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あブログ

制作スタッフによる現場日誌

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  2. 2014年5月

人の目を借りる。

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デザインあは、デザインに関する様々な示唆に溢れており、とても勉強になるし、単純に見ているだけでも面白い番組だと思いますが、実は放送を見ること以上にもっと面白いことが裏に隠れているのを僕はここで自慢したいです。

完成された番組は、無駄がそぎ落とされて余分な情報が無いものが多く、その裏に隠れた作った人の発想や思考、人となりなどは深い部分までは感じにくくできているかと思います。
番組の1コーナーが出来上がるまでの過程には、数々の取捨選択などの意思決定があり、そこにこそ僕は面白い瞬間がたくさん潜んでいるのをいつも感じています。

その、放送では見ることができない裏の面白さというものは、企画や演出を選考したり決定する番組会議にあります。デザインあでは、僕が参加している限りでいうと、年に2回の全体会議や他にも幾度か定例会議などがあります。参加しているみんながそれを面白いと思っているかはさておき、ちょっとした判断を下す一言だったり、コンテの絵や注釈だったりを注意深く見聞きしていると、その人の思考回路が垣間見えて、その人の脳みそを経由してとらえた世界をちょっと見ることができるんです。その人の目を借りることができるんです。

極端な話ですが、その人がどうやって世界を見て、いままで取捨選択して生きてきたかを若干であるにせよ、感じることができるということです。
その借りた目でその世界を見れば、その人がいままで作ってきたものへの理解も深くなり、あわよくば、同じ考え方で新たなものが作れるということにもなります。

もし全く更新されない自分ひとりだけの世界を見ているならば、それは退屈だし飽きてしまいます。でも、掘り下げれば何か別の世界に辿りつくかもですが。

デザインの教科書みたいな人らに囲まれつつ、会議という色々な意見が生で聴ける場所、つまり人の思考回路が垣間見えやすい場所で、いろんな人の目を借りることができ、今までの自分の目を通した世界では気づかなかったような”思ってたんとちがう”新しい発見を見つけることができる機会に恵まれているというのは、有難いことです。

もしデザインに関して多少探究心があるならば、番組を見て感じ取れる範囲を深めて、テレビを通して見える世界から、もう少し突っ込んで裏側を詮索してもらえると、なにか新しい目で見える景色が広がっているかも、と思います。

照明ってなーに!?

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 「ひかり」と「あかり」みなさんはこの言葉の意味をどのように区別していますか?
えっ、いきなり、理科の問題???
“同じじゃないですか”と思う人もいると思いますが、いやいや、それは違います。
一言で云えば「ひかり」は自然から生まれてきたもの、その主役となるのが太陽です。
一方、「あかり」は人の手によって作られたものです。
私たち照明マンは、その言葉の意味にこだわりを持っています。

 主役となる太陽光は一体どんなものでしょう。
わたしたちの身近な存在であることは言うまでもありません、日中の太陽光はすべてを照らします。それは明るく、時にはまぶしく感じられます。
季節の移り変わりや一日の時間の変化によって、その表情が変わります。
真上から降り注ぐ夏の太陽光は、ギラギラと輝き、暑さをも感じさせられます。
冬の太陽光は、建物や人の影を長く延ばせ、ちょっと悲しくでもどこか暖かさを感じ取ります。
東から昇る太陽は、一日の始まりです。さあ、がんばろうという気持ちになり、つい拝みたくなってしまいます。(笑)
色の変化も様々、赤色や黄色と、オレンジ色といえば、西に沈む夕日がイメージされます。何処か寂しさを感じます。
見上げると、明るい空の色がだんだんと暗くなりやがて夜を迎えます。
夜になると太陽光は無く、闇の世界が続きます。月が出ていたらそれは微かな光です。
また、曇りや雨、雪の日は雲が太陽を覆い、その光は柔らかで影のないひかりになり、ときには冷たさをも感じさせます。
 さて今度は、みなさんの家の中へ入ってみましょう。
窓から入る太陽光はどうなっていますか?
部屋の中を明るくします。障子やカーテンから差し込む光は柔らかさを感じます。
居間、台所、寝室、玄関など部屋ごとに明るさは違います。当然、入り込む光によって部屋の印象が変わって見えます。
夜になると家の中は真っ暗で見えません。
そこで登場するのが「あかり」です。
 「あかり」は人に手によって作られたものと言いました。
その昔、人類は火をおこし闇の世界をなくしました。
灯明、ろうそく、行灯などを作りだしこれらが照明器具の走りとなったのです。
それが「あかり」なのです。
今日、わたしたちの生活が満たされているのは、もちろん“電気”が発明されたからです。その力は偉大で、無くてはならないものになっています。
そのおかげで暗くなっていた夜の部屋が「あかり」で照らされます。
かつて闇の世界であっただろう、わたしたちの街は今や車のヘッドライトが流れ、広告などのサインが点滅し、あらゆる「あかり」でライトアップされています。
「ひかり」と「あかり」、みなさんにはどのように感じられたでしょうか。

“しょうゆさし”から始まった「デザインの観察」はネジ、ふろしき、机、花、ボールに電動工具、和菓子、すし、などなど、いろいろなテーマが盛りだくさんです。
撮影をしている私たちも、いろいろなテーマに出会いカメラを覗いて観察していくうちに新たな発見に遭遇します。次にどのようになるか、楽しみにもなります。
デザインの観察はテレビスタジオで撮影しています。
白い背景に被写体をおき撮影していきます。照明はというと、柔らかなあかり、太陽光が障子を通して差し込むように照明をしています。
明るく柔らかなあかりが包み込み、被写体の表情をとらえます。
その被写体の持つ表情を最大限に生かすこと、つまり、映像を通して伝えることが“観察”における照明の役割です。
 “画家は白いキャンバスに描く”、“照明マンは黒いキャンバスに描く”と古くから言われています、白いキャンバスに絵の具で描いているのに対して、照明マンは黒い、つまり“闇”の世界に“あかり”を使ってその情景を表現しているのです。

 照明をすることは、「あかりでデザイン」することなのです。
みなさんも「ひかり」や「あかり」に触れて見て下さい。
何か新しい発見がありますよ。

 

デザインの見学

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 これまで「首都高速道路」「入り口」「地面」などのテーマでいろいろなカタチを見てきた「デザインの見学」。わたしはこのコーナーのロケハンや取材、撮影などを担当しています。

 このコーナーを製作する際に必ず意識しているのが「目を肥やす」ことです。1つのテーマが決まりいざ製作となると、そのテーマに関する情報をネットや書籍などで調べ上げ、実物をとにかく数多く見に行きます。

例えば「テーマ:地面」の撮影にかけた時間は下見を含めて20日間。これ!といったデザインの地面を探し続けて、東京から神奈川・埼玉・山梨・静岡まで足を伸ばしました。中でも一番苦労したのは“草むら”です。撮影時期の2〜3月初旬、東京はまだ寒く、緑の草はろくに生えていなかったのです。
ではどこなら?ということで、気がついたら伊豆半島の先端まで行ってました。(実は、その3日後くらいから東京が急に暖かくなり近所でもよい草むらが撮影できたんですが…)

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 1つのテーマ、地面だったら地面で目を肥やしていくと、“良い地面”“悪い地面”がわかってきて、さらに肥やすとどこに良い地面があるか、勘が働くようになるんです。
そこまでくると“素材探し”はとても楽しくなります。(オタクの境地?)

そんなオタクの境地で撮影された素材が、編集で「デザインの見学」に変身し、オン・エアーされているのです。