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制作スタッフによる現場日誌

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驚き、うなりつつ、語る  渡辺篤史さんの「もん」

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コーナー「もん」のナレーションは俳優の渡辺篤史さんです。言わずと知れた、“褒め”の名手。「もん」でも、「すごいですね」「お見事!」など披露していただいています。
渡辺さんはプライベートでも たてものが大好きだそうで、収録の度に、最近見に行ってきた建築物の写真を大量に(笑)見せて下さいます。
そして、もうひとつお好きなテーマが、デザイン。
「もん」の打ち合わせでは、作図方法やかたちの由来についてディレクターに熱心に質問しては、「なるほどね-。すごいね!」「まいったね!」「いやはや」と、感激がとまりません。 

じつは「もん」のナレーションは、不思議な立ち位置から発せられています。
「二つの円を交差させるんですね?」と、まるで絵師さんのとなりに座って描く過程をのぞき込んでいるかのようなセリフは、渡辺さんが読むと、いっしょにわくわく作図をみているような気持ちにさせられます。
同時に、
「二つの円を交差させるんですね?」は、作図方法の解説でもあります。次々とでてくるCGの円や線は、渡辺さんの語りをとおしてはじめて、意味を持つ動きになっていくのです。 

もんを描き出す技に驚き、感心してうなりつつ、同時に要点を語る、という至難のナレーションが成立するのは、渡辺さんご自身のわきあがる興味と理解によるものです。
「円と線で、森羅万象を描き出すにっぽんのもん。車とりどりのかたち、頂きました。」
という締めの決めセリフは、こちらが書いた原稿ながら、その味わい深い調子と説得力に、録音スタジオにため息がもれます。 

収録が終わると、「楽しかった~♪」とおっしゃりながらスタジオを後にする渡辺さん。
今回も、唯一無二の語り、頂きました。 

映像を通して出会えるもの

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こんにちは。
「デザインの観察」や「クラッチ」「うた」を担当しているおムすびです。

私たちは映像をつくっているチームなので、面白そうだな、とか、これについて掘りすすめると楽しそう、とかいうことと同時に、それを映像にすることに意味があるのかないのかを常に考えています。
デザインに関してもそうですが、映像にした時にもっともっと面白くなりそうなもの、映像にすることで新たな発見があるもの。
基本的にはプロダクトデザインという括りの中でそれを探り当てることはなかなかハードルの高いことではあるのですが、映像だからこその面白さを必ずどこかに入れ込みたいと思っています。

前回の観察で制作した「定規」は、「単位」から「測り」最終的に「定規」へと絞られていきました。
単位を映像で表現することはとても面白そうだったのですが、単位の世界はとても広くて、どこまでをどう表現するのかという課題が出て来たからです。
このことは観察の構想を練っていく中で良く出てくる行程だと思います。
あんまり広すぎても、かと言って狭すぎても成立させるのが難しく、ちょうどいい頃合いのものに行き着くまで最初のヒラメキを出発点として絞り込んでいきます。
もちろん、どこにも行き着かずお蔵入りになった案もいくつもありますが、そんなふうに掘り進めていくことが多いように思います。

マクロやハイスピード、コマ撮りで見えてくる世界観は映像を通さないと出会えないものです。
映像を通して観察したとき、いつもそばにあるモノに別の側面があることを、わたしたちもいつも発見させてもらっています。
それはいつだってとても楽しくて嬉しい発見です。

 

*「デザインの観察 定規」は、4月29日「デザインあ5分版」で放送予定です。ぜひご覧下さい。
  「デザインあ5分版」 4月29日(月)あさ7:25~7:30 Eテレ

 

「うごきのデザイン」と「きせる」のつくりかた

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「きせる」はパンツ一枚のキャラクターを、アンガールズのお二人があれこれと相談しながら、
時、所、場合に応じた服装を着せていくというコーナーです。
実はこの「きせる」に出てくるキャラクターは、赤い人が活躍する「うごきのデザイン」に登場する黒いスーツを着たその他大勢の脇役の一人なんです。脇役に焦点をあてた、いわゆるスピンオフ的な作品なのです。 

「うごきのデザイン」では 赤い人と沢山の黒いスーツの人たちによる様々な「どうせん」をアニメーションしていくので 結構たいへんな作業となります。
ほとんど1、2カットで話が進められていくので 場当たり的に作業を進めていくとタイミングがずれたり、整合性がとれなくなって お話が分からなくなってしまいます。
なので、いつも全体のアニメーションの流れを頭の中でイメージしてから、作業に入るようにしています。 

一方「きせる」のキャラクターは、一人か二人しか登場しませんが、お話が着せ替えごっこのようなものなので、下着から順番に色々な服を着せていかなければなりません。
靴やジャンパー、ズボンやリュック、帽子など様々なアイテムをぜんぶ3Dでモデリングして、実際の着せ替え人形のように、キャラクターに着せていくのです。
ストーリーを考えるとき、このモデリング作業のことを考えずに、ちょっと大変な服装や、アイテムを設定してしまった時は、ちょっと後悔してしまうこともあります(笑) 

実は赤い人も、いつも同じ服装ではなく、マイナーながら色々なファッションを着こなしています。
どの赤い人がどんなエピソードだったか、思い出してみてください。

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「制作」というお仕事

こんにちは!
「デザインあ」制作スタッフの中山です。

「デッサンあ」や「かたち」、「なに鬼?」というコーナーを担当しています。

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さて、この番組には各コーナー毎にたくさんのスタッフが関わっていますが、
私はその中でも「制作」と呼ばれる仕事をしています。 

一言で「制作」と言われても、
どういう仕事をしているのか、よくわからないですよね。
実際、家族や友人、違う業種の方などに
「で、何をやる仕事なの?」と聞かれることが良くあります。 

「う~ん、一言では言えない…」と、
いつもごにょごにょとしてしまいますが、、、 

撮影するテーマやモチーフを考えたり、
そうして考えた撮影テーマについてリサーチをしたり、
ロケ地(撮影場所)を探したり、
小道具を買いに行ったり作ったり、
撮影するための方法や仕掛けを考えたり…
仕事内容はじつに様々なのです。 

撮影のテーマやモチーフは毎回変わるので、
ひとつのことに「あ~すごく勉強になったー!詳しくなったー!」と思っても、
次の撮影ではまた別のことを1から勉強したり考えたりしなくてはいけません。 

でも私は、それが毎回とても面白いなぁと思っています。 

大変なこともたくさんありますが、
撮影本番の日は、
コツコツと準備したことへの「答え合わせ」のような気持ちで、
上手くいくかな?どうかな?と思いながら
スタッフの皆さんと撮影をしています。
そして、そうやって撮影をしている時が一番楽しいのです。 

もちろん表現の正解はひとつではないので、
もっとこうすれば良かったかな?と思うこともしばしばありますが、
それもまた「制作」という仕事の面白さなのでは?と思いつつ、
今日も新しい撮影テーマやモチーフに取り組んでいます。

 

「かたち」撮影解説ミニレポート!

前回の細金さんの投稿ご覧になりましたか。驚きですよね。「かたち」のコーナーはCGではないのですよ。
え、「かたち」コーナーを見たことない?そんなあなたはぜひEテレの2/23とBSプレミアムで2/28放送される、
「かたち」一挙7本放送スペシャルをご覧くださいね。
(その後も「かたち」のコーナーは度々放送されますのでお楽しみに) 

私はいつも「かたち」コーナーの撮影をしている者でして、その他に、「解散!」や「ポスターフライト」等の撮影もしています。
ですので今回は、撮影スタッフの目線から、みなさまにこのブログだけのメイキング写真をご覧に入れつつ、
どのように「かたち」コーナーが撮影されているのかをご紹介します。

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上の①の写真は「ライト」の回のメイキング写真です。
ライトのまわりに照明機材がたくさんセッティングされていますね。そして、②が実際放送に使用される、カメラで撮影した写真です。
ライトスタンドだけど見方を変えると工事現場の巨大クレーンにもみえますよね。撮影するにあたって、まず細金さんと一緒に、面白い形を探します。
顔に見えたり、行ったこともない惑星の地形に見えたり・・・。日常で見慣れている、ありふれた物でも、見方を変えると今まで気づかなかった面白い表情を持っている事に気づきます。

カメラで撮影するアングルが決まったら、このオブジェにたくさんのライトを当てます。それもただあてるのではなく、
このコーナーの音楽にあうような光のあたり方を探すのです。たとえば、低音のドスっというような音だったら下から当てたり、バーンと、広がるような音なら広い範囲にあてたり、固そうなカリカリっとした音だったらモノの輪郭だけにあたる細かい光にしてみたり。多い時で9種類ものあたりかたを探さなければいけないのでアイディアが尽きて時々途方にくれますが、苦労した末、音にはまるカッコいい当て方を発見すると並々ならぬ達成感を得て興奮します。周りから見ると遊んでいるようにみえるかもしれませんが、とても真剣です。

 セッティングされた照明はアプリケーションのプログラムに従って音楽に合わせて光出したり消えたりするようにコントロールされます。③の写真を見てください。音ゲー(音楽ゲーム)のトラックのように、照明が光るべきタイミングがプログラムされています。画面上のグラデーションが照明の明るさを現しており、一つの区切れが1/30秒の絵になります。驚きだと思いますが、実はカメラの動きも照明も、1秒を30コマに分割し、コマ撮りアニメーションのように一コマずつ静止させて撮影しています。(もちろんカメラの動きもコマ撮りです。)いわゆるムービーとして撮影している動画ではないのですよ。30回精密に、だんだん明るくしたり調整することで音楽に連動してぴったり合うのですよ。

いかがでしたか?少し難しかったかもしれませんが、これを読んで「かたち」のコーナーを再び見ると、また見方が変わってくるかもしれませんね。このコーナーをみて一緒にワクワクしてくれる人がいたらとても嬉しいことです。

 

じっくりみてるとしくみがわかる、しくみがわかると景色がかわる

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11月から始まった「なに鬼?」皆さんご覧いただけましたでしょうか?
タイトルの通り、鬼ごっこをしている様子をじっくり観察してもらい、ルールを想像して何の鬼ごっこをしているのか考えるコーナーです。 

アイディア自体はもう2年近く前、「デザインあ展」のテーマのひとつである「しくみ」について話し合っていた時でした。
保育園くらいの小さな子どもたちが広場で遊んでいる様子を眺めていたのですが、
カラフルな帽子をかぶった子どもたちはあっちこっちと動き回り、その動きはまったくランダムに動いているように見えました。
ところがしばらく見ていると、あれ?
左側のグループはおままごと、右側の大きなグループは鬼ごっこをしてる。あの子が鬼だな、なに鬼だろう?ああ、手つなぎ鬼か!
という具合に、さっきまでの混沌とした景色が、にわかにはっきりと秩序を持って見えてきたのです。 

一見偶然にも見える小さな動きやタイミングが、連鎖したり繰り返されていることに私たちが気づいた時、
それはルールやしくみという、意味のある一連の動きとして見えてきます。
そして、それが見えてしまった前と後では、眺めていた景色が全く違ったものに感じられるのがとても面白かったのでした。
残念ながら「デザインあ展」では別のアイディアが採用されましたが、ディレクターの白田さんはそれを温めておいてくれました。

さてそんなところから生まれた「なに鬼?」。
TVプログラム内の1分ほどの尺の中で、じーっくり見ることは難しい、
どうすれば、できるだけ効果的にかつ分かりやすく、
「じっくりみてるとしくみがわかる、しくみがわかると景色がかわる」感じが味わえるのか。
プロデューサーさん、ディレクターさん、制作の方々とあーでもないこーでもないと試行錯誤しながら制作しました。
タイトル「なに鬼?」も明るく前向きな感じで問いかけてもらえたら、とナレーションは増田明美さんにお願いしました。
そしてまだ若干試行錯誤の途中ではあります。

他にも
自分たちで鬼ごっこをしてひどい筋肉痛になったり、ロケが悪天候続きで制作進行さん泣かせだったり、
書きたいことはいろいろありますが、それはまたの機会にお伝えできたらいいかなと思います。 

 

そして最後に
ちょっと気づいたことを。
「なに鬼?」とというこのコーナー、実は子どもと大人の温度差がすごいんですよ。
試作の段階で何回か人に見せる機会があったのですが、
大人たちにはなかなかわからない時も
子どもたちは、なに鬼なのか秒速でわかってしまい、我先にと答えてくれます。
アニメーションの黒い丸を指さして、これ俺だ!とか。
黒い丸が自分に見えるって!いや、そう思ってくれるのは本望です。嬉しいです。
つくづく鬼ごっこは子どもの領分なんだなあと実感したのでした。

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作り方がインターフェイス

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こんにちは、「かたち」のコーナーを担当している細金卓矢です。
番組でまだご覧になったことがない方のために簡単に説明すると、あらゆるものにサーフェイサーというグレーのスプレーを吹き付け、色や質感を均一にしたものをライティングを変えながら撮影することで物の形だけをよく見てみよう、というコーナーです。


子供のころプラモデルを作っていて、塗装する際に下地としてサーフェイサーというものを塗るという知識を得ました。
しかし、その当時から「本番の塗装がされた状態より下地のグレーのさらさらした感じのほうがかっこいいよなぁ」と思っていました。
現実の車などはツルツル、テカテカしているものがほとんどなので、そこから光沢を奪われた姿が異様で印象に残ったのだと思います。

その後、3DCGソフトを触るようになると、テクスチャという質感を決めるデータを指定するまえの状態がサーフェイサーを吹いたプラモデルにそっくりということに気づきました。
ソフト上で形を作っていく上で最も形を把握しやすく、「質感がまだないことを表す質感」として灰色のマットな質感が適切だと多くのCGソフトの設計者に考えられているのだと思います。
こうした発見からいろんな物をサーフェイサーを吹いてひたすら撮る、というミュージックビデオを考え、制作しました。そのミュージックビデオを作っている間に物たちの形についての発見がたくさんあったため、「これは『デザインあ』でもアプローチを変えれば物を観察する上でよい手法になる」と考えて「かたち」のコーナーが生まれました。
そのミュージックビデオはいろんな物を一度に登場させ、配置の仕方や光の当て方で構図の美しさを見せていく、というコンセプトでした。カメラも固定で動きません。
一方で「かたち」のコーナーは被写体となる物はひとつに絞り、カメラも動いていきます。いろんな角度からひとつの物を徹底的に観察するというアプローチです。ものの形によりフォーカスするために色も基本的に排しています。

この手法を説明をせずに見た人からは「CGじゃないの?」と、実写であることに気づかない人がたくさんいます。
CG
ではない、ということを教えたうえで「CGでいいんじゃないの?」という意見もありました。確かに「CGの見た目のように現実の物体を撮る」という目的からすると理屈の上ではCGでも同じものを作ることは可能だと思います。
CG
であれば塗料の塗りムラやホコリ、ライトを置けない位置(カメラから映ってしまうため)に悩まされることもありません。

 

 

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赤い人について私が知っている二、三の事柄

今回の「うごきのデザイン」は「自動改札」です。

台本をつくるにあたり、早朝の駅の風景を思い浮かべていたら「牛乳とあんぱん」で、
頭の中がいっぱいになりました。

右手に「牛乳」。
左手に「あんぱん」。
向かうは世間という名の大海原。

進め赤い人。
負けるな赤い人。
閃きまでもう一息だ。

 

FONT BAR

例えばウイスキーバーでウイスキーを注文する時、スコッチ、アイリッシュ、ジャパニーズなど、ざっくりとしたジャンル分けは何となく分かりますが、仔細に見ていくと、素人にはなかなか違いが分かりません。
フォントの場合、明朝体、ゴシック体など、ざっくりとした書体のジャンルは理解していても、さらに似たようなフォントの微差の領域に話が及ぶと、どれも同じに見えてしまいます。

お酒の場合、「マスター」がいることで、お酒がよりいっそうおいしくなることがあります。
卓越した知識と話術で、繊細な味の違いを解説し、頼んだ客が、自分のイメージにぴったりのお酒だと感じることができるからです。
フォントはお酒ではありませんが、微差を楽しむ、という点では共通しています。どこか嗜好品に近い、マニア心をくすぐる何かがあるのかも知れません。日常の仕事や友達にメールを送るような場面で、自分の気分や伝えたい気持ち、内容に応じてフォントを使い分けられたら、とても粋だし、素敵ですよね。

もしも、バーで提供するのがお酒でなくフォントだったら。マスターが超フォントに詳しかったら。そんな妄想の果てに実現したのが「FONT BAR」の世界観です。抽象的なSF空間は、アニメを作ったミズヒロさんの素晴らしいアイデアによるものです。

また、フォントの取材にあたっては、両見英世さんはじめ、タイプフェイスデザイナーの方々に大変お世話になりました。実ははじめ、「初恋の味」を明朝体で表現する、というお題を設定していたのですが、「游明朝は学級委員長」「筑紫明朝は芸術肌」「石井オールド明朝はタートルネックがよく似合う」などなど、私の想像をはるかに超える濃密なフォントークを繰り広げていただきました。この場を借りてお礼申し上げます。

最後に、NHKには、「NHK明朝」と「NHKゴシック」なるものが存在します。あまり私も使用したことがありませんが、もし見つけたら密かに萌えていただければと思います。
 

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ディレクター 池田拓郎

Eテレ「デザインあ おとなスペシャル」
再放送 2018年1月6日(土)前0:30~*5日深夜 

モノの向こう側を想う

「おとなスペシャル」の「デザインの観察」では、使い終わったモノを、資源としてもう一度使う方法=リサイクルを取りあげました。コーナーの最後にOECD加盟国のリサイクル率を示しましたが、日本は25位と決して高くありません。

どうすれば、リサイクル率を向上させることができるのでしょうか?

そのアンサーの一つが、番組で放送した「捨てたあとを考える」デザインの数々。「環境配慮設計」という名前で呼ばれているものの一つです。
番組中で登場したした、素材を統一する・簡単分解できるといった視点で製造された商品のほか、環境に優しい素材を使ったり、だるまのようにリサイクル素材を用いてものづくりをする、などといった観点から商品を設計します。ゴミを捨てる段階ではなく、生産の段階からゴミになったときを想像してアプローチをすることで、リサイクル不可=焼却処理・埋立となるモノを減らす。モノの循環そのものをデザインすることの重要性を伝えたいと思い、構成に組み込みました。

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製品の評価のしかたにもこれまでとは異なる視点が入ってきています。「性能」と同じぐらい高い水準で、「ライフサイクルアセスメント」が重要視されています。

一つの商品を、原材料の調達から、生産・流通・使用・廃棄に至るまで、モノのライフサイクルを、「どんな原料を使うか」「環境への影響はどうか」「労働力の搾取はないか」といった視点から評価をする手法です。製品がどのような経緯を辿って店頭に並んでいるのかを、大々的に公表している企業も出てきています。
ライフサイクルの視点を持って消費を行うことが、広くは社会貢献につながることを指し、最近は「エシカル(=倫理的な)消費」と言う言葉なんかもあったりします。

モノは、私達の手を離れたら、「資源」になります。私たちは、そのモノを所有する一時的な権利をお金を使って行使しているに過ぎません。
使い終えたモノは再び社会へと還元する必要があります。たとえば、家に眠っている昔の携帯などには、無数のレアメタルが眠っています。現在は母数があまりに少なく、採算が取れないためリサイクルの対象になっていませんが、一人ひとりが意識を変えることで、リサイクルの土俵に乗ります。レアメタルを自国で生産できるようになると、アフリカやインド、中国などで行われている、劣悪環境下での採掘や、基盤解体に割かれる児童労働を削減することにつながると考えられています。

生産者と消費者が、お互いにほんの少し、モノの向こう側を想像する。これだけで、リサイクル率はぐいっと上がると言われます。

取材を通じて、私は普段の生活態度がすっかり変わってしまいました。


ディレクター 池田拓郎

 「デザインあ おとなスペシャル」
再放送 2018年1月6日(土)前0:30~ *5(金)深夜
Eテレ