短歌の時間 過去の作品

2020年12月22日 (火)

12月22日(火)放送「短歌の時間」

入選歌

悴んだ両手で包む湯呑茶碗こめ研ぐ度に母の真似して(名取市 森のみっこさん)

特大のため息続く年の瀬に区切りをつけた小さなプリン(東京都板橋区 汐海岬さん)

深まりし雑木林のもののけがこれぞとばかり木の実喰みおり(仙台市泉区 岩松紀子さん)

若き日に腹いっぱいに食わざるを悔やむ秋刀魚と鰰並ぶ(仙台市青葉区 柏木ぽてぽてさん)

風荒るる師走の浜に虎落笛悲鳴とも聞こゆ慰霊の塔に(仙台市泉区 猪狩勝見さん)

 

添削歌

【原作】風なくも山茶花の散るつぎつぎとそしてまた咲くやり直すごとく

【添削】風もなく散れる山茶花つぎつぎとそしてまた咲く庭の賑わい

~添削ポイント~

言葉の運びが滑らかな方が仕上がりが良くなります。

今回は唐突な擬人法を避け、情景を鮮明にさせてみました。

投稿者:ゴジだっちゃ!スタッフ | 投稿時間:18:53 | 固定リンク


2020年12月08日 (火)

12月8日(火)放送「短歌の時間」

特選歌

残り香という語に艶を見てしまう私はいけない大人でしょうか(兵庫県神戸市 野添まゆ子さん)

黙々と夜の痕跡掃き終えて国分町を朝へとかえす(仙台市青葉区 佐々木敦子さん)

木枯らしに揺るる屋台の赤提灯寄らずに通り過ぎるは難し(東京都大田区 素人さん)

寒風をものともせずに咲いたビワ目立たぬように私のように(さいたま市 関根一雄さん)

世界史に残るであろう此の年の日記の締めに「我慢」の二文字(名取市 ふじさきしゅうじさん)

 

添削歌

【原作】りんご食む兄弟みんな大好きで話も弾みよく笑ったり

【添削】好物のりんご食みつつ兄弟の弾む話にいつも笑った

~添削のポイント~

何に向けた形容かを明確にわかりやすくしましょう。

「りんご」が「大好き」で今回は「好物のりんご」としました。

投稿者:ゴジだっちゃ!スタッフ | 投稿時間:18:39 | 固定リンク


2020年11月24日 (火)

11月24日(火)放送「短歌の時間」

特選

児同士の意見合わぬか声高に頃合い見たり祖母の助っ人(仙台市泉区 岩松紀子さん)

やうやくに津波禍映像見入る今まぼろしのごと時間すぎゆけり(気仙沼市 吉田ヨシ子さん)

傘寿過ぎまだ夢に出る青春の日本晴れあり乱気流あり(愛知県常滑市 まさしさん)

言いそびれた言葉は風にとばされて拾えないまま過ぎていく日々(仙台市太白区 さとかさん)

国難に振り回されて距離をとる終息したら密になろうよ(静岡県清水町 柳谷益弘さん)

 

添削

【原作】こたつ点けそばにまだ居た扇風機用がないならしまってよ

【添削】こたつ点けそばにまだある扇風機用がないならしまってほしい

~添削ポイント~

作品を通して主役と誰に向けた言動かが不鮮明です。

第三者に指示をするトーンを統一させましょう。

投稿者:ゴジだっちゃ!スタッフ | 投稿時間:18:34 | 固定リンク


2020年10月20日 (火)

10月20日(火)放送「短歌の時間」

入選歌

街路樹の朝な夕なの赤や黄の秋届けたる友の病室(仙台市泉区 岩松紀子さん)

もみ殻の中で冬眠したリンゴまたばあちゃんの思い出話(さいたま市 福多郎さん)

干柿の暖簾を仰ぎふるさとの浸み込むやうな寒さ楽しむ(兵庫県明石市 小田龍聖さん)

コロナ禍も猛暑の夏も台風も尋常ならざる今年の主役(仙台市青葉区 柏木ぽてぽてさん)

丑年は耐えて我慢の年なれど一歩踏み出す仙台初売り(名取市 ふじさきしゅうじさん)

 

添削歌

【原作】風に揺れコスモスなびき笑顔咲くふたりの間分け入るように

【添削】風に揺れなびくコスモス咲く笑顔ふたりの間分け入るように

~添削のポイント~

動作の重複は最小限にしましょう。

名詞を後に置いて動作を目立たなくしてみました。

投稿者:ゴジだっちゃ!スタッフ | 投稿時間:18:42 | 固定リンク


2020年10月06日 (火)

10月6日(火)放送「短歌の時間」

入選歌

日焼せし肌の寒さを感じつつ高き秋刀魚の一尾分け合ふ(兵庫県明石市 小田和子さん)

髪型をショートに変へて帰り来しはなやぐ顔の妻の立秋(仙台市青葉区 深谷みのりさん)

青春は雨に打たれて帰路二人小走りしながら楽しめる時(鹿児島県伊佐市 ももたろうさん)

ありったけ探すも出ないもどかしさ寸足らずだな我の語彙力(仙台市泉区 ゆっきぃーさん)

這い乍ら絡まり乍ら伸びてゆく連なり開くこぼれ朝顔(岩沼市 西尾律子さん)

 

添削歌

【原作】目に見えぬコロナに怯え目に見えぬ音楽に癒やされる日々日々

【添削】目に見えぬコロナに怯え目に見えぬ日々の音楽に癒されおりぬ

~添削のポイント~

短歌の定型に納める言葉選びを意識することが大切です。

言葉の順番の見直しを試してみましょう。

投稿者:ゴジだっちゃ!スタッフ | 投稿時間:18:40 | 固定リンク


2020年09月08日 (火)

9月8日(火)放送「短歌の時間」

入選歌

夜汽車行く音のみ聞こゆ枕辺にこほろぎ鳴き来て我を慰む(栃木県宇都宮市 おんたけさんさん)

濡れ落ち葉に成らない様に家事をする夫の矜持捨てたくはなし(千葉県木更津市 安田蝸牛さん)

食べられる実が減ってきたプチトマト抜き取る前に三粒味わう(埼玉県さいたま市 三毛猫さん)

六十五過ぎたる妻の横顔がやけに愛しい夏の夕暮れ(栗原市 風太さん)

庭先に育つ西瓜が只ひとつはじけそうなるこゑを待ちをり(仙台市太白区 斉藤栄子さん)

 

添削歌

【原作】限定のさんま定食だと書かれラーメンライスを急遽変更

【添削】貼り出されしさんま定食限定にラーメンライスを急遽変更

~添削のポイント~

短歌らしい言葉遣いの選択をしましょう。

見て感じたことに加工をしてみましょう。

投稿者:ゴジだっちゃ!スタッフ | 投稿時間:19:10 | 固定リンク


2020年08月25日 (火)

8月25日(火)放送「短歌の時間」

入選歌

七夕の飾り短く吊られても八月の風そっと寄り添う(柴田町 尾形和子さん)

灰色のため息ばかりついていた私を叱る急な雷(東京都板橋区 汐海岬さん)

抱き寄せる五歳の孫がカタコトにソーシャルデスタンスと逃げて行きたり(仙台市青葉区 柏木ぽてぽてさん)

一茎の葉らんのみどり神秘色色にたわむれ色に安らぐ(仙台市宮城野区 石川貞子さん)

一枚の皿にも命こもりおりひとりの卓に華やぎくれる(仙台市泉区 佐々原洋子さん)

 

添削歌

【原作】ちゃぶ台の冷えた生酒汗かいて妻が添え出す鮎の塩焼き

【添削】ちゃぶ台の冷えた生酒は汗をかき妻が添え出す鮎を待ちいる

~添削ポイント~

汗を掻くのは鮎を待つためにと繋げてみました。

一首のストーリーを切らないようにすることが大切です。

投稿者:ゴジだっちゃ!スタッフ | 投稿時間:18:26 | 固定リンク


2020年07月14日 (火)

7月14日(火)放送「短歌の時間」

入選歌

出来合いも偶には並ぶ食卓にひときわ光る妻のきんぴら(名取市 ふじさきしゅうじさん)

持っていけ持って行かぬと傘で揉め梅雨空呆れて雨をぽつぽつ(埼玉県上尾市 ホッと射てさん)

信号が緑になれば下校児は糸切れたごと一斉ダッシュ(仙台市太白区 畠山正博さん)

瑞嚴寺何を願うやかたつむり雨にうたれて参道のたり(島根県松江市 猫また伯爵さん)

さよならも言えず別れたコロナ禍のひとひと思ふマスクの涙(仙台市太白区 斉藤栄子さん)

 

添削歌

【原作】民宿に鮎解禁を待つ前夜廊下にまでも雑魚寝が並ぶ

【添削】民宿に鮎の解禁待つ前夜廊下に雑魚寝のわれもひとりに

~添削ポイント~

「までも」が無くても情景が伝わります。

傍観者ではなく、当事者表現を心掛けましょう。

投稿者:ゴジだっちゃ!スタッフ | 投稿時間:18:25 | 固定リンク


2020年06月30日 (火)

6月30日(火)放送「短歌の時間」

入選歌

気もそぞろ家路足早伸びる影路地の向こうにサバ焼く匂い(島根県松江市 猫また伯爵さん)

この地球実は回してゐるのかものんびりかんと山鳩のこゑ(多賀城市 渋谷史恵さん)

気を抜いたとたんぽろぽろ崩れだす肉じゃがの具とひそかな野望(東京都板橋区 汐海岬さん)

ささやかな幸せ見っけ紫のアサガオ一つ葉陰にそっと(仙台市泉区 佐々原洋子さん)

コロナ禍の暇な時間に手紙書き無沙汰の友の返事続々(福島県二本松市 あいらぶさん)

 

添削歌

【原作】ラジオより読み上げられる知人の名言いそびれをりお礼ひとつを

【添削】ラジオより読み上げられたる友の名に言わざるお礼を思い出したり

~添削ポイント~

「読み上げられる」のはいつなのか、今回はたった今で「られたる」としました。

「言いそびれ」がお礼であることをわかりやすくしました。

投稿者:ゴジだっちゃ!スタッフ | 投稿時間:18:59 | 固定リンク


2020年06月16日 (火)

6月16日(火)放送「短歌の時間」

入選歌

コロナ禍にあらゆる品が隣国に頼るうつつが身に沁みており(仙台市青葉区 柏木ぽてぽてさん)

桑の実を食べた証拠は指先に舌に笑顔にいつぱい残る(兵庫県明石市 小田龍聖さん)

掌に漬物一箸そっと取り味わい巡りしデパ地下いずこ(栃木県宇都宮市 おんたけさんさん)

葛切りやつるりと喉へ滑り落つ初夏を味はふその心地良さ(千葉市 松田少納言さん)

浮遊感ときおり寝床で見舞われる黄泉の世界に届きそうな夜(仙台市太白区 畠山正博さん)

 

添削歌

【原作】裏庭にどくだみの花咲き誇る臭いが強くあまり好かれず

【添削】花に寄り臭い拒まんどくだみの勢う季はまたも巡れり

~添削ポイント~

歌の焦点を花に集中させました。

どこで咲いたかなどの解釈は読者に預けました。

投稿者:ゴジだっちゃ!スタッフ | 投稿時間:18:38 | 固定リンク


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