風疹関連ニュース

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風疹の被害を知ってほしい 実話に基づく演劇を上演 大阪 2019年01月14日

去年、2900人余りの患者が報告された風疹は、ことし、さらなる流行が懸念されています。こうした中、前回の東京オリンピックが開かれた1964年、沖縄で大流行した風疹によって障害を負った高校生たちが困難を乗り越えて甲子園を目指した実話に基づく舞台が、14日、大阪で上演されました。

大阪市中央公会堂で14日、上演された舞台「遥かなる甲子園」は、前回の東京オリンピックが開かれた1964年に沖縄で大流行した風疹の影響で、生まれつき難聴などの障害を負ったろう学校の高校生たちが野球部を作り、困難を乗り越えて甲子園を目指した実話に基づく物語で、会場にはおよそ600人の観客が集まりました。

舞台では、高校生たちが、音が聞こえないながらも必死にボールを追いかける姿や、自分が風疹に感染したことで息子の耳が聞こえなくなったことに苦しむ母親の姿などが描かれています。

上演を企画したのは、大阪 守口市の大畑茂子さん(52)で、自身も22年前、妊娠中に風疹に感染し、三女が難聴で生まれました。

去年の夏以降、また風疹が流行していることに心を痛めた大畑さんは、舞台を通じて1人でも多くの人に風疹とその被害について知ってもらいたいと、クラウドファンディングで資金を募りました。

その結果、200人以上から合わせて420万円が寄せられ、劇団に依頼して14日の公演にこぎつけました。

舞台の終了後、あいさつに立った大畑さんは「今また風疹がはやり、これから、障害を負った子どもたちが生まれてきてしまうと思います。風疹の怖さや、ワクチンによる予防の大切さを周りの人に伝えてほしい」と訴えました。

舞台を見た50代の女性は、「風疹は軽い感染症だと思っていたので、子どもへの影響を知り、大変さを認識しました。予防が大事だと感じました」と話していました。

風疹は去年1年間で2900人余りと、現在の統計が始まった10年余りで2番目に多い患者が報告され、2度目の東京オリンピックを前にことしはさらなる流行が懸念されています。

大畑さんの企画による舞台は、2月24日には東京の「国立オリンピック記念青少年総合センター」でも上演される予定です。

上演を企画した母親の思い

今回の舞台を企画した大畑茂子さんは22年前、三女をみごもっていた妊娠14週の時に風疹を発症しました。

赤ちゃんに障害が出る確率が高いため周囲から中絶を強く勧められましたが、反対を押し切って出産し、生まれてきた三女は右耳が聞こえにくい難聴でした。

大畑さんは、ワクチンで防げる風疹に感染したことで子どもに障害が出てしまったことに後悔と自責の念を感じ続けてきました。

こうした中、大畑さんは風疹が去年の夏以降、また流行し始めたことに心を痛めてきました。大阪の劇団「関西芸術座」が風疹を題材にした舞台「遥かなる甲子園」を公演していることを知り、インターネットで寄付を募るクラウドファンディングで資金を集めて、地元、大阪での上演を実現しました。

大畑さんは今回の上演を通して1人でも多くの人に風疹とその被害について知ってもらい、ワクチンで予防してほしいと願っています。

「遥かなる甲子園」の背景は

上演された舞台「遥かなる甲子園」は、難聴などの障害があるろう学校の高校生たちが、硬式野球部を作り、困難を乗り越えて甲子園を目指した実話に基づく物語です。

高校生たちが障害を負った原因は、1964年、前回の東京オリンピックの年に、当時、アメリカの統治下だった沖縄で大流行した「風疹」でした。

妊娠中の女性も相次いで感染し、その結果、沖縄では、400人を超える子どもたちが耳や心臓などに障害を負って生まれたのです。

このため、子どもたちが中学生になった1978年から6年間の期間限定で、「北城ろう学校」が作られ、野球好きな子どもたちが部を作って甲子園出場を目指しました。

3回にわたって出場した県大会は、いずれも初戦で敗れ、夢はかないませんでしたが、障害がある子どもたちの奮闘ぶりに、多くの人から激励が寄せられました。