、そんな喜びに満ちあふれているはずなのです。

 

クラッチのつくりかた

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いつも季節の変わり目くらいにクラッチのお話をいただきます。
あ の企画を考えることは わたしにとっては浄化のじかん。
毎日  あ、あ、あ、とつぶやいて街を歩きます。

ご飯を食べて  あ、あ、あ。
電車に乗って  あ、あ、あ。
お酒を吞んで  あ、あ、あ。

そしてひらめいて あ!

映像とデザインとあ  のむすび目を探すじかんはとてつもなくシンプルな作業で 
私の映像生活の浄化作業となります。

シンプルは人のこころを打つ 
デザインあ の 然
だと思います。

これからも 
シンプルな仕掛けで  見ているひとにちょっとだけ
 あ と言ってもらえるようなクラッチを作っていきたいです。 

パカパカ

「解散!」は日常にあるいろいろなモチーフを、1コマ撮っては動かし、また1コマ撮っては動かしを繰り返して動画を作っていく「コマ撮り」という手法で作られています。(ここでいう1コマというのは1枚の写真ことで、「解散!」では1秒作るのに10枚の写真を撮影します)
毎回、ディレクターの岡崎智弘さんが、試行錯誤しながらいろいろなものを動かしています。

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撮影用のカメラはいつも長いケーブルでパソコンにつながっていて、そのパソコンの中の「コマ撮り」専用のアプリを操作することが、僕の仕事の一つです。
そのアプリは、カメラのシャッターを切ったり、撮りためた写真を動画として再生したり、実にいろいろなことができるのですが、中でも一番多く使っているのが、撮影した前のコマと、これから撮ろうとしているコマを、モニター上に交互に映し出すという機能です。

「解散!」の撮影では「パカパカ」と呼ばれています。
モニター上で、前に撮ったコマと、これから撮るコマが、一定の間隔で「パカパカ」切り替わっているので「パカパカ」です。

この「パカパカ」を使って、これから撮ろうとするコマのモチーフを少し動かしてから前のコマと比べると、まるでそのモチーフがひとりでに動いているように見えます。こうして、そのモチーフをどのように動かしたら一番良いか、少しずつ確かめながら動きを作っていくことができるのです。

もちろん、「パカパカ」がないと「コマ撮り」できないわけではありません。
「パカパカ」がない時代から、先人達はいろんな工夫をして「コマ撮り」をしてきましたし、
昔から、そしていまでも、頭の中だけで動きを想像して「コマ撮り」する人もいます。

現に、岡崎さんも常に「パカパカ」を頼りに動かしているわけではありません。
動かすモチーフの特性やそのカットに必要な秒数などから、動きのルール(動き方や動く量)を決めて、
モニターよりも目の前のパーツをよく見ながら、もくもくと動かしていく場面もとても多くあります。

とはいえ、「パカパカ」はとても便利なので、「解散!」に限らず、いまではほとんどの「コマ撮り」の仕事の現場で使われています。
そして「解散!」の撮影では、パソコンの前の僕たちも、じっと「パカパカ」を見ています。
「パカパカ」を見ながら、たくさんのパーツの中で動いていないものを見つけたり、急にどこからか出てきてしまったゴミを見つけたり、照明の変化を見つけたり、時には、モチーフの動きの軌道、動きの量、体勢の崩れなど、岡崎さんのルールから外れてしまったものを見つけたりしています。
僕はいつも、微力ながら動きを一緒に作っているという気持ちでパソコンの前に座っています。
そこは動きが今まさにできていくところを見ることができる特等席です。

今日もスタジオのモニターには「パカパカ」と映像が映し出され、
いろいろなものが、ちょっとずつちょっとずつ、ひとりでに動いていっています。

解散の裏側とフレームの外側のはなし

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私は「解散!」の撮影を担当していますので今日は撮影側からのお話。
「解散!」の撮影で一番に気に入っているのは#08の「くつ」です。
くつひもを通す穴がある箇所のパーツが外れて、下半身だけの生き物が登場します。(下段右写真)じたばた足踏みしている様子はなかなか愛嬌があって良いです。
 そして、私が作り手側としても気に入っているところがもう一つあります。
それはこの撮影が、ものすごく限られたスペースだったのにもかかわらず、とてもうまく日常の風景を写し撮ることが出来たというところです。
集団的自画自賛です。
上の写真をご覧ください。これ、実はブログ版だけの秘密、「くつ」撮影中の写真ですが、
玄関や廊下のセットがすごく小規模だということがお分かりになるかと思います。
玄関のセットはたったこれだけなのです。(当然、毎回作り込んだ大規模なセットは作れないし、撮影できる場所を探す時間はなかなかないのが理由です)
ただ、制限があるのは決して悪い訳ではありません。いかに工夫を凝らすかが私たちの腕の見せ所です。撮影担当の私たちはこの小規模セットから無理のないアングルを探し出して、そこで靴のアニメートが十分行えるか確認が取れると、今度は照明の番。照明さんがいかにも玄関らしくて、玄関をイメージさせる照明をセットします。
このセットには窓やドアの用意もないのですが、(上段の写真)何か四角に切り取られた光を地面に当てています。これが実際に撮影された写真(下段左下)をみると、何やら窓か、もしくは開いたドアから差し込んだような光が当たっている様に見えるのです。つまり写していない範囲にも玄関がある世界が広がっているように見せているのです。
「解散!」はスペシャル版以外すべて、いつも同じスタジオの中で撮影されています。
家の中やテーブルの上や、さわやかな朝、日が傾いてきた午後等のシチュエーションを作り出しています。うまく、いい角度から撮影出来たり、照明が狙い通りにセッティングできたりすると、カメラが写している範囲は狭いけど、写っていないところもイメージできるものです。見てくれる人の想像力もお借りして、映像の中の世界が出来上がっているとも言えます。うまく行く時は作り手の僕らだけでなく、見てくれる人もそう思ってくれるだろうと、何となく解ります。そういう時に僕は「やったぜ」と思いますし、なにもないスタジオから、一つの世界を創り出せることに魅力を感じているのです。