風疹の最新ニュース

風疹の最新ニュース

50代オジサンが無料クーポンで風疹の抗体検査を受けた結果がわかりにくかったという話 2019年05月17日



去年の夏から「風疹」の流行が続いている。患者の実に8割が男性で、特に子どもの頃に予防接種の機会が無かった40代から50代が多い。つまり私(51)たちの年代だ。
問題なのは、妊娠初期の女性にうつしてしまうと赤ちゃんの目や耳、心臓などに深刻な障害がでるおそれがあることだ。私の職場には若い女性が多いこともあり、国が最近始めた無料の風疹検査というものを受けてみたのだが・・・
(取材:ネットワーク報道部 足立義則)

40,50代男性が風疹流行の原因?

なぜ40代、50代の男性に風疹患者が多いかというと、この世代、正しくは昭和37年4月2日から昭和54年4月1日生まれの現在40歳から57歳の男性は、子どものころに風疹の定期接種の対象になっていなかったからだ。

風疹のワクチン接種には保険がきかず、自腹で数千~1万円ほどかかる。安くない。自分たちの責任でもないのに風疹流行の原因みたいに言われるのは釈然としないし、そうでなくても仕事が忙しい。
そんな「行かない理由」ばかりあげていて重かったオジサンたちの腰を上げようと、厚労省はことしから約3年間、検査や予防接種の費用を「原則無料」とする制度を始めた。無料だ。
もう一度、無料だ。

(厚労省が作成した啓発資料も、私たちの世代をターゲットにしていることがよくわかる。)

子どものころ風疹にかかったっかな・・・?

風疹は、1度かかったら多くの場合、生涯かかることはないといわれている。しかし80代の私の母親に問い合わせても「かかったかもしれないねぇ」と頼りない。実際、子どものころ風疹にかかったと本人や親が考えていても、それは「はしか」や「リンゴ病」など別の病気だったというケースは少なくないそうだ。

しかし実は私は2013年に国内で風疹が大流行したとき、予防接種を受けた。もちろん実費で。

だから今回の流行は大丈夫と思っていたが、風疹について詳しい記者によると、「人によって1度の接種では感染を防ぐ『抗体』が十分じゃないことがありますよ」とのこと。ではその風疹の抗体というのが十分にあるかどうかを調べる「抗体検査」してもらうことにした。何しろ無料だし。

まずは区役所に電話で「クーポン券ください」

この「原則無料」制度を使うには、「クーポン券」というものが必要だ。厚労省のパンフレット(リンクはこちら)によると、今年度はまず47歳までの男性に、自治体からクーポン券が郵送される。
私(51)を含めてそれ以上の年代は、自分から住んでいる自治体に申し込んでクーポン券を発行してもらう必要がある。
ここが自治体によってまちまちで、東京都内でも世田谷区は4月から申し込みを受け付けているが、例えば渋谷区は5月から、中野区では7月からとなっている。このあたりでちょっとオジサン達が脱落するかもしれない。

(そもそも知らない人が多いかもしれないが・・・)


「(自治体の名前) 風疹 クーポン券」で検索して表示された地元の保健所の感染症対策課に、平日の昼休みに電話した。
「風疹の検査をしたいのでクーポン券がほしいのですが」と伝えると、生年月日と住所を聞かれ、10日後、自宅にクーポン券が送られてきた。


これがクーポン券だ。検査の受け方が詳しく書かれていて、わかりやすい。

「うちの病院ではやっていません」

この制度の便利なところは、地元以外の病院やクリニックでも、検査や予防接種を受けられることだ。勤め人にはとてもありがたい。ただし受けられる病院は決まっていて、厚労省のサイトに全国の病院のリストがある。
その中から、職場に近い渋谷区内の病院に電話で問い合わせた。

私「クーポン券を使って風疹の抗体検査を受けたいのですが・・・」
病院「当病院では、クーポン券を受け付ける体制がまだ整っていないんです。」
私「いつから体制が整って受けられるんでしょう?」
病院「6月からになると思いますが、それもはっきり決まっていません。厚労省の一覧には載ってしまっているんですが・・・」

出鼻をくじかれたが、次に電話した病院では「はいクーポン券ですね。予約は不要ですのでご来院ください」と、スムーズだった。
リストに載っていても病院によって体制が整っていないところがあるようだ。ここでまた、「脱落オジサン」が出るかもしれない。

「あなたが初めてですよ」

翌朝、出勤前に病院に行った。受付にクーポン券と、運転免許証など本人確認書類を提出し、問診票に記入する。10分ほど待って診察室に通され、採血されて終了。受付からの所要時間は30分ほどだった。
クーポン券で抗体検査を受けたのは、この病院では私が初めてとのこと。看護師さんからは「4,5日で結果が出るので郵送します、抗体が少なければ予防接種を受けにきてください」といわれた。

結果が届いたが・・・

大型連休をはさんで2週間後の5月10日、検査結果が自宅に届いた。


これが抗体検査の結果だ。クーポン券はわかりやすかったのに・・・


丸をつけたところに注目。ええと・・・
抗体価が「64倍」と書いてあってその横に「風疹の第5期の定期接種 非対象」に丸がついているから、大丈夫な気はする。しかし「第5期の定期接種」ってなんだろう?
その下の「検査番号」の「3」に印がついているので、これがいわゆる安全度のランク?と思ったが、裏面の説明を読んでもよく分からない。

結局、病院に電話で問い合わせたところ、「今回の検査法では8倍以下が予防接種の対象なので、予防接種を受けなくて大丈夫です。」とのことだった。まずはよかったが、この64倍という数値の意味や、このあと予防接種は受けなくてもよいのかどうかなどが、もう少し書面に分かりやすく書いてあれば、問い合わせをしなくてもよかったのだが。

忙しいオジサンの「脱落」を防ぐには

今回、この「原則無料」の制度にかかった時間と日数をまとめてみると、
・券が郵送されない年齢の場合は、自分で区役所の窓口を調べて申し込み 5分
・クーポン券が送られてくるまで 10日(私の場合)
・リストから病院を調べて確認 15分(最初の病院には断られた)
・病院で抗体検査 30分
・結果の郵送 2週間(大型連休があったため)
・結果がわかりにくいので病院に問い合わせ 5分
あくまで私の場合だが、大型連休をはさんで4週間近くかかった。

オジサン達の「脱落ポイント」を考えると、
▽年齢によって、自分で申請する必要があること。
▽自治体によっては、申請をまだ始めていないところがあること。
▽病院によって体制が整っていないところがあること。
▽検査の結果がわかりにくいこと


新しい制度ということで、実施する国や自治体でも、まだ十分に手の届いていないことは伺える。そもそも私の周りでは無料制度のことを知らないオジサンもまだ多い。
この検査で抗体が不十分と診断された場合、ワクチンは十分にあるのかという不安もある。
そうした課題はあっても、何しろ無料だ。それに職場の近くの病院で、出勤前や昼休みにちょっと受けることができる。もはや「受診しない理由」を見つけるのではなく、できるだけ早めに問いあわせて検査をすることを、全オジサンに勧めたい。

ニュース一覧