短歌の時間 過去の作品

2020年05月19日 (火)

5月19日(火)放送「短歌の時間」

入選歌

父よりも長くは生きているものの五月の空に越されぬ背中(仙台市太白区 畠山正博さん)

春なのに行くな来るなのコロナ禍よ手作りマスクに腕をあげしか(仙台市太白区 千葉洋子さん)

一錠の薬も生きる糧として三密守るタケノコぐらし(岩沼市 西尾律子さん)

理屈では分っていても女房に言われ腹立つ己が小ささ(東京都北区 破れ蓮さん)

休校が僕を悩ます初めての公民だけが解けない課題(仙台市青葉区 横溝惺哉さん)

 

添削歌

【原作】窓開けて日なたぼっこをしているとすずめ寄って来て話し掛けおり

【添削】窓開けて日なたぼっこに寄り来たるすずめは声を掛ければ応う

~添削ポイント~

短歌表現は日常を加工することです。

観察したことをドラマチックに表現できないかいろいろ試しましょう。

投稿者:ゴジだっちゃ!スタッフ | 投稿時間:18:51 | 固定リンク


2020年04月28日 (火)

4月28日(火)放送「短歌の時間」

入選歌

志村けんアッという間に亡くなって心の整理つかぬままです(仙台市太白区 真田義子さん)

捨てかねた端布手にしてふと見ればテレビに映る手作りマスク(岩沼市 西尾律子さん)

定年で望んだ暇を持て余す無いもの強請り人はするもの(千葉県木更津市 安田蝸牛さん)

目覚めればすぐに隣りを探す癖空しき朝のうつつに戻る(仙台市泉区 佐々原洋子さん)

大川の上り下りの船の水脈ふと口遊む廉太郎の歌(栃木県大田原市 薫風さん) 

 

添削歌

【原作】竹の子の秘密の場所へまた今年音のせぬよう素早く獲りし

【添削】竹の子の秘密の場所にまた今年音のせぬようひそと掘りゆく

~添削ポイント~

「出向く」ところか「収穫する」ところかを明確にしましょう。

今回は結句の「収穫」している状況に重点を置いて詠みました。

投稿者:ゴジだっちゃ!スタッフ | 投稿時間:18:47 | 固定リンク


2020年04月14日 (火)

4月14日(火)放送「短歌の時間」

入選歌

関東に住む祖父母にも会えぬままコロナ禍の中高一になる(仙台市青葉区 横溝麻志穂さん)

春深しれんげ畑に首飾り編む少女には戻れぬ現実(兵庫県明石市 小田和子さん)

九年前襲う津波に失せし町カーナビはまだ無き道示す(仙台市青葉区 柏木ぽてぽてさん)

山ほどの過去の恥とか未練とかどうでもいいと笑う満月(東京都板橋区 汐海岬さん)

時代など選ばぬ桜 桜にはこんな時代といふものあらず(多賀城市 渋谷史恵さん)

 

添削歌

【原作】逃げ水を追ひかけ少年たち走る里の真直ぐ伸びたる農道

【添削】逃げ水を追ひかけ走る少年たち真直ぐ伸びたる里の農道

~添削ポイント~

様々なことばの組み合わせを声に出して試しましょう。

よりわかりやすい、より滑らかな順番を探しましょう。

投稿者:ゴジだっちゃ!スタッフ | 投稿時間:18:40 | 固定リンク


2020年03月31日 (火)

3月31日(火)放送「短歌の時間」

入選歌

老いぼれも不要不急は気にかかる球春何処へ五輪は何処へ(名取市 三丁目のシュウジさん)

我が部屋に犬の入り来て夜をともに軒より落つる雨を聞きつつ(東京都目黒区 さんかくさん)

声出してコラム読み出す朝仕事呆けない私の楽しい秘密(岩沼市 西尾律子さん)

赤々と梅林を染め陽の沈む白杖の人しばし佇む(東京都大田区 素人さん)

一本の線香点けて経を読む朝のならわし古希の我に課す(柴田町 尾形和子さん)

 

添削歌

【原作】玄関に活けし花瓶の菜の花に元気をもらい今日も明るく

【添削】玄関に活けし菜の花の声なるや振り向くわれは微笑み返し

~添削のポイント~

日常を歌う短歌はドラマ仕立ての意識が大切です。

より工夫をこらした展開を加えるようにしましょう。

投稿者:ゴジだっちゃ!スタッフ | 投稿時間:18:50 | 固定リンク


2020年02月18日 (火)

2月18日(火)放送「短歌の時間」

入選歌

入院の妻の日頃の仕様まねシンクを磨いてひと日を終わる(埼玉県久喜市 粟井双仙さん)

三日間悩み仕上げた履歴書の余白に光る野心と祈り(東京都板橋区 汐海岬さん)

春コート着て華やげるマネキンに何の屈託も不安もあらず(多賀城市 渋谷史恵さん)

小恙(しょうよう)と侮り難し春の風邪迂闊に引いて長く患ふ(千葉市 松田少納言さん)

ラジオから聞こえる歌に時止めて思い出たどる恋の一ページ(仙台市太白区 真田義子さん)

 

添削歌

【原作】老いたるかとみに増したる悪夢の夜せめて良き夢願掛け寝つく

【添削】老いたるかとみに増したる悪夢の夜さあ良き夢よと早めの晩酌

~添削ポイント~

動詞が連続するような畳みかける急いだ表現を避けましょう。

動作の過程を膨らませることで歌に味わいが出ます。

投稿者:ゴジだっちゃ!スタッフ | 投稿時間:18:30 | 固定リンク


2020年01月28日 (火)

1月28日(火)放送「短歌の時間」

入選歌

南天も千両もみな食べつくすなにかがおかしい小鳥がこない(奈良県御所市 中村宗一さん)

初売りは詰め放題のはしごしてストレス発散出だし好調(仙台市泉区 ゆっきぃーさん)

物心つきし頃にはいぬ母の乳房はいかに笑顔はいかに(京都市 伏見のみっちゃんさん)

ミサイルのスイッチを押す地球人めげずに照らすベランダの月(仙台市太白区 斉藤栄子さん)

初霜の屋根に朝日の昇り初む暖冬だとて今朝の厳しさ(千葉県木更津市 安田蝸牛さん)

 

添削歌

【原作】近づきてすれ違ひては離れゆく麦踏む夫婦夕陽が染める

【添削】近づきてすれ違ひては離れゆく麦踏む夫婦を夕陽が染める

~添削のポイント~

短詩型の作品は助詞は重要です。

字余りでも前後の繋がりを曖昧にしないようにしましょう。

投稿者:ゴジだっちゃ!スタッフ | 投稿時間:18:44 | 固定リンク


2019年12月24日 (火)

12月24日(火)放送「短歌の時間」

入選歌

空に発つ赤き風船受け止めし冬木立にも遊びのこころ(兵庫県明石市 小田龍聖さん)

パソコンの賀状印字を削除してせめて黙とう喪中はがきに(名取市 三丁目のシュウジさん)

前向きに生きてつきたる向こう傷数々あれど痛みは軽し(愛知県常滑市 まさしさん)

師走の夜芹を根ごとに頬張れば湯気に七草春の幻(仙台市太白区 畠山正博さん)

あたりては死ぬかと思ひし日もあれどやっぱり牡蠣は生がよろしき(多賀城市 渋谷史恵さん)

 

添削歌

【原作】遡上した鮭力尽き沈んでる命の尊さ見る思いなり

【添削】遡上せし力尽きたる鮭ならん川に横たう尊き命

~添削のポイント~

言葉の取捨選択をしましょう。

「沈む」「見る」を削り、命にフォーカスを当てる流れにしました。

投稿者:ゴジだっちゃ!スタッフ | 投稿時間:18:15 | 固定リンク


2019年12月10日 (火)

12月10日(火)放送「短歌の時間」

入選歌

筆洗いバケツの中でゆらゆらと秋ひろがりて一色となる(仙台市泉区 ゆっきぃーさん)

俺にくれ底に小判の菓子折りを親類縁者誰も当てなし(大崎市 お茶飲み干す博士さん)

ストーブの上の薬缶が懐かしいあの古書店の跡地にマンション(兵庫県明石市 小田慶喜さん)

町角の祖母の家では真冬日もオレンジ色のおしゃべり満ちる(東京都板橋区 汐海岬さん)

あの日から願い届かぬ四十余年「めぐみ」声なく除夜の鐘鳴る(仙台市青葉区 末の松山さん)

 

添削歌

【原作】もう師走歳の暮れへと一直線おせち料理のチラシが目立つ

【添削】もう師走歳の暮れへと一直線おせち料理のチラシがたまる

~添削のポイント~

 短歌は呟きが発祥ともいわれます。

傍観ではなく作者自身の思いを感じさせる表現を意識しましょう。

投稿者:ゴジだっちゃ!スタッフ | 投稿時間:18:22 | 固定リンク


2019年11月26日 (火)

11月26日(火)放送「短歌の時間」

入選歌

紅葉と秋の青空閉じ込めてカーブミラーは絵の如く立つ(島根県隠岐の島町 浜千鳥さん)

ポケットのどんぐり数えほっこりと明日へ続く夢のひとこま(仙台市泉区 岩松紀子さん)

一村の軒という軒柿すだれ日を追うごとに飴色を増す(東京都大田区 右田俊郎さん)

静けさをご馳走ならんと思うなり望まぬ音の多きこの世に(埼玉県久喜市 粟井双仙さん)

黄泉の国行って戻れるものならば亡夫の様子を覗き見したい(仙台市泉区 佐々原洋子さん)

 

添削歌

【原作】鍋焼きにすれば夫のにこにこと笑ひ厨房へと忍び込む

【添削】鍋焼きにつられて夫は厨房へそっと忍べど笑ひ隠せず

~添削ポイント~

なくても想像できる言葉は切ってみましょう。

そして、作品をより展開させる加工を試しましょう。

投稿者:ゴジだっちゃ!スタッフ | 投稿時間:18:22 | 固定リンク


2019年10月29日 (火)

10月29日(火)放送「短歌の時間」

入選歌

肌と肌ぶつかりあってノーサイド男が繋ぐ人生の機微(仙台市泉区 渡辺進さん)

ぽろぽろとこぼれるグチを笑いつつ故郷の道を母とお散歩(東京都板橋区 汐海岬さん)

信号は雨のうねりも赤く染め不気味な夜をやり過ごすだけ(名取市 森のみっこさん)

会ふたびに同じ話をする姉に優しくなれぬ我の空しき(仙台市泉区 佐々原洋子さん)

我が家には「京」の速さの百倍の頭脳は要らぬ電卓ひとつ(名取市 三丁目のシュウジさん)

 

添削歌

【原作】病床にて秋が私を追い越していつの間にやら秋が見えない

【添削】病床の私を秋が追い越していつの間にやら消えてしまった

~添削ポイント~

リフレインは技術のひとつですが、今回は同じ言葉を避けてみました。

短歌は状況そのままではなく、加工し展開させることも大切です。

投稿者:ゴジだっちゃ!スタッフ | 投稿時間:18:52 | 固定リンク


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