風疹関連ニュース

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風疹検査 企業が健康診断の項目に新たに加える動き 2019年02月04日


風疹の患者数が去年、この10年余りで2番目に多くなったことを受けて、国は一部の世代の男性について、ワクチン接種が必要か調べる抗体検査とワクチンの接種を原則無料で受けられる制度を始めることになり、企業の中には、従業員に行う健康診断の項目に風疹の検査を新たに加える動きが出ています。

風疹は去年、全国の患者数が2917人と、この10年余りで2番目に多くなる流行となり、そのうちの6割以上は30代から50代の男性でした。

国は、子どもの時にワクチンの定期接種の対象にされていなかった39歳から56歳の男性を対象に、ワクチン接種が必要か調べる抗体検査と、必要だと判断された場合のワクチン接種が原則無料で受けられる制度を始めます。

そこで、企業が従業員に対して行う健康診断を請け負う団体は、ことし春の健康診断から抗体検査を新たに追加する提案をし、大手航空会社など数社がすでに実施を決め、検討中の企業も多数あるということです。

企業で働く合わせて90万人の健康診断を請け負っている全日本労働福祉協会の堀田芳郎さんは「働く男性を対象とするので、職場の健康診断に組み込むことがいちばん効率的だと思う」と話していました。

産業医で、風疹の予防に詳しい筑波大学の堀愛助教は「こうした取り組みはとても大切だ。抗体検査で風疹の免疫が不十分と分かればワクチン接種が必要となるので、検査結果とともに、ワクチンを必ず接種する仕組みや、接種のための時間を作る取り組みも進めてもらいたい」と指摘していました。

去年は2番目の多さに

去年1年間の風疹の患者数は2917人に上り、現在の方法で統計を取り始めたこの10年余りで2番目に多くなりました。

患者は去年7月下旬から増え始め、1週間に報告される患者数は10月中旬の218人をピークに9月上旬から12月下旬まで16週連続で100人を超えました。

患者の7割は東京都や神奈川県など首都圏で確認されましたが、東海や近畿、九州など各地でも感染が広がりました。

男女別では、男性の患者数が女性の4倍以上となり、患者全体の6割以上は30代から50代の男性でした。

風疹は、妊娠20週ごろまでの女性が感染すると、赤ちゃんに障害が出る先天性風疹症候群となるおそれがあり、平成24年から平成25年にかけての大流行で先天性風疹症候群の子どもが45人報告され、このうち11人が生後1年ほどの間に亡くなっています。

これ以降、この数年は報告がありませんでしたが、先月、埼玉県の医療機関で男の子1人が先天性風疹症候群と診断されました。

風疹は、ことしに入ってからは1週間で100人を超える報告はありませんが、各地で患者の報告は依然として続いていて、国立感染症研究所では、風疹の流行は数年にわたって続く傾向があることから、ことしも流行するおそれがあるので十分に対策を検討してほしいとしています。

風疹患者数の推移

▽H20…294人
▽H21…147人
▽H22…87人
▽H23…378人
▽H24…2386人
▽H25…1万4344人
▽H26…319人
▽H27…163人
▽H28…126人
▽H29…91人
▽H30…2917人
風疹対策の現状は
厚生労働省や自治体などは次のような呼びかけや制度を設けて対策を行っています。

▼1:妊娠前の女性
妊娠の可能性がある女性は、妊娠する前に2回、ワクチンを接種することが重要だとしています。ただし、ワクチンを接種したあと2か月は妊娠を避ける必要があります。

▼2:妊婦
すでに妊娠している女性は、ワクチンを接種することができません。妊婦健診などで速やかに免疫が十分にあるか調べる抗体検査を行い、もし免疫が不十分であれば、妊娠20週くらいまでは人混みを避けるなど感染しないよう注意してほしいとしています。

▼3:妊婦の家族
妊婦と同居する家族やパートナーは、抗体検査を受けて免疫が不十分だと分かったらなるべく早くワクチンを接種することが重要だとしています。この費用については、補助する制度を設けている自治体が多くあります。

▼4:一部の世代の男性
こうした中で、国が原則無料で新たに対策を行う予定になっているのが、今回の流行の中心となった39歳から56歳の男性です。今後、市町村を通してクーポン券が配られることになっていて、この券を使って抗体検査を受けます。後日、結果が分かり、免疫が十分にあれば、ワクチンは必要ありません。一方、免疫が不十分であれば、ワクチンを1回、原則無料で接種することができます。